annabelle

漂流士になった気分で。

展示会シーズンに入る前、いや正確にはそのシーズン中、

気になったことや「次のシーズンはこんなものがあったらいいな」
といったものをたまにノートに書き留めている。
展示会が始まった頃見直したりするのですが、

正直、雑記帳なのでどこに何が書いてあるかわからない。
しかし、探しながら見返していく時間もまた大切なのです。
スマホのメモ機能を同時に使用しながらノートも使っていると、
ノートの不便さがもたらしてくれる大切なことにも気がついたりします。
それは、「余計な情報」です。特に今探していない情報も同時に入ってくる。
でもそこからまた、違う思考が展開したりする。
多分、スマホのメモ機能ではそういったことは起こらない。
必要なことしか書いていないメモがすぐに見つかるから。
これはなんとなく、インターネットメディアとマスメディアの
違いに似ているように思います。
なんだかんだ、昔から雑多な中からお気に入りを掬い取るような
遊びは大好きでした。当初は思いもしなかったところから、
最高の宝物が見つかったりする。
今回、ASEEDONCLOUDがテーマに据えたのは、海の灯台の近くで、
漂流物を拾い集めて再生させる、「hyouryuushi(漂流士)」の
夫婦が着る洋服でした。得体の知れないものに命を吹き込む二人が
着る服は、さぞドラマチックで、ロマンのある洋服なのでしょう。

海を住処にするものとして、こんなセーターはとても様になる。

アランセーター?と思いきや、、

見る人が見たら「あー!」ってなる独特な袖付けのデザインは、

同海域にあるガンジー島が発祥とされるガンジーセーターを
モチーフにしている。

つまり、ガンジーセータのデザインをベースにアラン編みを

再現している。世界を代表する2つのフィッシャーマンセーターが
見事にミックスされたデザインです。
英国に所縁(ゆかり)のあるデザイナー玉井さんらしいセーター
ではないでしょうか。

ASEEDONCLOUD

Midnight sun Gandhi  ¥34,100(税込)
khaki

アランセーターには様々な物語が存在しますが、その編柄の

ほとんどは、海に出る漁師たちの安全と漁の成功を祈って、
意味を持って編まれたものでした。
当時は油分のあるニット糸を用いてガチッと編み込まれた
ものばかりでしたので、きっと肌触りが良いわけがなかったのだと
思われますが、今回作られたこちらは、当然現代風に
ソフトに軽く編まれています。
暑すぎず、活躍の期間が長い素敵なフィッシャーマンセーターかと。
ネイビーもありましたが、完売しています。

折り返さない、感じのいい上品なハイネック。

袖丈はわざと長いデザインとなっています。
でも、気になる人は折り返してもカッコよく着ていただける
バランスですのでご安心を。
実はこのパンツもASEEDONCLOUD。
相性がいいはずです。
ざっくりした印象ながら、アランセーターのような
ボリュームはなく、上からアウターも着ていただきやすい。

着丈の仕上がりもとってもちょうどいい。

ASEEDONCLOUDのレディースのお洋服は、おそらく
身長160〜165cmくらいの女性をイメージして作られているのかな?
と感じるお洋服が多いので、身長155cmの妻には少し大きく感じる
お洋服も多いのですが、意外に合わせてみると様になる。
このセーターは、155cmの妻にも問題なく着ることができました。

上からyarmo(ヤーモ)のコートを。

khaki

カーキというか、辛子色のような絶妙な色。
なんだか妻が漂流士に見えてきました。

漂流士。

いいもの見つけそうな面構え。

来春発売予定のバルーンパンツに合わせて。

着丈がすっきりとしていますので、スカートやそのほかの

あらゆるボトムスに合わせやすそうです。

上から同じくASEEDONCLOUDのツイードジャケットコート。

少し長めのジャケットデザインのアウターですが、

これは妻には少々大きい。
多分、165cm前後の女性が着たら、すごくかっこいい。

ご機嫌で着てはいますけど。。

お尻がすっぽり隠れる長さです。

ウェストが絞れるデザインですので、
こちらは少し絞っています。

ショールカラーのジャケットデザインは、

少しクラシカルな匂いが漂います。

海岸で拾い集めたものが入れやすそうな大きなポケット。

海風にも耐えられそうなダブルの内合わせ。

クラシックで使いやすいドローコード。

手袋をはめたまま、扱いやすいデザインになっています。
こちらも漂流士に配慮したデザインでしょうか。

片側には内ポケットが。

ゴーシュのパンツにパテントシューズで少しエレガントな雰囲気で。

しっかり海風を凌げる実用性も魅力です。

寒波が来て、そろそろ温かいズボンをお探しの方も増えています。
こちらのパンツは僕自身もメンズを購入して履いていますが、
相当に温かい。

ASEEDONCLOUD

Hyouryuushi Heringbone
Beige ¥39,600(税込)
これは長く履きそうなパンツに出会いました。
このパンツ、実はデザイナー玉井さんが長年修正を繰り返して
辿り着いた、玉井さん的には究極の自分用パンツだそうです。
すごくその意味がわかるデザインです。

ウェストは収まりの良いテーパードシルエット。

丸みがあって、少しウェストから落としたところで綺麗に収まります。
もちろん、ベルトをつけて履いてもいいと思いますよ。

ただ、こちらのシンチバックでほぼ調整可能です。

ポケットもなんだかジーンズみたいで可愛らしい。

様々な素材で例年作るこちらのパンツ、今回はツイードです。

しかも英国は「MOON社」のツイード。
軽さが特徴のMOON社製のツイードは、ハイクウォリティな
メンズブランドでも多く使われるとっても良い素材です。
フロントはボタンフライ。
トップボタン下の金具フックがとてもクラシックで好印象。
ヴィンテージで多く見かけるデザインです。

折り返し幅が短く、なおかつ身返しを付けた切り替えの

裾デザインは、工場的には非常に面倒な仕様のデザインですが、
擦り切れる可能性が高い裾部分に適した、長く愛用して欲しい
気持ちが詰め込まれたタフなデザインです。
擦り切れたら5ミリづつの丈つめが可能です。
なんだかすごく、玉井さんのお洋服に対する愛情が現れた
ディテールデザインのように感じました。

巧みに切り替えられた膝下は、僕も履いて納得のデザインでした。

おそらくテーパーシルエットの好きな方は、皆さん虜になるのでは
ないでしょうか。
こんなふうに切り替えないと、実現できないようなシルエットを
無理なく綺麗にこなしている素敵なデザインです。
とりわけ、膝下の短い日本人にはありがたい、綺麗なシルエットを
実現しているように感じました。

裏地には膝上まで続く丈夫そうなコットンが使用されています。

案の定、このおかげで温かい。
「裏地、膝下まであればいいのに」という声が聞こえてきそうですが、
実際履いてみて、履き心地を優先したら膝上で正解です。
英国ツイード自体温かいので、冷えやすい大腿部とお尻周りに
裏地があればそれで十分ですし、意外に地厚な素材ですので、
たぶん、膝下にあったら履き心地に支障が出ます。

ウールのシャツ一枚に、ラフに合わせて。

膝下にダーツをわざわざ取ることで生まれる、

横姿の絶妙なシルエット。

タックインしてもかっこいい。

きっとトップスのブラウスによって、印象は変わるでしょう。

妻は155cmで、サイズはXSを履いています。
もう少しワイド感が欲しい人は、小柄でもSを選ぶと良いかもしれません。
その場合、着丈も少し長くなりますが。

漂流士のパンツのバックポケットはやっぱり大きめです。

このバランスもツイードパンツらしくなく、カブいた感じが好みです。

膝下のダーツは、シルエットを強制する役割もありますが、

その多くは、立ちしゃがみでの膝が出ることを防ぐためにあると思います。
そう、初めから膝が膨らんだデザインですから。

この後ろ側のダーツは、完全にシルエットを作るためのダーツです。

玉井さんの細かなこだわりが垣間見えるデザインです。

こんなところにD菅が。。

漂流物をぶら下げるためなのか、、
はたまた、漂流物探しで遠出をした際の装備をぶら下げるためなのか。
想像を掻き立てるD菅です。
デザイナーの記した正解は、近日更新される通信販売ページの
商品説明欄に書かれていますが、それはきっと一つの正解に過ぎません。
色々な想像を楽しんで、眺めたり使ったりしてみてください。

海に生きる夫婦を描くように作り上げた今回のASEEDONCLOUD の

コレクションは、少し牧歌的な風景に登場するトラディショナルな
アイテムを現代風に落とし込んだアイテムが多く、本当に共感を
抱く内容でした。
とりわけこのコートが象徴的な存在でした。

ジャケットアウターやパンツと同じく、軽くて温かいMOON社製の

英国ツイードを用いた膝丈のコート。

そして素材違いの同デザインのこちら。

こちらはウェールズ地方のハイランドウールを用いた格子柄の
ウール素材。展示会で、最も印象に残る素材でした。
MOONのツイードと比べると少し重さはありますが、
着てしまえば全く気にならない。
こちらも近日、通信販売にもご紹介いたします。
お店に来られる方は、ぜひ店頭でお試しください。
漂流士になった気分で。

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