遊び服
毎回、心温まる物語の登場人物に向けてコレクションを展開するASEEDONCLOUDのデザイナー玉井さんのこしらえた今回のシーズンストーリーをまずはゆっくりとご一読ください。
ASEEDONCLOUD 2023S/S -Jiyusou-自由装
カラクリでできた町の時計台に住む時計技師のおじいさんとその町から離れたところに住む好奇心旺盛な少年のお話。
ある町には有能な時計技師のおじさんがいました。彼は町の中心に大きな時計台を作り、毎日夜になると時計台の調整をしていました。ある日おばあさんが倒れてしまい、おじいさんは看病をしながらおばあさんを楽しませるためにからくり人形を作ってあげました。しかし時計台の時は止まってしまいそれっきりに。
それから年月が経ち、、
カラクリの町から離れているところに住む少年が自転車に乗ってカラクリの町にやって来ました。町に着くと時がとまった時計台が気になります。窓から中を覗くと素敵なカラクリ人形がたくさん並んでいます。しかしカラクリ人形を作っているおじいさんは何やら元気がありません。心配になった少年はおじいさんに声をかけ遊びに連れて行きます。
遊び方を知らないおじいさんに自然の中での遊び(昆虫採集・川遊び・木登りなど)を教えていくうちにおじいさんも真剣に遊びを楽しむようになります。そのお返しにと、おじいさんも少年にからくり人形をたくさん見せてあげました。少年はおじいさんのからくり人形に夢中になり、より多くの人に見てもらおうとおじいさんに言いました。少年に教えてもらった遊び方をカラクリの町の未来の子供たちに向け、遊び方を伝えるカラクリ時計を作ることにしました。
からくり時計は完成して、時計台の時はまた動き出しました。からくり時計の中心には、おじいさんとおばあさんと少年が手を繋いだ像が子供たちに遊びの大切さを伝えながら。
ASEEDONCLOUD Recreatinon Blouson ¥47,300(税込)
おじいさんと少年が自然遊びをする時に着るブルゾンは、フランスの古いシューティングブルゾンをお手本としてデザインされていますが、玉井さんならではのオリジナリティが詰め込まれた一着です。
実際に手に取った際に最も気になるのはこの素材ではないでしょうか。コットンのリップストップ素材に、顔料プリントが施された独特なタッチの丈夫な素材です。硬さはなく、薄いレザーを触っているような手触りです。
右側の生成り部分が本来の生地の色で、その上から顔料をプリントして左のような雰囲気に仕上がっています。最もわかりやすいのが、Tシャツのカレッジプリントでしょうか。文字のプリントの部分が顔料プリントなのですが、この素材はあれが全体にされた状態です。ですから、お洗濯は手洗いで可能ですが、経年の変化としてカレッジプリントが少しずつ剥がれるような感覚で、白い顔料が剥がれ、内側の生成りが見えてきます。(少しづつです)
ウェストをキュッと絞って着るカシュクール仕立てのデザインは、味方によってはとてもエレガントです。
結いたり、垂らして羽織ったり。
ポケットの入り口など、擦れる部分には豚革のスウェードが張られています。こちらもお洗濯に耐えられるものを使用しています。
さらにこれが面白い。自然遊び中に服がずれ落ちないように留められるという設定ですが、脱いで着ない時に、斜め掛けのショルダーみたいな感じで肩にかけておくことができるのです。以前、秋冬のコートでも似た仕様のコートを販売していますね。とても玉井さんらしいデザインディテールです。
HAVERSACKのヴィンテージ風ジャカードパンツにちょっとエレガントな雰囲気でヒールを履いて。
155cmの妻が着るとちょい長めですが、それでも素敵。
キュッと絞って羽織としてもいい。
FACTORYのシャーリングパンツに合わせて。
ロングスカートに合わせた感じも想像できますね。
玉井さんは絵に描いたような少年のような人ですので、この物語に出てくる人懐っこい少年は玉井さんと重なります。遊び心の詰まったブルゾンをぜひ。