あれから19年。
Artepovera(アルテポーヴェラ)というブランドがあります。なかなか名前が難しいようで、覚えてもらうのに異常に時間がかかっているブランドで、もう覚えることを諦めたファンもいます。ネットでArtepoveraって調べると、ヨーロッパでイタリアを中心に起こった芸術運動のことが出てくると思います。ブランドのデザイナーは、この芸術運動に感銘を受けて、そのままブランド名にしたのです。それを知った上で彼らのずっと続けている「リメイク」を見ると、より一層ブランドが好きになる。ひょっとしたらブランド名も覚えられるかもしれませんよ。

Artepovera パラシュートリメイクパンツ ¥38,500(税込) オリーブ XS
フランス軍のパラシュートを解体してパンツにしたリメイクパンツ。近年はリメイクの元になるいい感じのデッドストックやUSEDが本当に手に入らなくなってきているようで、リメイクの品番は少しづつ少なくなってきています。古着業界でもぼくらの世代が「レギュラー」などと呼んで、ほぼ無価値だと思ってバンバン捨てていた古着がどんどん値上げしている。。最終的にこのくらいのお値段で販売したいと考えると、確かになかなか続けるのが難しいシリーズなのかもしれませんね。それなりに見つけた時に大量に抑えるようには努力しているようですが、、。

ウェストはゴムと紐で、結構しっかり目の杉綾テープが外側で結ばれるデザインです。

基本的には元のUSEDの雰囲気をそのままにリメイクをしていますが、ところどころ補修が必要なところにセンスよく、雰囲気を活かしつつ手を入れています。この黄色いステッチは後から入れた補強ステッチだと思います。部分的に入れているところがセンス良い。

両サイドにポケット。ポケット口にはパイピングをこれも後から入れています。

こちらはあったりなかったりですが、軍物に多く見られるステンシル。

裾口もパイピング

元からなのか後からなのかわからない補強布?でしょうか。こういうのが実際に作ってみようと思った時に意外にできないものなんです。どうも綺麗にやろうと思っちゃうんですが、やっぱりものすごい量のリメイクを作ってきたデザイナーは凄いなと思います。

フラップポケットはマジックテープで留まります。フラップはもともとはナイロンテープを通すホールがついたパーツを切って貼って使っています。

横から見た感じ。けっこう裾テーパーなパンツです。サイズはXSですが、170cmの僕(短足です)が穿いても短くはならないのでちょっと長めです。

背面にはヒップポケットが両サイドにあります。サイドのカーゴポケットが半分見えている位置もかっこいい。

ウェスト付近にあるこれは、ウェビングテープ。もともとは何かをぶら下げたり固定したりするための特殊ループです。これも後付けですね。しかも白でやっているのがいい感じ。

フランス軍のパラシュートパンツのリメイクにアメリカのステンシルテープを。

ここもフラップはマジックテープ。

155cmの妻が穿いて、少し折る感じ。折らなくてもバウンドして下には擦らないくらい裾が細身ですので、バウンドさせて穿いてもいいのではないでしょうか。

klauseのシルクのシャツに合わせて

タックイン

ポケットがいい味出してますよね。

普段のArtepoveraの既製服と比べると、XSでも少し大きめです。

上からカーディガンを。実はこのカーディガンもArtepoveraのリメイクなんです。こちらは撮影がまだ終わっていないのでもう少し先のご紹介になりそうです。

Artepovera フランス軍パラシュートリメイクコート ¥52,800(税込) オリーブ
もうなんか、、パッと見て整っていない感じが最高にかっこいい。僕らはアメリカのインポートで育った世代ですが、当時の洋服屋さんに散々言われました。「アメリカものは、決して縫製は綺麗じゃない。でも、だからかっこいいんだと思う」って。すごい若い頃はそんな話も聞かずにとにかく欲しい!という感じでしたが、20代に入ってから少しづつ見る目が変わってきて、さらに洋服が好きになった。

ウェストには実際に絞れるドローコードがございます。

袖はちょっと違う色が付いている。

袖口には見返し風に杉綾テープが施されています。

マチ付きの大きなポケットが目を惹きます。

ポケット口はマジックテープです。

裾に見られるこちらは、パラシュートクロスに使われていたものらしいのですが、現状使えません。使えないけどとっても雰囲気があるので残したパーツです。縫い留めてあるので紐を引っ張っても動きません。

サイドには長めのスリット

こういった切り替えは個々に異なります。

背面。
所々の当て布や薄れたステンシルがかっこいい。

左右で色が違います。パンツもコートも個々の違いは通信販売ページで確認できますので、詳細はそちらをご覧ください。
僕がArtepoveraを知って、初めて購入したのは2007年の出張中のことでした。ものすごい大きなハトメがたくさん付いたテント生地で、レディースのワンピースを作っていた。あるお店に立ち寄った際に見つけて、当時はまったく知らないブランドでしたので、なんだか嬉しくて即買いしたことを覚えています。あれから19年、彼らは淡々とリメイクを続けているわけですが、19年見続けていても飽きません。毎回展示会で「うわ!」と思ってオーダーしちゃいます。2007年にテントリメイクワンピースを買った時の勢いで。
得意なことを変わらずまっすぐ続けるって強いですよね。