ARTE POVERAな気分で
ARTEPOVERA(アルテポーヴェラ)というブランドは、アナベルへ昔から来てくださっている方にとっては聞き馴染みのあるブランド名だと思います。僕自身もアナベルを始める前から好きで、リメイクのベストやカットソーなどを他のセレクトショップで購入して着ていたブランドです。アナベルではオープンから3年ほどした頃、オファーをかけてお取り扱いが始まりました。
デザイナーがヨーロッパを中心としたヴィンテージに精通していて、商品にその感覚が程よく投影されている点や、ブランド発足当初にラインナップの多くを占めていたリメイクを自らの原点として今も続けてくれている点。そして何より超感覚的な点が大好きなブランドです。ブランドの名前は、イタリアで60年代後半から70年代前半にかけて確立した芸術運動、「ARTE POVERA(アルテ・ポーヴェラ)」が由来です。日本語では「貧しい芸術」を意味し、ボロ切れや新聞紙など豊かさやアートとはかけ離れた存在にアーティストの感性や思考を組み合わせることで完成させるという分野の芸術で、デザイナーの鹿野さんはそのイタリアで起こった芸術運動に影響され、そのままブランド名としました。超感覚的な点やリメイクが得意なことはなんだかそのブランド名と繋がっているように感じます。
今日はそんなARTEPOVERA(アルテポーヴェラ)の新型のパンツをご紹介したいと思います。リメイクではなくシンプルな中にらしさを感じさせる素材がお気に入りのパンツです。
ARTEPOVERA モールスキンパンツ ¥20,900(税込)
デザイナーの鹿野さんは、20年ほど前に倉敷の児島に移住をして働きながらブランドを立ち上げました。奥様も一緒に自社工場を立てて、生産もほぼ全て自ら行っています。昔からご来店いただいているお客様の中には、ARTEPOVERAのダメージ加工の入ったチノパンを何本も所持して穿いてくださっている方も多いのではないでしょうか。
このパンツは素材がモールスキンですので、しっかりとした生地感で少し重さもありますが、昔のチノと同じくとても穿きやすいパンツです。
ウェストはゴムと紐です。
モールスキンは起毛した素材ですが、こちらは毛足のない微起毛です。ヨーロッパ古着ではお馴染みの素材でしょう。
バックポケットは玉縁ポケットが片側にあります。
色は生成りとダークブラウンの2色展開でのご紹介です。ダークブラウンは、チャコールグレーのような黒っぽいダークブラウンで、とても雰囲気のある色味です。
生成りはホワイトのブラウスとワントーンで。赤いバッグがポイントになったスタイルです。ブラウスの裾の耳も効いていますね。
2タックのワイドパンツですので、横から見るとシルエットの抑揚が分かりますかね。タック入った分太もものあたりが少し膨らみをもったようなシルエットです。
素材のしっかりした感触も写真から伝わるでしょうか。穿き込んでいくのが楽しいしっかりとした質感です。冬の白おいパンツをウール以外で持っていると、着用期間も長くて絶対に重宝します。こちらは真冬でも穿いていただけるおすすめのコットンパンツです。
FACTORYのヤクのカーディガンを重ねて。
黒いブラウスに合わせて。
こちらはゴーシュのジャケットに合わせて少しきれいめに。コンパクトなトップスを合わせるのがセオリーかもしれませんね。シンプルなセーターやシャツ、ジャケットやブルゾンなどと合わせてお楽しみください。
トップスをコンパクトにすると、パンツの印象すら変わってくるからスタイリングって面白い。
こちらがダークブラウンです。ほんのり茶色がかった程度のブラウンが好印象。何も言われなかったらチャコールかな?と思えるような曖昧な色味が素敵です。
トップスにシンプルなカシミアのリブタートルを合わせて。今時期はこのくらいがちょうど良さそうですね。秋冬感は十分ですし、日中は袖をまくって心地よい。
上からベルベットのベストを重ねて。
モールスキンのパンツやコートは、一見メンズっぽく見えますが合わせるアイテムによって印象は変わります。女性らしいブラウスとか、華奢に見えるセーターとか、可愛らしいベスト、そして柔らかい素材のコートなんかを重ねると、少しハードな素材感が生きてきます。
フルレングスのワイドパンツは、こちらがXSサイズで背の高い方にはSサイズのご用意がございます。165cm以上の方からSサイズが良さそうです。フルレングスですから、少しだけ短め(くるぶしに裾がくるくらい)に穿きたい人は165cmでもXSで良いと思います。XSとSではウェストや渡り幅も変わりますので、痩せ型の方は165cm程度でもXSが良いような気がします。サイズに迷った場合にはお気軽にお問い合わせください。
ARTE POVERA(アルテ・ポーヴェラ)な気分で、自分らしいスタイリングを編み出してください。固定観念に囚われず、軽い気持ちで「これと合わせたら面白いかも?」っていう発想を大切にして。