annabelle

セーターにはいろいろな種類がある。

それぞれ産地も違うし、肌触りも違う。

現代では、アジア諸国をはじめいろいろな場所で

ニットが生産されているが、その中にあって

スコットランドとアイルランド、またその周辺の

島々で生産されているニットには特別なものを感じる。

若い頃あこがれていたニットブランドのほとんどがそこにある。

そこでつくられているニットは、すべて生活の必需品として

生まれ、長い時の中で多くの人に愛用されてきた。

このセーターもその一つだ。

「Athena Designs」（アテナデザイン）というブランド。

今もアイルランドの南方で作られている。

もちろんハンドニットだ。

糸はアイルランドドネガル地方のドネガル糸を使用している。

タグには、1枚づつ編んだニッターさんのサインが入る。

Athena Designsでニッターを務めるのは、A級ライセンスを取得した

熟練のニッターだけだ。

品質はかなり高い。

本来、アイルランドの漁師たちが海に出る際にアウターとして

使われているこのアランニットの柄には、さまざまな思いや

意味合いがあるといわれる。

昔、仕事でアイルランドの大きなニットの展示会に赴いた際、

会場にいた年長者がいろいろ教えてくれた。

蜂の巣のように編まれた柄は、大漁への勲章のようなもの。

ダイヤ柄は漁の成功祈願。

このニットにはないが、一番有名なのはケーブル編み。

ケーブル編みには海での安全と幸運を祈る

残された家族たちの思いが込められるという。

両サイドにポケットが付く。

後ろ側。

僕らは仕事柄、たくさんのお洋服を見てきている。

しかしながらドキッとすることは数少ない。

せっかく始めた小さなお店だからできることを

これから時間をかけてもっともっとやっていく必要があるように感じる。

＜アランセーター＞
Athena Designs　￥36,750
カラー：ベージュ系、ネイビー系

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