意地のスカート
カーテンのドレープって、見ていて綺麗だなって思います。分量が大きいほど、高さがあるほど美しい。このスカートを見た時、ブラックがまず目に入ったのもあるのかもしれませんが、昔の記憶にある小学校の体育館の暗幕カーテンを思い出してしまいました。
tutaee HARUNAスカート ¥38,500(税込)
tutaeeの新作を紹介するのもつくづく久しぶりだなと、、思いを込めてご紹介したいと思います。単刀直入に言うと、まさに一目惚れのスカートでした。展示会に行って目に入ってすぐに、「これはやろう」と心に決めたスカートでした。着丈が長かったかな?なんて心配していたけど、一番最初に興奮しながら買ってくれたのが展示会には同行しなかった155cmの妻でしたので、少し安心したのと嬉しかたのと。ホッとしたところです。
フロントはボタンとファスナーです。いつもならここですぐに次の説明に移るところですが、実はファスナーについてもお伝えしたいことがございます。拡大するとわかるかもしれませんが、「WALDES」という刻印がされています。前職はメンズメーカーでしたのでよく見ていた懐かしのファスナーですが、まさかレディースでこのファスナーに出会う日が来るとは思いませんでした。大好きなファスナーなのでお伝えします。1930年代にアメリカで実在したファスナーブランドで、現代のファスナーの起源的な存在のファスナーでした。そのブランドがなくなったあと、その技術を継承すべく日本の朝日ファスナーというメーカーが忠実に再現し、完成させたのがこの「WALDES(ウォルデス)」というファスナーです。信じられないかもしれませんが、全て手製です。そして1959年から日本での製造が始まっていますから、おそらくファッション以外の用途で使用されたのが初めてなのかもしれません。メーカー自ら「ファスナー大好き集団」を名乗るほど、ファスナーに命をかけた人たちの作るファスナーです。
サイドポケットがございます。
両サイドとポケットのフラップに使用された別布は地厚なナイロン素材です。雰囲気を増すために、艶々なナイロンが色褪せを起こすほどの特殊加工を施し、まるでヴィンテージのような雰囲気を醸しております。
切り替え部分に前後差があります。
後半分はゴムの使用です。
バックスタイル。片側はフラップ付きのポケットで、片側は玉縁ポケットです。
フラップはしまい込むとこのようになります。
ブラックもございます。
まずはベージュから。カーテンのようなドレープ感がとても印象的。このドレープは、サイドに切り替えたナイロンが身生地のコットンより少し重さがあることもあって起こります。
コットン部分もしっかりとしたウェザークロスです。
サイドから見ると、ナイロン部分の目立つデザイン。動いた時にこそ本領を発揮するスカートかもしれません。
同じtutae/15の変形シャツに合わせて。
これからの冬のコートやセーターに合わせるのが楽しみなスカートです。
ブラックです。
ブラックはオールブラックで合わせています。
タックインしたり、コンパクトなトップスを合わせるとスラリと見えるシルエットも嬉しいところです。革のライダースなんか合わせてもかっこいい。
このスカート、実は秋冬ではなく春夏の展示会でお披露目されたスカートでした。しかし現在の日本の工場の現状もあり、少数でしか生産しない小さなメーカーさんの商品は請け負ってもらえない状況の中、「必ず作るので待ってもらえないか?」という連絡を受けたスカートでした。実際の納期から待つこと7ヶ月。正直、、春物にしては生地が地厚だな。。と思っていたのでちょうどいい!tutaeさんと全国のオーダーしたバイヤーの意地が詰まったスカートです。(ちょっと大袈裟)ぜひご堪能を。