時を操るデザイナー
GASA*の展示会へ行くのは毎回とても楽しみである。
ご存じの通り高額な商品が多いので、泣く泣く絞りに絞って、
一部の商品をお店で紹介することになる。
しかし、なぜ楽しみにするのかを考えてみると、それは実に
シンプルなことが理由である。
内容が毎回ガラリと変わるからだ。
もちろん全く別物になるなどというおかしな変化ではなく、
GASA*らしさは全開で、毎回新鮮な感情を抱かせてくれる。
だから、25年も続いているのだと実感させられます。
まさに、洋服で人を楽しませている素晴らしい人たちなのです。
一目ぼれしたパンツのご紹介です。
GASA*
”夕暮” テーパードパンツ
¥42,000+tax
少し抒情的な気分を表現した題名に感じられます。
たしかにそうなのかもしれませんが、夕暮れの景色を
思い起こすと、センチメンタルな感情だけでなく、
あのたくさんの色が交じり合う何とも言えない美しさも
同時に思い起こします。
刺子をジャカード織で表現した非常にしっかりとした
凹凸感のあるものものしさを感じられる素材は、展示会場に
上がった瞬間に一番目についた生地でした。
従来は表であるこちら側が色合いもはっきりとして
面白いのですが、こちらを裏としたかっこよさ。
この裏を見てより一層に表の雰囲気が気に入りました。
そして、時間の経過を可視化して表現することが得意な
GASA*デザイナー五十嵐さんだからこそのファブリックだと感じます。
ボタンも素敵です。
この布地にふさわしく、サビ加工が施され(もちろん付着したりしません)
迫力を感じさせてくれる。自ら楽しんで作り込んでいるのがヒシヒシと
伝わってくる。見ていると、当然のようにニヤニヤしてしまう。
この背面の丸みを帯びたふんわりとしたデザインも大好きです。
見ても履いても一見非常にきれいで整ったかのように見える
ボトムスなのですが、後ろを見ると、サルエルというと大げさですが、
丸みを持ってふくらむ様が、とても愛嬌があって可愛らしいのです。
夕暮れが大好きな妻に着てもらいます。
155cmの妻で裾は一つだけ折ってこの感じ。
折らないで履くと足の甲にぴったり載るくらいです。
わたくしはこのくらいで履くのが好みでした。
SUSURIのブラウスとも好相性。
しかしバランスの良いシルエットですので、
かなり幅広くトップスを受け入れてくれるパンツですよ。
誰が見ても上質であることがすぐにわかる素材感です。
目につくけれど、悪目立ちはしない上品さもございます。
少し脱力感のある後ろ姿がかっこいい。
FACTORYのシンプルなリネンコットンのセーターを。
たぶんTシャツを着るだけでもかっこいいのだと、
簡単に想像ができる。
ラフに大人っぽく、フードコートを羽織ってみたり。
より個性的に美しく、ロングワンピースを羽織ったり。
重厚感のあるお洋服を、よりたくさんのスタイリングで楽しんでいただきたい。
『さらりと贅沢な気分で思い切ってガシガシ着る。』
これがGASA*のお洋服を何倍も楽しく着る方法です。