annabelle

エコでサスティナブル

今年の晩夏初秋、FACTORYの展示をアナベルで初めて開催しました。FACTORYといえばやっぱりセーターだろうと、全種類のセーターのサンプルを集めていただき(全26種類)、アナベルがセレクトしていない分も含めてたくさんのお客様にお披露目することができました。野村さんの在店した初日には、運の良いお客様は、普段まず聞くことができないような生産現場の込み入ったお話を聞くことができました。楽しいこともあれば、自分なら耐えられないような厳しいお話もありました。また機会があったら野村さんの話を聞く会を設けたいくらい。それを聞くことで、より自分のセーターに愛着を持っていただけるようになった気もします。そしてあらためて、社長であるお母様の熱意と行動力があってこそ成し遂げている唯一無二のブランドと言っても良いと思います。(通信販売はコチラ)

こいつらの毛も使わせてもらったのかな?可愛らしいカメラ目線ですね。兄弟かな?お友達かな?FACTORYの野村さんは、年に何度もモンゴルを訪れ、こんな広大な山岳地を移動しながら遊牧民と触れ合い、毛刈りの時期には現場に立ち合い、必ず自ら金額交渉までやって帰国する。優秀な日本の商社も毎回ここまではやらないのではないでしょうか。毎回品質の確認と交渉まで自ら行っている。

こんな具合に(今はもっと大きな車らしい)自社の紡績工場まで原毛を運んでいる。広大なモンゴルの地を数百キロ移動します。

工場に運び込んだ原毛はここできっちりストレート糸まで生産される。

現地で生産されたストレート糸(撚糸される前の糸)。ここから様々な撚糸を行い、様々なセーターになる。撚糸の一部やセーターの生産と染色は国内の足利工場で行っている。こんな壮大な工程を野村さんと社長であるお母様、デザイナーの妹さんを含めた数人のスタッフで賄っているのが驚愕です。

今日はannabelleで展示会オーダーをあらかじめ行っていたものが入荷して、店頭にも並んでおりますので、通信販売でもあらためて販売を開始したいと思います。アナベルの店頭に並んでいるFACTORYの紹介です。

FACTORY ヤクショートローブカーディガン ¥33,000(税込)

昨年の別注品とも少し異なるデザインの、わかりにくい新作です。今はまだ今年は暑いですが、来週からは今より一気に10度気温が下がるみたいです。コットンやコットンシルクなどのシャツブラウスにこれを羽織って脱ぎ着するくらいがちょうどいいのではないでしょうか。

カラー展開は上の写真からダークブラウンを除いた5色展開です。(グレー、ブラウン、カーキ、グリーン、ブラック)

こちらがカーキ。ゆるっとしたショート丈は、さらに上着を着る季節にはインナーとしても大活躍で例年多少のデザイン変更をしながらも長い人気を持続するおすすめのカーディガンです。

こちらはグリーン。袖もゆったりしてますが、ニットなのでアウターを着る時には邪魔になりません。いい感じで潰れて存在感を消してくれる、素敵なシルエットの袖。首元にもいい加減に分量があり、小さなストールを巻いている程度の温かさがある。

こちらはブラックです。もう一つ良いところをご紹介すると、薄手のセーターの上に着ていただいてもモゴモゴした嵩張り感が全くないところ。これは男性ながら4年ほど前に購入した似たモデルを愛用しており、真冬はインナーにカシミアの糸衣のミドルゲージのセーターを着て過ごしています。その上に裏地付きのコートを着たら、首都圏の生活で困ったことがないくらい防寒性は最強です。写真のインナータートルは同じくFACTORYのヤクのリブタートルネックです。

FACTORY ヤクリブタートルセーター ¥20,900(税込)

これを上の写真ではインナーに着ています。たぶん思ったほど薄くないです。当然、一枚でも十分に活躍するセーターですし、ジャケットや羽織のインナーにも大活躍のセーターです。今、ヤクはカシミアに次ぐ高級素材ですが、税抜き19000円で出せるのはFACTORYだけではないでしょうか。ちなみにヤク100%です。しっとりした肌触りは、カシミアには劣るものの、羊毛と比較して十分なしっとり感です。

タートル部分はこのように折り曲げてもそのままでも素敵です。

これがタートルを折り曲げてきた感じ。

折り曲げないでそのまま着た感じです。本当にどちらも素敵。ご自身の首の長さに合わせてお好きな方で着ていただけます。

ラグランスリーブですが、脇下から袖全体がシュッとしたデザインです。袖に対してややゆったりした身頃にバランスの良さを感じます。

FACTORY ヤクショート丈ワイドセーター ¥24,200(税込)

こちらはスリット、前後差がある最近のデザインで、アナベルでは初めてのご紹介です。細身のパンツも含めて、様々なボトムスに合わせやすいデザインです。

こちらも右から2番目のダークブラウンを除いた5色展開です。

こちらはブラウン。前後差とスリットが最大限生かされたデザインです。

変な説明ですが、ショートローブカーディガンをプルオーバーにした感じのセーターです。首回りはモックネックで程よく温かく、袖はやや太め。

ワイドパンツに合わせた感じでは、ショート丈もあって非常にコンパクトな印象です。実際のゆったりさを考えるとよいバランスだと感じます。

ボトムスはゴーシュのカツラギ極太パンツ。想像に容易いと思いますが、キュロットやスカートに合わせても素敵なセーターです。

FACTORY キャメルロールネックショート丈 ¥18,700(税込)

こちらはきっとFACTORYで最も馴染みのあるセーターだろうと思います。今から5年ほど前、一度新作として登場したこれがアナベルでは大ヒットしました。ところが翌年の展示会でラインナップから外されていた。。「なんで?」と言いながら、別注でお願いしてその後ずっと販売し続けたモデルがこれ。昨年からネックの幅を少し狭くしていますが、大々的なデザイン変更をせずに7年くらい販売している代表的なモデルです。

キャメルはブラック、グリーン、マスタード、キャメルの4色展開です。素材としてはヤクやモンゴリアンウールが登場する以前からFACTORYが打ち出してきた、他ではなかなか見ない「キャメル(ラクダ)」の毛です。モンゴルの砂漠地帯に生息するフタコブラクダの毛を用いています。

ボートネックのロールネック。裾と袖もロールしているデザインが特徴で、こちらもワイド幅だけどショート丈ですから、印象はコンパクト。僕らとしてはビッグTeeを着る感覚で来週あたり、気温が下がったら着ていただきたい軽めのセーターです。

こちらがマスタード。前後差はなく、前後ろともに着丈は短めです。ロングシャツやチュニックなどに重ねて着る方も多いレイヤー好きには楽しい1着になるモデルです。

昔はもっと幅の広いボートネックでしたが、少し開きが小さくなりました。

これから気温が下がった時に、Teeシャツみたいな感覚でコットンパンツに軽い感じで着てほしい。

FACTORY カーブセーター ¥18,700(税込)

昔、もう8年ほど前?もっと前かもしれませんが、「裾カーブセーター」というこのモデルの前身となるセーターがありました。もっとゆったりしたロング丈で、ネックはもう少しゆとりのあるクルーネックでした。それはそれで今も着ていただいているお客様もたくさんいらっしゃいますが、数年前にそれが廃盤になり、代わりに登場したのがこれ。一言で言うと、だいぶスッキリさせた後継者。着丈は短く、身頃は小さく、ネックもコンパクトにして袖丈もスッキリ。昔の妙なクセのあるデザインも大好きでしたが、こちらはよりとっつき易いデザインとなったように感じます。

こちらもキャメルで4色展開。ロールネックと同じカラー展開です。小さなリブがありながら最後はロールで収まっている。

少し個性の光る定番的に着ていただけるセーターといった印象です。ゆったりしたデザインが少し苦手な方にもお勧めできるセーターです。

ネック部分も小さなリブとロールで収まっています。

後も全く長くない標準的な着丈であることも特徴です。ホールガーメントにより全身にカーブをつけた他に類を見ない個性を持ちながらも、非常に定番的なサイズ感とバランスに収まっている秀逸なセーターではないでしょうか。最も幅広い感覚のお客様が購入してくださっているセーターはこれです。

FACTORY カシミアクルーネック ¥27,500(税込)

幅広くたくさんの価格帯のお店を見ている人は、「あれ?ちょっとお買い得?」って感じるかもしれません。今カシミアは非常に値上がりしており、3年ほど前からFACTORYさんも新たな仕入れをせずに過ごしていたほどです。今、FACTORYさんが扱う内モンゴル産のこのウェイトのセーターで3万円を切っている商品はあるのか?ないと思います。(あったらごめんなさい)FACTORYが自身を持ってお買い得価格で設定したセーターです。現在FACTORYが所持していた在庫を用いて展開したカシミアです。売り切り御免な価格設定ですので、来シーズンはないかもしれません。

色は生成り(無染色)とブラックの2色展開です。

こちらは最もオーソッドクスなセーターです。ちなみに、ちなみに、、昨年まで継続的にアナベルで販売してきたカシミアセーターは当時最安で別注で作っていただき、これ以上値段を下げるのは無理だと言われていたものですが、お値段は¥29,700(税込)でした。デザインはほとんど同じです。そして実はその在庫が1点だけ残っています。今までは29,700円で販売してきましたが、今回画面は別々で販売しますが、お値段は¥27,500で揃えます。似ているけどなんで別々になっているの?と思われるかもしれませんが、そう言うわけですのでご了承ください。

見るからにオーソドックス。

FACTORY モンゴリアンウールタートルネック ¥24,200(税込)

こちらはFACTORYの歴史の中では近年に登場した「羊毛」です。実は登場した最初のシーズンのモンゴリアンウールは、非常に毛玉になりやすかった。。ソフトであることは当時から間違いありませんでしたが、原毛の品質、紡績の技術の工場のおかげで、今のモンゴリアンウールはとても毛玉になりにくい。全然違います。3年ほど前に購入して、「毛玉がすぐにできた!」と言うお客様がいらっしゃったら、今一度今のモンゴリアンウールをお試しください。

カラー展開は、写真のグレーを除くホワイト、ブラック、イエローの3色展開です。

袖のカーブした、着丈も長めのゆったりとしたセーターです。

後ろから見るとその特徴がわかりやすい。当然とても温かく、この上にコートで真冬も完了の1着です。

ブラック。他のセーターも同じパンツで合わせているものが多いので、着丈の違いがわかりやすいと思います。どちらかと言うと、テーパード型のパンツに合わせやすいデザインかもしれません。個人的にはしっかりした素材のロングスカートに合わせたら素敵だと思えるセーターです。

イエローのこの写真は着用がサンプルです。申し訳ありません。ネックの形は見ないことにして、ホワイト、ブラックを参考に、色だけの雰囲気を見てください。そのうち入荷した商品で写真が撮れる機会があれば差し替えたいと思います。

FACTORY モンゴリアンウールラグランセーター ¥25,300(税込)

こちらがアナベルがセレクトした8種類のセーターの最後です。見ての通り、ミックスした色調が特徴のセーターです。トップ糸のないFACTORYのトライした面白い1着だと思いました。今後の展開に期待したい編み地の第一弾になるのではないでしょうか。

こちらはアナベルではブラックはセレクトしていません。ホワイトミックス、グレーミックスの2色展開です。

ポンチョを意識したという被りのデザインは、モックネックのような襟が特徴的なゆったりとしたセーターです。ざっくりしたセーターのなかったFACTORYに登場した3ゲージの機械編み。手編みとはやっぱり違いますが、そういった部分でも今後少しづつ育てたい注目のセーターです。

後襟の抜けた感じも本当に可愛らしいのです。

ホールガーメントの3Gでこれだけカーブが綺麗についた襟を作り、裾や袖にも細やかな特徴を出すことができる技術は驚くばかりです。デザインには好みがありますので、今回のものが刺さらなかった方にも、今後を期待していただきたい原石です。

こんな広大な場所で放牧をする遊牧民と契りを交わし、15年ほどの長い時間の中でしっかりとした人間関係を築き上げている野村さんは、今回のお話も聞いて本当に尊敬できるアパレル人だと感じます。仕組みを作るだけでなく、聞けば聞くほど異国の別な文化を持った方々との細かなやりとりが考えられないほど大変で、あらためて大切に着ようと思いました。

地球環境にまつわり、エコとかサスティナブルという言葉をよく見聞きしますが、アパレルで考えると、FACTORYが実践していることがまさにそれに当たると思います。彼らは新しい機械や仕組みを作ったわけではなく、昔からある紡績機をモンゴルに用意して、昔からある遊牧民の生活に彼らの方からお邪魔して、一緒に毛糸を作る。工場で働いてる方々の生活は彼らが支えている。つまり、新しく作ったのは新しい人間関係であるという素晴らしさ。これほどエコでサスティナブルな取り組みがあるでしょうか。ないと思います。一般的なアパレルやファッション業界にかけている部分がFACTORYには詰まっているように思います。これからも大切に販売していきたいセーターです。

細かなデザインや素材感は、あらためて本日アップする通信販売ページをご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

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