コンシャスとルーズの狭間
昨年秋に催された、2018SSのsusuriの展示会で、
いつも通り、妻に試着をお願いしていたのだが、、
もともと少し小さめの設定デザインの多い
susuriということもあり、試着をするたびに、
妻の表情は明らかに困惑を見せ始め、
それはまるで、テストの山カンが大外れした
中学生のような微妙な表情だったのが脳裏に焼き付いている。
その場で、「来年までに痩せてきます。」と宣言していた
妻は、その翌日すぐにホットヨガに入会した。
そもそも、日替わり弁当の様に体系が変わる妻であるから、
タイミングが良かったのか悪かったのか。
その後もあーなったり、こーなったりを繰り返す
妻に対し、一貫した「らしさ」を強く感じるsusuri のワンピースです。
susuri
モーンドレス
navy ¥40,000+tax
Linen 100%
ようく目を凝らしてみると、格子状のチェック柄。
陽の光に透かして見れば、一目瞭然です。
透け感のある所とないところを織り分けた格子柄。
実質的には無地に見えますが、生地そのものに軽さが出ています。
そして、susuri の得意とする切り替えによる立体デザイン。
今回のワンピースでは、前身と後ろ身に同様のタックが入ります。
肩から袖にかけてのデザインも、クラシカルで素敵です。
後ろには、丸みのある四角ボタンが
飛び石の様に仲良く連なっている。
肩回りはややコンパクト気味ではあるものの、
全体にはゆとりを感じながら着ていただけるデザインです。
裄丈(袖)は、ワンピースにしてはやや長めのデザインです。
透け感のある生地ですので、アンダーにはキャミドレスなどを
着てください。この撮影では、昨年も取り扱いをした、
「soil」のコットンキャミドレスのブラックを着ています。
サイドの切り替えが、実際に着用した際の、
美しい曲線と立体感を生み出します。
少しコンパクトな肩回りから、切り替えてタックが
施されることで、ゆとりを持ちながらも体に沿い、
ウェスト位置から解放された布地は、裾に向かって
広がりすぎず、まとわりつかず、絶妙な分量感で仕上がっている。
いつも横姿を意識しているというデザイナー斎藤さんの、
コンシャスとルーズの狭間をすり抜けるようなクラシカルな
このデザインは、シンプルでありながら、
強烈な個性を放ちます。
一枚で着るワンピースとしては、理想ではないでしょうか。
その世界観に身を投じるのに、さほど努力は必要ないのですから。
スタイリングなど、する気にもなりません。
ただ、一枚着てもらっただけ。