8月31日(木)ー9月5日(火)という日程でFACTORYさんの展示を開催いたします。annabelleではお取り扱いを始めてもう11年目となるブランドですが、展示という形式でのご紹介は初めてとなります。僕も展示会以外でゆっくり野村さんとお話をするのは初めてですので、今から楽しみにしています。
彼らはモンゴルはモンゴルでも、ウランバートルから600km以上離れた標高の高い地域に生活する遊牧民の方々が飼育しているカシミアや羊の毛を分けてもらっている。簡単に「分けてもらっている」なんて言っているが、そこまでの関係を築くのに、何年もかけているそうだ。FACTORYの社長は野村家の母、タカコ社長。現地での原料調達と染色は次男のルイさんが中心になって進めている。今回の展示にはそのルイさんをお呼びしています。
初めは原毛を買って、糸(ストレート糸)にする工程は自分たちではできず、外注していたそうですが、今ではモンゴルに紡績所を設立してしっかりと機能しているから驚きです。裏舞台では様々な苦労があったそうですが。。
刈り取った原毛は厳選してこんなふうに紡績工場へ運ばれていきます。
ここでようやく「糸」になる。この状態でないと日本への輸入もできないのでとても重要な工程です。この後、日本に入れて、足利の自社でゆっくりと様々な糸に「撚糸」されていきます。上の写真は「ストレート糸」と言って、皆さんが見る一般的な糸を作る前の段階の糸です。FACTORYの足利では、僕も以前お邪魔して見学させてもらったことがありましたが、数種類の糸をオリジナルで作り、その糸ですぐ設計されたニットを編んでいます。
そして染色。ここは野村さんがまたまた腕を振るう場面です。僕が初めてFACTORYの商品に目が留まったのは、実はこの染色によるオリジナリティある色合いがきっかけでした。この黄色は羊毛の白から染めていますから意外に明るいイエローですが、キャメルを染めるとなるとこうはいきません。彼らは風合いを重視しているため、「晒し」という薬剤で一度毛糸を白くする工程が好きではないようで、それをやらないとなると、、キャメルは「生成り」を染めるわけですから、薄いベージュにイエローを被せるような色合いに仕上がります。染色の前には「晒す」というのが一般的であるため、僕には当時のFACTORYさんが出していた色合いが本当に不思議な色並びに見えて仕方なかった。聞いて納得でしたが。
素敵なセーターのはじまりは、コイツらです。可愛いですよね。今回の展示では、FACTORYのセーターの素晴らしさがいつもより深掘りした形でご覧いただける機会になればと思っております。野村さんの在展は、8月31日(木)の初日となりますので、ご都合の合う方はぜひお越しください。