人生の断片となりますことを
TOKIHOの洋服をはじめて見た時から、
そこにある素朴な佇まいに惹かれていました。
デザイナー吉田季穂(YOSHIDA TOKIHO)がホームページ上に書き綴った
テーマには、魅力的な問や言葉がたくさん散りばめられています。
そしてその感情は、彼の作る洋服によく表れていると思います。
素朴でありながら、他にない、表現の難しい魅力にあふれる洋服です。
TOKIHO
ANNA-Ⅳ L ¥42,000+tax
Cloudy
TOKIHOのコレクションは、例年大きなファッション性の
変化が現れないのが特徴です。そのため、他のブランドでは
まずありえない、面白い受注方法を採用しています。
それは、大幅に異なる納期の選択が可能であること。
今回ご紹介する「ANNA-Ⅳ L」は2020ssの展示会で
オーダーしたものですが、4月末の納期がいいか、
8月末の納期がいいかが選べる選択制になっていました。
cotton×silk×linenで一年中着ていただける素材では
あるものの、しっかりと打ち込みの良い素材であったため、
4月末より秋口や春先がちょうどいいのではないかと、
annabelleでは、今のご紹介となりました。
今まさにちょうどいいお洋服です。
Deep sea
色は2色展開です。
軽いアウター感覚で着ていただける素材感です。
シャツや薄手のニットに羽織ったり、
ワンピースとして着てみたり。
着る人の人生の断片となり得る洋服を作ることを
目標とするTOKIHOの洋服は、一見した大胆さや
派手やかさはないものの、非常に着心地がよく、
着た時の雰囲気もまた、奥ゆかしい。
飽きずに何年も何年も袖を通し続けるうちに、
「ファッション」を超えて、「衣服」として
着る人の傍に在り続ける洋服ではないでしょうか。
TOKIHOが納期の選択制を行うようになったのには、
いくつかの理由がありますが、大きな理由の一つに、
「その時いいと思うものは、そんなにたくさん浮かばない」
というのがあるように思います。
TOKIHOのお洋服には名前があり、(今回のモノはANNA-Ⅳ L)
その名前の末尾に数字が付いています。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのように。
これは、ベースにあるANNAに対し、少しだけ衿らしきものを
付けてみたりみなかったり、タックをとったりとらなかったり。
半袖だったり、着丈が短かったり。
それによって番号が変わったりしています。
心地いいという事でしょう。
情報限りない現代ですが、駆け足はやめて
私は足元をみてみたいと思いました
足の裏に 私のルールをみようとします
少なくとも 此処に今自分が在ること
既にそれだけで私の答えはある様に思います
TOKIHOのテーマからの抜粋です。
自身と良い関係が築けそうな洋服を作る人だという印象です。
女性に販売する洋服に相応しいかどうかわかりませんが、
着倒していただきたい洋服がたくさんあるブランドです。
コートみたいに羽織れたり、ワンピースみたいに着ていただける
ANNAは、季節も選ばないので初めてのTOKIHOにお勧めです。
皆さまの人生の断片となりますことを。