狂騒の20年代
今回の gasa grue(ガサグルー)のテーマになっていた
「1920年代の音」は 、ドキドキするテーマだと思いました。
第一次世界大戦が終結してまだ間もない時代、日本は大正で、
世界は混乱、動乱入り乱れ、夢もあり、世界各地の文化が
海を越えて伝わっていった。
第二次世界大戦までの騒がしくも華々しい、テーマの
サブタイトルにもある様に、「狂騒の20年代」と呼ばれる時代です。
その音を想像すると、何が聞こえてくるでしょう。
もしかしたら、進化した今の時代が忘れてきたものが蘇るような、
そんな気持ちにさせられるテーマでした。
懐かしさと、伝統的な美しさや力強さを感じさせる生地のコートは、
先日、「暮らしとおしゃれの編集室」でロングをご紹介しましたが、
今回は同じ生地のショートコートのご紹介です。
gasa grue
”街路樹を横切る”ショートコート
khaki ¥60,000+tax
実はもう一色あってそちらも素敵だったのですが、
僕はこちらに強く惹かれました。
落ち着きのある伝統的なチェック柄ではありますが、
無地の多かったコートの提案で、とても新鮮に映りました。
テーマである1920年代の音を想像したときに、
喧噪を避けるように歩く少し品のある、おとなしい女性を
想像しましたが、皆さんはどうでしょう。
gasa grueもGASA*と同じくシリーズに名前がついているのですが、
ロングコートと同じく、このコートのシリーズ名は、「街路樹を横切る」。
想像力を掻き立てる、素敵なネーミングです。
トップボタンに使われるのは、アンティークのチェコガラスのボタンです。
数量は限定で、すべて違う柄の中から選ばせていただきました。
チェコガラスはピンクや黄緑といった可愛らしい色合いが多い中、
僕が選んだものはずいぶんとおとなしい色合いだとは思うのですが、
アナベルのスタイリングには似合うと思います。
生地はロングと同様で、さほど厚みのあるWOOLではなく、
ドライタッチで軽いWOOL地ですので、防寒性の高いものでは
ありません。
「暮らしとおしゃれの編集室」のブログでは、ロングコートを
取り上げて、重ね着などもご紹介していますので、そちらも
合わせてご覧いただけますと幸いです。
インナーにはゴーシュのハイランドウールワイドセーターを
着ていますので、コートが薄手でも結構温かいと思いますよ。
ちなみに、スカートはSUSURIさんに別注して毎年作っていただいている、
バルーンマーチスカートです。
やはり、SUSURI×GASA*が多くなるんです。癖ですかね。
こちらのスカートは、一部のお客様からブラックのお問い合わせを
頂いておりますが、来春2月あたりの再入荷を予定しております。
長さはおしりがすっぽりと隠れるほどの長さで、
多少の前後差がございます。
アナベルでは、バルーンパンツや
テーパードパンツ(裾に向かって細くなるシルエット)、
スカートやワンピースと様々なお洋服に合わせて提案しています。
一番気に入ったのが撮影したこちらの組み合わせです。
背面はタックでカーブが付き、素敵なシルエットに。
カッコいいと、可愛いが同居した、さすがのデザインです。
大判のショールなどを上手に使い、真冬もたくさん着てほしい。
白い息を吐いて、狂騒の20年代に耳を傾けながら。