「個性」
「個性」というとなんだか尖った個性のようなものを想像しますけど、丸いのも個性だし真っ直ぐなのも個性です。人が自身の許容を超えたものを見たときに「個性的!」なんて言う言葉を使うので、なんとなく尖った印象が強いのかもしれません。今日は丸い個性のあるワンピースのご紹介です。
SUSURI ペブルドレス ¥52,800(税込)
アナベルではブラックだけをセレクトしています。(メーカーではホワイトもあり)ペブルは「丸い石」を意味していますが、川で転がっているうちに丸くなる石であるため、元の大きさや形、色合い、どんな流れの強さの川にあったかなどによって、丸い石もそれぞれ違う仕上がりになることから、その意味の裏には「個性」のような意味合いも感じ取れる言葉です。
フロントにはペブルを象徴するかのような丸いボタンの応酬です。しかも全て本開きで、着用の際にはいくつかを開けていただくことが必要です。妻は7つのボタンを外して頭が通りましたが、不器用な上にせっかちなので、息切れしておりました。着用の際には心静かに。
ダブルですが、反対側は取る必要はありません。反対側は、内掛になっているトップだけ外して着用してください。
たくさんのギミックが詰め込まれたワンピースで、長めのフロントヨークの脇にはまずタック、そしてギャザーが並びます。一体どんなシルエットが生まれるのか?実験しているかのようなデザインです。
背面はセンターで接いで両サイドに分かれるようにギャザーを配しています。
裾は前側がやや短くなった後ラウンドデザイン。これもどうなるのでしょうか?通常、ワンピースやスカートの裾は、真っ直ぐなら着た際に脇が垂れる。ラウンドさせると着た時に真っ直ぐになる。これはどうなるのでしょう。
袖口にもペブルボタンが3つも。ケンボロにまで付いています。このボタンは取らなくても妻は手が通っておりました。
一重の薄手のリネン素材ですから、今回はペチコートがわりにフルッタードレスを着用。相性は抜群です。
シルエットはどうでしょう。タックはやや被り気味でギャザーにバトンタッチするような流れ。意外に大きめなタックドレープができて、シンプルな印象です。それだけに、フロントヨーク下のギャザーがとても効いていますね。これがないとちょっと寂しい。
オーソドックスには、ブラックのキャミドレスを下に着ていただき、袖部分は透け感を生かしぼんやりと腕が見えるような状態にしてあげると、とても素敵です。
ファッションもたくさんあるお店や洋服の中から好みを拾い集めて、一人一人のクローゼットが出来上がります。買っているお店が同じでも、合わせ方やスタイリングイメージが異なると大きな違いが出て面白いものです。高校2年生になる娘は洋服が大好きで、僕ら夫婦のクローゼットからいつの間にか何かを持ち出して勝手に着ているみたいですが、世代や感性、一緒に合わせるものが変わるとこうまで変わるかと言うほど違います。見ていて面白い。
お店で見て「かわいい」と思ったものは、ぜひ試着をしてみてください。着てすぐに「やっぱり可愛い!」ってなる洋服もありますが、「あー、私には似合わない。」となる洋服もあります。その場合、ちょっとだけ「どうしたら私に似合うように着れるか?」も同時に考えてみてください。持ち帰って想像で。それを繰り返していると、許容範囲が広がったり、買うもののチョイスに変化が出たりして洋服を着ることがもっと楽しくもなる。それが「個性」になって現れます。まさにペブルのように。