例外中の例外
なんでも好きで、なんでも着こなせる人などいない。
必ず苦手にしているものはあるし、好みもある。
我々のようなセレクトショップでは、
その好みがはっきりしているほど、やりやすい。
入店していただいて、10秒で出て行かれる方がいる一方で、
初めて、ご来店いただいて何も購入する予定もなかったのに、
たくさんお買い物をしていただくこともある。
気に入る人も、興味のない人も、どちらの反応も
わかりやすいくらい、はっきりとしている。
そういうセレクトショップのバイイングは、
自身の好みをはっきりと持っていないとできない。
お店を始めて、、おそらくは唯一と言っていいと
思うのだが、自分の苦手な要素が多いにも関わらず、
はじめは、恐る恐るバイイングして、
気が付けば、毎シーズンオーダーするようになった
ワンピース? コート? がある。
15(jyugo)
傳(tutaee)が展開する、もう一つのブランド。
コットンワンピースコート ¥24,000 + tax
当初、パッと見て苦手だったのは、
「丸襟の角度」と「細長いシルエット」
ただ、何か得体のしれない感覚にとらわれて、
「これは、販売してみたい。」という方向に傾いた。
今では、「丸襟の角度」と「細長いシルエット」が、
このお洋服に限り、好きになった。
この日も、撮影しながら3人で言っていた。。
「これ、何がいいんだろうね。。」
「よくわからないけど、可愛いよね。」
「でも、好みははっきりするだろうね。」
「そうなんだよね。」
「買う人のほとんどが、ひとめぼれ。」
「なんか、他人事じゃないんだよね。」
「自分たちのお店みたい。」
どこか、それぞれの根底にある説明不能な部分で、
共鳴しているのかもしれない。
例外中の例外として。。
初めて、このワンピースをお店で販売した
シーズンの終わり、次シーズンの展示会で、傳さんを
訪れた際、デザイナーさんに、こうお話しした。
「気に入る方は、迷わずご購入してくださる。」
「皆さん、コートとしても着られるし、気に入っている。」
それに、対してのデザイナーさんの一言が面白かった。
「あれを、羽織で着るんですか?」
「へー、私もやってみよう。」
次のシーズンから、彼らもワンピースコートって言ってくれている。
今年も、例外中の例外として、入荷中です。
やはり、何度見ても魅力的なワンピースなのです。