むきあう人たち
職人さんや作家さんはすごいな・・・とつくづく感じます。
「いいんじゃない・・・べつに」みたいなものがない。そういう人もいるかもしれないが、今の僕の店の現場には少なくともいない。みんなよりいいものを求めて取り組んでいる。
大いに共感できる。ラフな雰囲気で仕事をするのは大好きだが、気持ちで先に限界点を決めてしまうのは大嫌いだ。その時点で絶対にそれ以上のものは生まれない。生まれるはずがない。
小さなことでもそう思う。
お店にいよいよファザードが入った。
これが入るとやっとかっこがついて見える。立ち止まって見る人も増えてきた。
まずは総がかりで鉄の柱を立てる。大きな鉄の材料を相手に「あと2ミリこっち!」とか言っている。
ミリ単位での調整をしながら、溶接していく。
躯体のほうが曲がっているので調整には多少難航していた。
一方で弟のほうは配管をいじり始めた。
春から独立して設備屋を営んでいるため、応援に駆けつけてくれた。
見ているととにかく仕事が早い。しかも正確。
本人いわく、普段の3分の1程度にのんびりやっているらしいが・・・。
水道管は、もともとビルの設備についていた配管をそのまま生かすかたちでできるだけ見栄えよくやってくれた。「最初から俺がやればこんなみっともない配管にはならないのに・・・」とかブツブツ言いながらもきれいに仕上げてくれた。
ちゃんと流れそうもないデローンとした配管をこのとおりきれいに支持をとってくれた。
役所並みの器具を取り付けているらしいのでジャンジャン水を流しても全くピクリともしない。
目に見える配管は美しくなきゃいけないらしい。
見ていて気持ちがいい。
職人さんや作家さんたちは、自分の仕事にプライドを持ち、しっかりと向き合っている。
「まーいっか」の積み重ねが駄目なものになるのを心得ている。見習うところが多い。