ノスタルジックトラッカー
展示会で妻と見ながら、「なんか懐かしい感じのジャケットだね」なんて話をしていました。僕と妻は少し年齢も違うし、若い頃の洋服の趣向も違うけど、「懐かしい」というフレーズは同時に出てくる洋服でした。
FACTORY トラッカージャケット ¥35,750(税込)
この名前を見て、「あーー!」ってなり納得。由来はわかりませんが、昔よく古着屋に必ずと言っていいほど置いてあったリーバイスのスウェードのGジャンタイプのジャケットを「トラッカー」と呼んでいました。アメリカの長距離トラッカーが着ているショート丈のワークジャケット全般を指してそう呼ぶのかな?くらいに思っています。
その言葉では説明できない「懐かしさ」って何なんでしょう?
それはきっとあらゆるパーツのデザインなんだろうと思います。
襟はワークジャケットらしいワンピースですが、昔のワークジャケットと大きく異なるのは女性の首に沿うような小さなネックと大きく下りのついたデザインではないでしょうか。シャツを着るように一番上のボタンも留めて着ていただけます。
全体のサイジングに合わせたゆったりとしたアームホールもどことなく懐かしいし、今っぽさも感じられる。
ワークジャケットには通常見られない額縁仕様で仕立てているところも面白い。素材や、加工、そして猫目のボタンなどのワークらしさからイメージできない綺麗な額縁仕様がどうにも目につきます。襟やそのほかのコバステッチも綺麗。
e-flowと呼ばれる特殊な加工を施した生地は、元々はネイビーです。さりげない経年のブリーチを環境に負荷をかけない方法で実現しているのがこの加工だそうで、日本では2社しかやれない加工みたいです。裏側の方がネイビーが残ったような濃色ですね。ここからゆっくりですが、お洗濯を繰り返していくうちに少しづつ褪色はしていくと思います。色移りは、強い摩擦と水濡れが同時に起こると起こる可能性がありますので、数回は単独でお洗濯をして様子を見てください。
このバックスタイルなんかまさにトラッカー。リーバイスのGジャンの3rdモデルが同じデザインですね。これも懐かしを感じる一つだと思います。
そんな懐かしさを意識した3タイプのスタイリングで、こちらはGASAのスカートに合わせてみました。
大人っぽさもありますが、なんか若々しい。
こんなセットアップも懐かしい。昔はケミカルジーンズが大流行りしましたから、上下でケミカルもやりました。そんなイメージですが、やっぱり今の服はかっこいい。デザイナーってすごいなと、しみじみ思いますね。
前を開けると軽さも出ます。
ちょっと大人になった10代後半には、チノパンに合わせてよくGジャンを着ていました。当時はネクタイをしたり、靴はエンジニアブーツとかコインローファー。このスタイリングはそんなイメージです。
当時はもちろんこんな太いパンツはあるわけもなく、古着屋さんで一番安くて太いチノパンを買って履いておりました。秋や春はブーツでもかっこいいと思いますし、女性らしくワークスタイルにヒールもいい。同年代の方にはノスタルジーも感じながら着てもらいたいトラッカーです。