annabelle

横やんは普段からあんまり強く主張をしないタイプです。しかしながら洋服屋、特に販売の経験はかなり豊富で、大型のセレクトショップで長く働いていたことから、かなり幅広い商品を手に取って着てきた経験があります。だからさりげなく横やんが口にすることに、僕は聞き耳を立てます。あらためて聞いたりすると、ぼんやりした無難な返答をするタイプなだけに、自然に発した言葉は貴重で重要なのです。今日はそんな横やんが昨年中ずっと着続けて、しみじみと「これはいい」と、、さりげなく口にしたインナーをご紹介します。

CLOSELY　ウォッシャブルウールテレコハイネック　￥15,400（税込）ウォームグレー

ゴーシュのコットンカシミアタートルとともに、秋冬〜春先にかけてお勧めしたいインナータートルです。そしてゴーシュとはタイプが違うからどちらもお勧めしたいインナーです。こちらは素材がWOOL100%でしかも家庭洗濯ができるウォッシャブルウール。薄手で緩やかに伸縮するまさにインナーという印象のハイネックです。

身頃も袖周りも程よくフィットして、お洗濯をすると戻る素材も優秀です。

しかしこの素材、見た目にはわかりませんがどうやら特殊なカット素材らしくお値段が高騰しすぎて今年が最後のお取り扱いとなります。ちなみに、今シーズンの販売店舗はannabelleだけ。横やんが珍しく何回も「これいいです」って呟くので、工場に残っていた同じ価格でできる素材を全て使ってアナベル用に作っていただきました。

インナーカットソーの縫製部分のゴロツキの処理の良し悪しは着心地を左右しますね。CLOSELYさんの商品はとても安心できる仕上がりです。

こちらがもう一色のエボニーブラック。かなり青みのある柔らかいブラックです。一瞬、ネイビーかな？って思ったり、チャコールグレーかな？って思うほどのブラックです。

着用画像は昨年のものを使わせてもらいます。こんなに薄くて優しいフィット感にもかかわらず、十分に暖かいというのがこの商品の特徴です。ここ数日で朝晩はしっかり秋を感じる気候になりました。お気に入りのワンピースやブラウスの下に、合わせていただければと思います。

ワンピースは昨年のSP（エシュペー）のもの。SUSURIのポエータセーターよりわずかに低いハイネック。ちょっと暑がりでタートルが苦手な人にもトライしてもらいたいウールのハイネックです。

柔らかいブラックも、もう一色のグレーも、秋冬の他の商品の色合いや素材感と合わせるととても馴染みが良い。これはインナーにとってとても大切なことです。悪目立ちしては着なくなりますから。

クルーネックのワンピースにも似合います。スタッフの横やんが着ているのを見る限り、開きの大きなワンピースやブラウスにもとてもよく似合い、着ていました。また先日はsonorのデザイナー園田さんにもご購入いただき、好評でした。さっそくジャンパースカートに合わせて着ていただいたのを見て思いました。「ここまで見せても肌着感が出ないな。」と。そこも重要です。肌着感が強いとジャンパースカートやノースリーブには合わせにくくなりますから。やっぱり生地が良いって大切なことだと、あらためて感じさせてもらえる洋服でした。

これと同じ素材は今回の入荷分がなくなり次第、終了となります。CLOSELYのデザイナーは、僕が考えていたよりずっと拘りが強い方で、実はとても人気の商品だったにもかかわらず、ウォッシャブルウールのハイネックが展示会にありませんでした。「なんでないのか？」聞くと、「値段が高くなりすぎて適正ではないと判断した。」ということ。ちなみに同じ素材で今シーズンも新たに展示会で出すとしたらいくらになるか？聞いたところ、正確にはすぐ出せないが、だいたい￥22,000くらいだと。。ちょっとインナーとしての現実味をなくすお値段です。そこで、残っている生地が工場にあれば、同じ値段で全て作って欲しいというお願いをした次第です。

ここで思ったのは、とても誠実で正直な方だなということでした。多くのアパレルブランドは、値段が安くて似たものを必死で探すでしょう。なぜかというと、「人気商品だから」。そこも聞きました。答えは「お値段も含めて、納得のいく生地を見つけることができなかった」というとても素直な返答でした。安心したのと嬉しかったことを覚えています。来年からはどうなるのか、まだわかりませんが、きっと良い素材を探してきてくれることでしょう。