襟あそび
初めて見た時から、どうしても着てみたかった洋服でした。僕にとって初めてのレディース服で、袖が短いのを少し見ないふりをして相当な回数を着続け、今では同じデザインの洋服が妻のものと合わせて複数クローゼットに並んでいる。12年経った今も着ているコートです。嬉しいことに、今年12年ぶりに裏地付きが復活したのです。
Honnete shawl collar coat ¥60,500(税込)
素材はふっくらとしたシャギーツイル素材で、ウールが62%でアクリル、ポリエステルなどが使われたとても女性らしい生地ではないでしょうか。シャギーという名の通り、少し毛足のあるウール素材が特徴的です。また色もいい。こちらはベージュというには明るい、グレイッシュな生成りかと思えるような明るいベージュで気分も明るくなる。
フードを半分に切ったような襟を軽くロールして着ていただけるコートです。ショールカラーとは、首元にストール、ショールのようなものを垂らしたかのように見える襟という意味ですから、着ていただくとまさにその通りです。
身頃はダブルブレストで、打掛ボタンも全て同じ大きさのスナップボタンが使用されています。
ドロップショルダーの筒袖で、和装コートのような印象も持ち合わせています。昨年まではメルトンの一重のコートとして販売しておりましたが、実は僕自身が購入した12年前の秋冬の商品はこのような裏地付きでした。もちろん表地がもう少しメンズライクなフランネルのチェック柄でしたが。冠婚葬祭にも着ていますから、本当に重宝しています。
ポケットはシンプルな片玉縁のポケット口。
裏地はキュプラコットンの滑りのあるコットンといった見た目のものが付いています。ふっくらしたウールとのバランスの良い、なおかつ滑りも良い裏地かと思います。
袖裏も同じく。
こちらはもう一色のチャコールグレー。布地の柔らかさがわかるかと思いますが。ふっくらとした厚みもあるのがこの素材の嬉しいところです。内側に温かいセーターを着ていただいて、真冬中活躍するコートです。
チャコールも2色混で、柔らかさのある色合いです。ブラックやネイビー、グレー中心の濃いめのスタイリングにも使いやすいことは間違いありませんが、白っぽいスタイリングにも馴染みのいいチャコールです。
どちらの色も捨てがたい。
今回はどちらの色も白っぽくコーディネートしてみました。まずはベージュです。ショールカラーにさらにストールを巻いて内側に収めて着ています。一年で一番寒い1月や2月はこんなスタイルで着てほしい。
首周りが温かいと、大抵の寒さは大丈夫。見た目にも温かいコートです。
ストールがなくても寂しくありません。一番上まで締めるスタイルもキリッとして素敵です。お好みで着てほしい。
そして全開にした見た目も好き。僕自身は結構全開にしてストールを垂らしていることが多いかもしれません。今回の素材は、今までのメルトン素材と比べると柔らかいので、このように羽織る感じで着るのも素敵です。
その日の気温に合わせて、ワンピースにパッと羽織るような着方も良いかもしれませんね。
チャコールはquitanのチュニックにASEEDONCLOUDの温かいニットカーディガンを重ねてインナーにしています。ワンピースに羽織った際のイメージが少し沸くかもしれません。
そこにストールを垂らす。ストールはサイドフリンジが可愛らしいスコットランドのGlenGordonのもの。定番の手袋が有名ですが、こちらのストールもおすすめです。
このくらいラフに締めた感じも大人っぽくて素敵です。
ストールをプラスして。
ストールなしで、一番上まで留めた感じ。僕は意外とこれが好きなのですが、首元が詰まるのが苦手な方は適度に開けて着てください。。なんて言えるコート、冷静に考えるとこれ以外に出会ったことがないんです。ボタンでスタンドになったりするクラシックなデザインはありますが、このコートはもっと柔軟で遊びのある感じです。中間がたくさんあるからインナーの合わせに応じて色々楽しめる。12年ぶりに復活した裏付きの柔らかい素材を前に、アレンジの幅広さを痛感するのでした。