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ユニセックスってなんだろう?

ユニセックスブランドの良いところってどんなところでしょうね?メンズデザインをサイズダウンさせてレディースサイズまで対応する商品を「ユニセックス」と言いますが、1990年台のたぶん後半くらいにナチュラル系の雑誌などを中心にものすごくブームになったことを記憶しています。その時代のボトムスの主役はジーンズとチノ。ユニセックスというとそれ以上でもそれ以下でもないように思っていて、僕自身は当時あまり興味を抱かなかったのが正直なところです。でも、ASEEDONCLOUDを10数年前に合同展示会で初めて見た時、こんなに攻めたデザインでユニセックスをやっているデザイナーさんがいるんだという、ちょっとした衝撃とともにブランドを記憶していました。今日はASEEDONCLOUDデザイナー玉井さんが展開するもう一つのブランド、HandWerkerのシャツをご紹介します。

HandWerker(ハンドベイカー)半袖シャツ ¥19,800(税込)

職人という意味の言葉をドイツ語で配したブランド名の通り、玉井さん自身が長いヨーロッパでの生活の中で手にしたり見てきた様々なワークウェアをモチーフとして制作されています。ワークウェアやミリタリーは多くのデザイナーにモチーフとされますが、その一番の魅力は、デザインの一つ一つになんらかの意味があるということです。決して豊かな時代に作られたものではない作業着ですから当たり前ですが、「かっこいいから」「可愛いから」という理由でパーツを増やすことは絶対にない。このブランドは、そんな過去のワークウェアが持つ実用美を今の時代に当てはめていくような側面もあります。

素材は触った感じではコットン100%のように感じますが、実は強度のあるナイロン混で、シワにもなりにくい素材です。強度があってシワにならないって、男性にも女性にも嬉しい側面ですよね。

すぐに目に付くこちらのポケットは、縦に長いポケットの上から一般的なサイズのポケットを縫いつけたユニークなデザインですが、背面の縦長ポケットにはサングラスやメガネがすっぽりと入るようにデザインしたそうです。少し下目に付いていて、視覚的にも面白いポケットです。

そして一番の特徴はこのボタンでしょう。写真では撮れないので言葉で説明させてくださいね。トップボタンだけに、実は刻印がなされています。小さくて写真では見えませんが。ボタンの上側に「H.W.」。これはブランドの頭文字ですね。そして下側には、「Lehrlng(レーアリング)」と刻印されいます。これはドイツ語で職業訓練性とか実習生、弟子といった意味合いの言葉です。シャツにはボタンを失くしたりした際の予備ボタンが付属しているのですが、そこにはブランドの頭文字とともに「geselle(ゲゼル)」と刻印されています。これは見習いとマイスターの間の「職人」を意味する言葉です。つまり、シャツのボタンを変えるほど着倒して交換するボタンには「職人」とある。出世したことになりますね。ASEEDONCLOUDと同じようなユニークさを感じさせるボタンです。僕はHandWerkerのシャツが大好きで4枚着ていますが、まだ4枚とも見習いです。

トップボタン以外は比翼仕立てで見えない仕様です。

いつもの紙パッチは背面に。こちらはジーンズなどによく付けられた紙製のパッチですので、洗っても全く問題ない。どころか、、推定100回は洗濯している僕のシャツでさえ、ちょっと紙の表面にシワが増えた程度です。すごく丈夫。

今回はこちらのリネン素材も同時にご紹介します。デザインの詳細は全て同じです。素材がリネン100%。

ストライプはNO CONTROL AIRのボトムスに合わせて。女性のファッションにメンズ的な要素を取り入れて、バランスを取りながら最終的には女性らしく見せるということがポイントでしょうか。ユニセックスなお洋服のデザインも似たようなバランス感覚が大切なのだと思います。

タックインをするとさらに女性らしさが増してきます。このシャツの場合、少し肩が大きくて、それが女性らしさを醸してくれています。

リネンの白は同じくHandWerkerのリップストップのワイドパンツに。

メンズライクなスタイルが好きな方にはとってもおすすめな夏の半袖シャツ。

こちらもタックインをすると全然雰囲気が変わります。

チャコールはスカートに合わせて。このくらいの着丈のスカートにはバランスよく着ていただけます。テバサンダルのようなものを合わせてもいいですね。

タックイン。

ユニセックスデザインの優れたところは、1枚の古着をあらゆるスタイリングで楽しむのと同じような着こなしの幅、かもしれません。ちょっとした工夫で姿を変えていく面白さ。ベルトを使ったり。スカーフを使ったり。靴下を何色にするかでも変わります。たぶん、小物の影響が大きいのもユニセックス商品の特徴かもしれません。「あーしたい、こーしたい」で遊んで欲しい半袖シャツのご紹介でした。

 

 

 

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