嫁入り道具
数日前から必死になって削っているイスがある。
今からおよそ40年近く前、僕の母が結婚してしばらくしたころに購入した北海家具のダイニングセットがあった。母曰く、「嫁入り道具のようなもの」。
僕にとっては子供のころからなじみのある物で、愛着もある。
ひじ掛けのついたものは父と母のいす。
ひじ掛けのないものは、僕と弟のイス。
父が他界した後、ひじ掛けのイスは一つあまり、お客様用となりいろいろな人たちが座ってきた。
その一つを今回オープンするお店のお客様用のイスとして使うべく、お店になじむように塗装を落とすのに苦労していた。そしてついに完成!
濃い茶だった塗装をここまではがすのに苦労したが、いい雰囲気になった。
わざと少し茶色い部分を残してみた。
生まれ変わった椅子が、3月8日にオープンするお店の嫁入り道具となった。
これからたくさんのお客様が座ってくれることだろう。