最小デザインの輝きを
今はない、青山の裏路地を少し入ったあたりにあったセレクトショップに
たまに立ち寄っている時期がありました。まだアナベルを初めて間もない頃で、
およそ10年くらい前だったと思います。ただただそのお店のバイヤーさんの
感性に惹かれて、近くに用事のあった際には少し立ち寄るような場所でした。
ある日そこで、TOKIHOの存在を知ったのです。
無造作に大きなアンティークテーブルにディスプレイされた味のある
染色のされた生地のそのワンピースにすぐに目が留まり、手に取った瞬間に
「これは買います。」と言って手渡していました。
レディースのお店なのですが、バイヤーさんは男性で、
「TOKIHOだけは少しご紹介できるメンズがあるんです。」と言って
裏から出してきてくれたリネンのシャツも見た瞬間にお気に入りでした。
今も現役で着ています。
絶対にいつかTOKIHOの洋服をお取り扱すると心に決めた日になりました。
その4〜5年後でしょうか。TOKIHOのお取り扱いを始めました。
お店に並べて驚いたのは、特にお勧めをしなくても常連のお客様は
そのほとんどが手に取ってくださる。常連のお客様は、
「何か新しいブランド?」という感覚で手に取っている方もいるかもしれませんが、
驚くのは初めてご来店いただいたお客様もTOKIHOを手にするのです。
こんなにもシンプルなお洋服なのに、なぜでしょう?
TOKIHO
BIOS ¥44,000(税込)
Linen/Silkのこちらの生地は、光沢感のある
まさに金色のようなこちら1色展開です。
生地の感触でその軽やかさが伝わってくるような手触りで、
しなやかさと弾力を少し感じる美しい生地だと思います。
シンプルなバンドカラーに初めて見た時から付いていた小さめのボタン。
くり抜かれたようなポケットも印象的。
そして前後の裾に施された刻みも、TOKIHOのシンボル的デザインです。
TOKIHO
BIOS ¥42,900(税込)
同じデザインの素材違い。
こちらはLinen/cottone素材で、前者より張り感がありますが、
軽くてしなやかさを持っている点は共通しています。
光沢はなくマットな色合いで、ブラックが完売していますので
こちらのグレージュ1色でのご紹介となります。
どちらの素材も、僕の見た印象は、できるだけデザインをしないことを
心がけたようなお洋服だと感じました。
袖や裾に刻みはありますが、それ以外は目に見える大きな特徴を
作っていません。でも、多くの人が手に取るのです。。
そして試着をするとさらに気分が上がるのです。
実はこれ、新作です。
TOKIHOを数回ご購入いただいている方はご存知かと思いますが、
新作を出した後、ナンバリングが始まります。Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、、、と。
基準になる新作から襟を少し変えたり、着丈を変えたり。
今回のものが基準になり、どう変わっていくのか?
それとも変わらないのか?
そこも楽しみです。
グレージュ。
グレーとベージュが混ざったような色ですが、
明るい印象です。決して沈む色合いではありません。
お客様から好評なのは、横姿や後ろ姿。
そして何より、着心地です。
試着では気が付かない着心地も、着れば着るほどに
強く感じるようで、お客様から言われる大きなポイントです。
デザインをできる限り取り除いた着心地を楽しめる存在感のあるワンピース。
TOKIHOの新作ワンピースです。