annabelle

お店を始める前、僕は化繊を好んで着ることはありませんでした。一部、ヴィンテージのアロハシャツや大好きな古着のチャンピオンTシャツは例外にして。しかしこの例外が物語るように、僕が化繊を着ない理由は、一言で言えば「単なる毛嫌い」にすぎませんでした。チャンピオンTシャツのいわゆる「トリコタグ」に見られるような「88%コットン・12%レーヨン」などは、コットンの持つ吸水性と、レーヨンの吸湿性能、通気性能を合わせた結果、長年世界中で愛されることになる化繊と天然繊維を掛け合わせた人気素材の代表的な存在です。それを頭で理解して、チャンピオンは着るけど他は着ないというのは、毛嫌い以外何者でもないでしょう。

お店を始めようと思った時、気になるブランドを徹底的に見直し、あらためて買い漁りました。その中に今日ご紹介するNO CONTROL AIRもありました。当時から化繊で有名だったこのブランドに興味を抱いたのは、当時化繊を使った洋服で、こんなにお洒落なスタイルのブランドを見たことがなく、とんでもなく新鮮に見えたからでした。デザイナーに、「なんで化繊をこんなにやろうと思ったんですか？」って聞いたら、「みんながみんな天然素材をやっていて、面白そうだから逆をやってみた」というシンプルで大胆な理由でした。今でもこのジャンルのトップランナーだと思います。

NO CONTROL AIR　COOL MAXブラウス　￥24,200（税込）

クールマックスは、このブランドで知ったという方もたくさんいらっしゃるかもしれません。しかし４０年ほど前から人気が続く、夏の定番高機能素材の一つです。現在５０歳の私が小学生の頃から活躍している素材ということになります。あらためてすごい素材です。特徴は吸湿、吸水、速乾性です。また、今回ご紹介するクールマックスは「ポリエステル72%・リネン28%」で、天然素材の風合いを保ち、機能性と風合いの両方を持ち合わせたところに最大の特徴が見られます。

近くで見ても、「サマーウール？トロピカルウール？」と思えるような表情が特徴で、触った感触もドライでありながら少ししっとりとしたリネンの風合いが嬉しい素材です。デザイン的にはこの肩に施されたやや大きめなマチがいい存在感を発揮した面白い定番ブラウスで、毎年人気の商品です。

カラー展開は例年通り、グレー、ネイビー、ブラックの３色展開です。

グレーはARTEPOVERAのリネン２タックワイドパンツに合わせて。

「フレンチスリーブ」にも色々ですが、このブラウスが例年人気の理由の一つがこの袖周りのデザインだと思います。思ったよりしっかりと二の腕をホールドしてくれるのです。

袖周りだけでなく、身頃の布の分量感がしっかりと二の腕周りをかっこよくサポートするかのように覆い隠すデザインに好感を呼んでいるのです。

この角度で見るとわかりやすいのですが、開放感がありながらも、うまい具合に布地が覆ってくれるようなデザインなのです。

背ヨークのないデザインで、前身と後身のバランスをとり、立体的で素敵なフォルムを感じるのは、先ほどご紹介した肩に施された大きめの三角ヨークがあるからではないでしょうか。アンティークのシャツなどで見受けられる仕様ですが、このような高機能素材で出されると、新鮮で仕方がない。

ネイビーはklauseのリネンワイドパンツに合わせて。

カジュアルにもお仕事着にも向いているブラウスです。先月ご紹介した同素材のパンツとのワンツーコーデも良いのではないでしょうか。

ブラックはボタンもブラックです。こちらはHandWerkerのリップストップ素材のワイドパンツに合わせて。

この、身頃に腕が埋まるような見た目が、細見え効果を産んでいるようにも感じます。パンツでもさんざんご紹介した涼しさという点は、おそらく群を抜いて自信を持ってお勧めできる点ではありますが、デザインにもぜひご注目を。

最後に、、悩ませてしまうと思いますが、この後も同ブランドの夏のブラウスのご紹介が続きます。清涼感がありつつも、ややおとなしい色合いのCOOLMAXに対して、この後ご紹介をする予定のブラウスはレーヨンを主とした素材の新型です。色は明るめで、レーヨンですから艶感もございます。よりピシッとした感覚で、お仕事着にも使いたいと思っている方や、とにかく涼しい方が良いという方には、こちらのクールマックスがお勧めです。そうではなく、カジュアルに夏らしい艶感が欲しいという方には、これからご紹介する新作のレーヨンブラウスもお勧めです。いずれにせよ、本格的にじめってきた今夏、爽やかに過ごせるブラウスをぜひ。