Honnete姉妹伴〜特別な存在…Honneteとの出会い
Honneteの季節になると、色々と回想が始まるもので、それこそ共に歩んできた証拠でもあると思うのですが、、「初めてHonneteを知ったのはいつだったか?」を考えていたら、はっきりと思い出しました。当時渋谷の公園裏にあった某大手セレクトショップに訪れた際に、パリッとしたいかにも上質なコットンブロード素材で、当時としては「どう合わせたらかっこいいのか?」と思ってしまったほど釘付けになったシャツが今日ご紹介するギャザーブラウスでした。annabelleを始める2年ほど前のことでした。
フランスのファブリックメーカー兼ファクトリーとして有名なHonneteに、特注とも言える数々の別注商品をお願いして作ってきたのが「姉妹伴企画」です。西荻窪のpoefuさんと一緒に、annabelleとpoefuでしか販売していないHonneteを作ろうと、今から12年前にスタートした企画です。姉妹伴とは、中国福建省、惠安地域に古くから伝わる文化慣習で、数名の女性たちが小さな頃から本当の姉妹のように寝食を共にし、互いの家を行き来することで、その絆は本物の家族のような深い絆となるそうです。我々annabelleより1年先にオープンした西荻窪のpoefuとannabelleの関係を姉妹と捉え、2店による共同別注企画を「姉妹伴」と名付けました。今年もHonnete姉妹伴の季節がやってまいりました。本日はブランドを知るきっかけとなったブラウスと唯一12年間、マイナーチェンジもせずに続いているシャツワンピースのご紹介をいたします。
Honnete姉妹伴 Irish Linenギャザーワンピース ¥33,000(税込)
フロストグレー(姉妹伴カラー)
前述のようにHonneteを知り興味を抱き、当時から交流のあったpoefuさんを訪れた際に、実は早めの再会をはたしてしまったのがお取り扱いを始める大きなきっかけでした。poefuさんに出かけた際に「あ、、」と思い、すぐに柿本さんに相談して紹介してもらうことになりました。一緒に訪れた展示会で、このシャツワンピースを初めて見て、相当な衝撃を受けて大興奮で見ていたことを今も覚えています。
そこまで興奮したのには、僕がメンズで長年働いてきたことも関係していたのかもしれませんが、しかししかし、僕もすでにレディースをやると決めて、それなりにあらゆるお店でのリサーチはしていたつもりでした。そんな中で見たこの洋服に、大興奮したのは、やっぱりその当時見たことがなかったからだと思っています。素材もいいし、色もいい。縫製レベルがどうのこうのという話になると、そこは一般的なレベルだと思うのですが、一番ドキドキしていたのは、雰囲気を出せるブランドだと感じたことでした。
それにこんなデザインは、今現在でもHonneteでしか見たことがない。言われないと意識すらしないかもしれませんが、最も衝撃を受けたのは「袖」がないということでした。「いや、あるじゃないか」と思うかもしれませんがよく見てください。身頃に直接カフスがついているデザインなのです。
しかもほぼ直角に短いカフスが付いています。先程、縫製は普通だと申しましたが、これはきっと厄介な縫製です。とても縫いにくい。。実際、ヨーロッパの工場から、仕様変更の打診が何度もあったそうです。身頃を数センチカーブさせるだけで相当縫製が楽になるので、それに変えてもらえないかと。しかしブランドが出した答えは「NO」でした。やっぱりここへのこだわりは相当なもの。だって本当に特徴的ですから。
こちらも昨日と同じく5色展開となっております。下から、、、
フロストグレー(姉妹伴カラー)
ヒヨコイエロー(for annabelle)
コーラルピンク(for annabelle)
アイアンネイビー(for annabelle)
アラビアックグレー(Honnete純正カラー)
グレーを着用。
annabelleオープン当時、このワンピースをレギンスに合わせてスタイリングしておりました。懐かしい。そしてこんな感じでパンツに合わせるようになったのは、たしか2014年くらいのことでした。当時はもっと細身のパンツに合わせて提案していましたが、年々変化してボトムスが太くなり、このスタイルは定番として定着していくことになりました。
同系色のワントーンでこんな風に着るようになったのは5年ほど前からかもしれません。リネン素材にカゴバッグ、そして引き締めるかのように履く革靴をセットのような感覚で提案し始めました。
そしてその後、前を開けて羽織のようにも使い始め、真夏の羽織としての側面も見えてきたのが3年ほど前からかもしれません。
この、ぴょこんと飛び出したような袖口の雰囲気がとっても特徴で、先ほどの譲れない仕様、デザインに関係しています。
ヒヨコイエロー(for annabelle)
for annabelleですが、実はこの色を作ったのはpoefuの柿本さんです。偶然にも僕らと同じ淡めのイエローを色出ししていて、見させていただいた時に、僕らが出した色より気に入ったということでこちらを選びました。とっても可愛らしさを醸す反面、出過ぎない黄色みの存在感がちょうどいい。そしてトーンが絶妙です。
ヒヨコイエローは同系色のmuniさんのサルエルパンツに合わせてスタイリングしてみました。こんな風に太いダボダボとしたパンツに合わせ始めたのもここ3〜4年かもしれません。一つの飽きないスタイルとして定着しています。
前を開けてインナーとのバランスも楽しんでいただきたい。プリントTeeなんかを合わせるとより今っぽい感じが出るのではないでしょうか。
muniさんの存在感のあるパンツは、22日から始まるmuniさんの展示でも販売予定です。
コーラルピンク(for annabelle)
コーラルピンクはannabelleから出した色味です。リネン素材は染色の際に色が沈みやすい特性を持っているので、キラキラした色味は出しにくいのですが、このピンクは淡くキラキラした感じを出したくてお願いしたピンクです。サーモンピンクにならないように、かといってビビットにもならないように、そんな発色を狙ったピンクです。
合わせているのはblue in greenのコットンリネンデニムのバルーンパンツ。昨年アナベルで別注したパンツです。自身でも気に入って履いているパンツの一つです。
インディゴにホワイト、シンプルな組み合わせに羽織るゲンキになるピンクにゴールドのバッグ。カジュアルで元気な夏のスタイルでありながら、革靴や小物でさりげなく大人っぽさを出しています。
羽織として着用した際に、背面のギャザーはより際立ってるように感じます。
アイアンネイビー(for annabelle)
アイアンネイビーはもう6〜7年前に出したネイビーで、黒みが多いのが特徴の鉄紺です。上品さが際立つネイビーで、夏に爽やかに着ていただける濃色ではないかと思います。
膝タックの入った裾絞りパンツにスポーティーに夏らしく合わせながら、あえてヒールを履いているのがバランス的にお気に入りのスタイリングです。ホワイト×ネイビーで落ち着いた雰囲気を出せるので、もしかしたら小物でもっと色や柄を入れても良いのではないでしょうか。スカーフなんかも似合いそうなコーディネートです。
アラビアックグレー(Honnete純正カラー)
今シーズンのHonneteから発売されているカラーです。姉妹伴では基本的に全カラー別注でやろうと思って取り組んでいるのですが、poefuさんと相談して、あまりにメーカーカラーがよかった場合に限り、そのままカラーを選ばせてもらう場合もございます。今回はこの色がそうでした。
アラビアックグレーは、同系色でワンピースの羽織としてスタイリング。ワンピースはノースリーブで、夏場に活躍しそうなコーディネートです。さまざまなワンピースとの組み合わせをお楽しみください。
前を閉じて着ても素敵です。ワンピースの着丈は長めの方がかっこいいかと思いますよ。
そして今日はもう一つ。
Honnete姉妹伴 ギャザーブラウス ¥29,700(税込)
これが、初めてHonneteを知るきっかけになったギャザーブラウスのマイナーチェンジ版です。どこが変わったかと申しますと、、袖に付いたカフスの幅(長さ)です。
このカフス、ワンピースタイプと比べると長いですよね。昔、僕が初めて見た時からしばらくは同じ短めのカフスがついておりました。しかしデザイン変更はそれだけで、ほぼ変わらずに15年近く前から存在していることになるのですが、それに驚きます。
僕もわずかながら前職でレディースを見ることもありましたし、街中でもここまでワイドギャザーなシャツを着こなしている女性は、当時はあまりみたことがありませんでした。パンツのシルエットも今のようなワイドではなく、オーソドックスなシルエットが主流でしたから余計に存在感がありました。
こちらも同じく5色展開です。
もう付き合いが長いだけに、「次はどうスタイリングしてみようか?」という楽しみ方をしていますが、今回このシャツは、襟を立てて着てみました。しかも内側には特殊なサロペットを合わせて。
まだまだ新しい着方が発見できそうな気がしてきました。
前を開けて羽織としてもかっこいいシャツだと思います。
ヒヨコイエローもこんな感じで羽織として。
ボトムスはARTEPOVERAのサラッとしたコットンの2タックワイドパンツ。少しメンズライクな雰囲気がありながらも、レディースのかっこいいスタイリングには使いやすいパンツです。
もちろん前を閉じて夏のブラウスとしてシンプルに素敵です。
コーラルピンクは黒っぽいデニム調の上質な素材のパンツに合わせて。ボタンはトップまで留めると、また全体の印象が変わりますね。
ボタンを外すと、実はボトムスはSUSURIさんのサスペンダーパンツ。
開けても閉めても素敵です。アウターを着る感覚で夏のスタイリングをお楽しみください。
アイアンネイビーは、直球なコーディネート。このシャツを初めて見た15年ほど前、生地はこれではありませんでしたが、綺麗な印象の大きめなシャツを大きめなワークパンツで合わせたらかっこいいだろうな、、なんて想像をしていました。これはワークとまではいきませんが、どことなくメンズライクな印象のパンツで、その頃から感じていた一番素直にスタイリングしたらこうなった、、的なコーディネートです。
色を好みに変えることで、どなたにもかっこよくスタイリングしていただける代表的なパターンだと思いますので、お好きな色の組み合わせを想像して、自分なりのコーディネートをお楽しみください。
インナーも白Teeでシンプルに。
最後はアラビアックグレーです。
個人的にHonneteとR.U.のTストラップの組み合わせが大好きです。Honneteは、言葉にするのがとても難しいのですが、1920年台の古き良きフランスの煌びやかな時代を背景にした子供たちのファッションをどこか感じさせるような、、前衛的なファッションというよりは、センスのいいヴィンテージ古着に感じるかっこよさを持ち合わせているような、、そんな風に見てしまうブランドなのです。簡潔に言ってしまうと、とにかくセンスと雰囲気がいいブランドです。それは一見薄情なようにも取られかねない言い回しなのですが、洋服が好きな人ほどわかるはずです。どれだけそのセンスや雰囲気を醸すことが困難なことか。
僕が初めてHonneteを見て、メーカーを紹介してほしいと言った時、一番興味があったのはこのブランドをディレクションしているという日本人の女性でした。いったいどんなセンスの持ち主なのか?興味津々でした。柿本さんに聞きてみると、嬉しそうに話してくれました。「びっくりして汗ばむほどおしゃれな女性です」って。それを聞いて、とても合点がいき、会うのを楽しみにしたことをこれを書きながら思い出しました。