annabelle

靴ってやっぱり洋服と少し違う感覚で皆さんお買い物をされているように感じます。以前にコートは特別なお買い物だっていうお話をしたことがありましたが、それはクローゼットでのスペース問題や買う頻度にも影響しているという話。靴はそれと似ているか、もしくはそれ以上にハードルが高い。今回は、日常的に僕が一番よく履いている「DELMONACO」さんの展示受注会を開催いたします。

お客様の手元にこちらのDMが届く頃かもしれません。DMには綴りきれないDELMONACOの魅力を少し書いてみようと思います。DELMONACOさんから展示会の案内状が届いたのは8年くらい前だったと思います。届いた案内状の写真にはぽってりとした如何にも上質そうなレザーのワンストラップシューズがありました。うちはレディースの店だし、写真に写っているのはワンストラップシューズだから、レディースのワンストラップだとばかり思っていたら、それはなんとメンズのワンストラップシューズでした。その後、「レディースはないの？」って連呼されて、レディースも作ることにはなったのですが、当時はワンストラップも今annabelleで扱っているパンプスも、なんとメンズのみの展開でした。それを知った僕は、「きっと変わった面白い人に違いない」と思い、すぐに展示会に出かけて行った。

そこで初めて見たのがこれでした。どことなく英国のメンズパンプスを感じさせるクラシカルでいてシュッとした現代的な感触もあるこの靴に一目惚れ。この時の展示会ではお店のオーダーはせず、自分のパンプスと妻の靴をオーダーして退散した。やっぱり履いてみなくちゃわからないということで、１年間履いた末、DELMONACOの花谷さんに当時メンズしかなかったこのパンプスのレディースを作って欲しいとお願いしまくった。

そしてお取り扱いをスタートすることになったDELMONACO。製法はR.U.と同じ「マッケイ製法」ですが、DELMONACOさんはご自身で本生産を行うスタイルではなく、レディーメイド（工場生産）で行なっている。DMにも書きましたが、そもそも花谷さんはフルオーダーの世界で修行することで自身のキャリアをスタートさせています。いわゆる「ビスポーク」の世界で、スーツ、シャツ、ネクタイをオーダーで承り、それに合わせた革靴をフルオーダーで作る世界。そんな世界で技術を身に付けてきた花谷さんは、頑張りながらもどこか息苦しさを感じていたそうです。

簡単な言葉に言い換えると、「人にフィットさせた靴を作る」ということは、「デザインの幅を狭めることになる」ということで、その狭い振り幅の中で美しさを求める人もいるけれど、自分には性格的にそれは向いていなかったということらしい。その気持ちは、ものすごくわかる！そして花谷さんに会ったらわかる。見るからに「いろいろ作りたい人」だ。

今回の展示では、DELMONACOのラインナップから選んだ数種類のシューズを並べてお待ちしております。当然、このお気に入りのパンプスは、普段アナベルではお取り扱いのない色もオーダーをお受けすることが可能です。そしてそれ以外にもいくつかパンプスタイプをご用意しています。

その中心にあって、今展のために特別にご用意していただいたのが、この２型のモケモケが愛嬌抜群で可愛らしいニベ革バージョンです。この製法の靴は数年前にヒモ靴をバイイングしていますが、自身で履いた時にも、そのフカフカ具合に驚きました。本当にスニーカーみたいなんです。その新作達です。ローファーデザインに実はマジックテープが付いた靴は、「スニーファー」と呼ばれて親しまれてきたようです。なんでこんなにフカフカなのかは、花谷さんに直接聞いてみてください。

そして今回のこの展示は、annabelleのご近所のメンズセレクトショップ「CLOTH&CLOTHING」と同時開催にて行います。メンズでご興味がある方はぜひそちらへ行ってみてください。花谷さんはちょっと大変ですが、２日間の滞在で、行ったり来たりしてもらいます！

そのままお持ち帰りできる商品もございますが、新作や別注品はオーダー商品となります。出来上がりは９月下旬ですので、秋冬のスタイルも想像しながら、モケモケと対峙してみてくださいね。絶対かわいいはず。

DELMONACO展示受注会（annabelle、CLOTH&CLOTHING同時開催）
３月２７日（木）〜４月１日（火）の６日間
annabelle304　11:00-19:00
CLOTH&CLOTHING　11:00-20:00

両店は歩いて５分程度です。ぜひ両方覗いてみてください。