Jyunreika-巡礼歌
ある島は木々が生い茂り
その木々を求めいろいろな渡鳥が集まる
”旅島の町”と呼ばれる島があった
その島の修道士のもとで育った女の子は
色鮮やかな島の歌声が大好きだったので木々や鳥達に日々祈りを捧げていた
しかし、ある日神のお告げから
修道士は島の木々を切り倒し、そこに大きな祈りの場を作った
島からは少しづつ渡鳥がいなくなり
その代わり外の世界から祈りの場を求め、たくさんの人々がその島に住み始め
女の子が成人を迎える頃には島から木々はなくなり鳥達もいなくなった
彼女は小さい頃から慣れ親しんだ鳥の歌声を探しに島を出て海に出る
今まで外の世界を知らなかった彼女だが海にはたくさんの島々があり
そこではなくなった自然が残っており鳥達にも再会することができた
彼女は木々の精霊の鳥達から
たくさんのことを学び、歌を習った
自分の島に戻ると祈りの場でその歌声を披露した
歌を聴いた島の人々は自分たちの島から木々や鳥を失ったことを嘆き
自分たちの過ちを悔いると木々が島に戻る努力をするようになった
しかし元の美しい島に戻すのは大変で鳥達もなかなか戻ってはこなかった
島の人々は再び鳥達が戻ってくるよう歌が生まれた島々に時々、巡礼に訪れた
彼女の歌は道となり島々の木々に繋がる
今では島は巡礼地の諸点となり彼女の歌が聖地への道になっている
今回はそんな詩歌いの物語
ASEEDONCLOUD Bird’s ditty vest ¥30,800(税込)
ちょっと英語が難しい。。dittyという単語、初めて見ました。デザイナーの玉井さんは高校がドイツで美術学校はロンドンだから語学は堪能なのだろう。dittyは「小唄」とか「民謡」という意味でした。確かにそのタイトルの雰囲気を抜群に醸し出した半袖のベストです。
島々を船旅したであろう少女にぴったりのトグルボタン。結びがあることでどこかアジアを感じさせるデザインです。
民謡、小唄、または民族的な事柄を連想させるようなステッチ刺繍が素敵です。
半袖の袖口はこの折り返した状態がスタンダード。肘のあたりまである大きくて長めの半袖です。
袖のバックサイドには小丸のカーブのついた刻みデザインが美しい
今回は物語のイメージを彷彿させる落ち着きのある渋みグリーンと、ファッションとして扱いやすい単色のネイビーの2色展開です。
もしかしたら少女の気持ちになって着てくれているかもしれません。グリーンは同じく玉井さんのブランド、HandWerkerのバルーンワイドパンツを合わせています。今回はほとんど裾を絞っていないため、キュロットパンツのような雰囲気です。
デザイナーが「vest」というくらいなので、長袖に合わせることも考えましたが、これからの季節にちょうどいい半袖のTシャツに羽織る感じで重ねてみます。長袖に合わせるとvestですが、こんな風に着てみると、夏にも使える半袖のジャケットみたいな雰囲気です。生地はシャツ生地よりは厚みのある感じです。
秋口や春先はタートルに合わせても良いし、今すぐなら長袖カットソーの上に重ねたら90年代ぽくてかっこいい。20代前半の頃、半袖シャツにロンTee合わせるスタイルがめちゃくちゃ流行りました。そこから派生して、半袖のダウンとかフリースも登場して、確か国会議員のスーツも半袖でした。
ネイビーも同じくASEEDONCLOUDのキュプラのワイドパンツに合わせて。このパンツ、めちゃくちゃおしゃれだと思います。フィブリル加工が施してあるので、光沢がビカビカしすぎず、とろみもあって素敵です。腰回りがすっきりと見えるデザインなので、トップスはコンパクトがおすすめですが、そこは買った人が色々考えて、いい感じのスタイリングを見つけて欲しい。
ちょっとアヴァンギャルドなボトムスはblue in greenの新作です。これ試作段階で僕も試着してみましたが、なかなか気分のいいパンツでした。表現が難しいですが、、。その大胆さに、「どうよ!」みたいな。なんか穿いて歩いたら気持ちが若返りそうなパンツです。元気が出る。
これが少女が日常でラフに過ごすことを想像してデザインされた普段着です。しかしながら、巡礼や祈りの時間を思い起こすような神聖さをイメージした装飾になっております。そしてもう一つは、少女が祈りのときに着用すことをイメージしたお洋服。
ASEEDONCLOUD Holy island blouse ¥33,000(税込)
朝顔やトケイソウなどの蔓植物の葉を少し強調してハートマークのように見立てたオリジナルプリントが素敵なブラウスです。少女達の崇拝対象となる、りんごの木(知恵の木)、ブドウの木(生命の木)を森の中から探す旅に出た際に持つ地図がこのプリントのイメージで、この蔦をたどるとその2つの木に辿り着く。
裾はキュッと絞っても緩くしても様になる、素敵なデザインのブラウスです。実はこのデザイン、昔のズロースのようなインナーパンツを逆さまにしたデザインなのです。わかりますか?キュッと絞った裾のあたりがウェストです。袖になって手が出るところは足が出る。実際にデザイナー玉井さんが所持しているヴィンテージのアンダーパンツから着想したデザインです。
とにかく可愛らしいし、洋服として使いやすい!何にでも合うのではないでしょうか?こちらはFACTORYの新作スカートに合わせてスタイリングしています。裾はキュッと絞った状態です。
後ろ姿も素敵です。
こちらは裾を緩く結んだ感じです。ボトムスに合わせて変化をお楽しみください。
こちらはGASAのお気に入りのワイドパンツに合わせて。
自然を想い、旅に出て、、詩を歌って祈り、人々が交わり幸せに暮らす。それを歌とともに後世に伝えていく。きっとどの土地でも過去に行われてきた人々のシンプルな日常を連想させる物語とコレクションです。