annabelle

FACTORYのワンピース

FACTORYの野村さんに初めてお会いしたのは今から10年前、繊維産業の専門紙が主催する合同展示会でのことでした。洋服はたくさんの専門分野が分業で行うことで完成するわけですが、彼らは当時からそのほとんどを自ら手掛け、今では最も難しい紡績までも行うようになっている。10年前に語っていた目標が現実となっている今の姿やそこに至るまでのとんでもないアクシデントの数々を見ていると、彼らのブランドは、その活動そのものに付加価値があると言える。今回も天然素材の特性を活かしたシンプルな夏のワンピースが素敵でした。

FACTORY Irish Linenシワ加工硫化染ワンピース ¥33,000(税込)

FACTORYさんでは珍しいアイリッシュリネン。ベルギーリネンかフレンチリネンを多く扱ってきた印象でしたが、できたら世界中の良い素材を扱ってみたいとは言っていたから、アイリッシュリネンを手掛けるのはむしろ遅すぎたのかもしれません。アナベルではアイリッシュリネンといえばHonneteのイメージですが、あのリネンと比べるとこちらの方が細番手の糸を高密度に織った印象で、より真夏むきな素材感です。

初めてFACTORYを見た時からデザインの特徴として際立っていた、切り替えや別布使いは今も健在です。ネックのデザインは、別布のバイアステープを断ち切りで縫い合わせたもの。断ち切りでもほどけてこないのでご安心を。

着用すると肘下の5分袖です。

折り返すと別布の切り替えがあり、見た目にも清涼感が増して見えるワンピース。

両サイドにポケットがございます。

裾もバイアスの切り替えで断ち切りのデザインです。最小限の工程でたくさんのギミックを作った欲張りでシンプルなワンピースです。

こちらがライトブルー。「シワ加工」を施しているわけですが、そこにはとても好印象を受けました。お店で接客をしていると感じますが、リネンのナチュラルで涼しげな「シワ感」や着用しているうちにできる「着じわ」には賛否両論がある。アナベルでは好きな人が過半数ですが、一定数好まない方もいらっしゃる。その両者が共通して気にされるのは、お洗濯の後のアイロンについて。その点において、初めからシワ加工が入ったこのアイリッシュリネンは、洗いざらしで着て素敵なワンピースだ。

こちらの硫化染色はピンクとライトブルー。

FACTORY Irish Linenシワ加工ワンピース ¥31,900(税込)

こちらは同素材で同型のデザインですが、染色が硫化ではなく通常の反応染。お値段は違うけれど、染色違い、素材違いでお気に入りをセレクトしています。

FACTORY ペルーコットンドット柄ワンピース ¥36,300(税込)

こちらは同型のワンピースで、素材は以前からFACTORYさんがオリジナルで作り続けているペルーコットンです。そして不均一な水玉はデザイナーの手書きをプリントにしたもの。これが着ると大人っぽくて素敵なんです。

素材自体は軽い透け感がありますので、下にはパンツかレギンス、キャミドレスなどのインナーがおすすめです。今回穿いているのは、春先に販売していたCLOSELYのコットンシルクのレギンスです。

袖口を折り返して。

ライトブルーは同じくFACTORYのプリーツパンツを合わせて。今シーズン圧倒的に一番人気だったプリーツパンツは、すでに完売していますが、来年も再販があるのかどうか、、。期待しています。裾部分は薄手の透け感のある素材で切り替えていますので、それがまた清涼感を演出しています。

こちらは硫化染色ではないものから選んだネイビーです。このパープルがかった鮮やかなネイビーが気に入って、他の色はセレクトせず、この一色だけ。

コットンのドット柄は少し綺麗目にスタイリングしてみました。ブラックの縁取りのような切り替えも効いていて、もっと綺麗目にもいけるワンピースに仕上がっています。柄物ながら、これが一番汎用性はあるのか?と思っていたほど。

さらっと涼しいペルーコットン素材は、リネン同様に少し上品さのある真夏のワンピースとして、秋まで続けて着ていただきたいお洋服です。秋は長袖のシュッとした袖のインナーを合わせてブーツなど履いて見れば、まだ暑い9月、10月の初旬にもぴったりな装いが想像できます。

袖口をまくるとブラックの別布がさらに効いて、より一層に締まりがでます。

いかがでしょう。思いっきり真夏のカジュアルワンピースとして振り切って爽やかに着てみたいと思える硫化染色の2つ。少しトーンダウンしながらも鮮やかさを残すシックなネイビー。柄物なのにどこか汎用性を感じる手書きプリントのドット柄。どれも本当に素敵です。それぞれの印象の逆をいくスタイリングまで想像しつつ、真夏もお洋服を楽しんで着ていただけたらと思います。

 

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