定番をあらためて
あまりに長年のお取り扱いで、特に深くご紹介もすることがなくなったものもアナベルにはいくつかある。先日通販ページにご紹介したゴーシュのカツラギテーパーパンツも、今年丈が短くなったという変化はあったものの、大枠で12年変わらずにお取り扱いを続けていますし、月末か来月あたりに入荷するHonneteの面々もそうかもしれません。今日はNO CONTROL AIRで長くお取り扱いをして、もう何枚もご購入いただいているお客様がたくさんいる定番シャツをあらためてご紹介しようと思います。
NO CONTROL AIR コットンノーカラーシャツ ¥19,250(税込)
もうご存知の方も多いこちらのノーカラーシャツ。あらためてその特徴や魅力をお伝えしたいと思います。
まず目についたのはこの前立てのデザインです。ノーカラーと言えど、ネック周りにはバインディング処理がしてあります。そのバインディングと前立てが交わる第一ボタン近辺に注目すると、バインディングを押しのけて前立てが貫通するように上までいっています。これは多分、、かなり珍しいデザインだと思います。昔のアメリカのアウトドアブランドのボタンダウンシャツで、この前たてが突き抜けたデザインを見たことはありますが、、。これはしかし、おそらくヘンリーネックデザインをシャツに落とし込んだのかな、、と思っています。10年くらい「会ったら聞こう」と思いながら聞いたことのないことの一つです。
コットンでカジュアルなノーカラーシャツなのですが、見ての通り袖山は高い。つまり袖が鋭角に下方向に付いている。ドレスシャツとかジャケットのような角度で付いています。
そう思って背面を見ると、「お!」っと思うセンター剥ぎ。シャツよりジャケットの仕様としてメジャーなデザインです。シャツとしては変わっているし、意識してデザインしていると言って良いポイントです。
袖口は綺麗で正統派なシャツカフスデザイン。
ですが、、袖には肘あたりにダーツがありカーブさせながら少し膨らみを付けたブルゾンのようなデザインも取り入れている。
もう一つのポイントは第一ボタンのホールの向き。縦に開いていますが、通常のシャツのほとんどが第一ボタンのホールは横向きです。たぶん、学校でもそう習います。こういう側面から見ても、ヘンリーネックのTシャツを連想させます。
それとボタン間隔を見てください。第一ボタンから二番目、二番目から三番目。それぞれ感覚が異なり、以降同間隔で揃えています。これはデザイナーに聞いたことがあります。「視覚的な面白さも大切にしています」と言っていた。そして、ついでに教えていただいたことも面白く、写真はないのですが実はこの使っているボタンはオリジナルで形から製作した力作なんです。真横から見るとわかりますが、上側の面積が小さい台形になっているのです。わずかにですが。使いやすさが増すのか?と言ったらそんなことはなく、通常の10mmボタンの使い心地で視覚的には小さく見えるというのがわざわざオリジナルで作った理由でした。それを聞いた時、この視覚的なこだわりに本気を感じました。こういった付属の形からの特注は相当な量を作らなければ請け負ってもらえない場合がほとんどで、少量ですと妙に高くなってしまうのでやるデザイナーがいないのが現実です。
大きな特徴は袖丈が9分袖ということ。そしてフラット気味のシャツテールもあって、身幅のわりにはコンパクトに見えるということ。お持ちの方によく聞くフレーズは、カットソーみたいな感覚でヘビロテしてしまうということ。
着丈もコンパクトですので、ワイドパンツにも合わせやすく好相性です。
まだ寒暖差がある時期は、カーディガンを重ねてからスプリングコートを着るとちょうどいい。
チェリーピンクは暖かくなったら着たくなる鮮やかで眩しいピンクです。白やキナリ、ブラックにも似合いますが、今回はグレーに合わせて落ち着いた印象にしてみました。
物足りない方は真っ白のワイドパンツなどに合わせていただくと良さそうですし、ベージュやミリタリーカーキなどに合わせると色もの同士でもかっこよくまとまると思います。
ラベンダーはブルー味のあるパープルで、どちらかと言うとブルー味がやや勝るラベンダーではないでしょうか。一見メンズライクな色の印象なのですが、合わせてみると女性にも合わせやすいとてもお気に入りの色味です。
このシャツは秋冬でもこの袖丈なのですが、理由はデザイナーがこのバランスが好きだから、というシンプルな理由。ぜひ手の周りのアクセサリーもお楽しみください。