annabelle

フォルムを眺めて

自然の中でその景色や音を楽しむのと同じように、例えば建築物や車のフォルムを見て楽しむこともある。それぞれの美しいと思えるバランスを探りながら、「これはいい」と思えるものと出会うことを楽しむ。古道具やアートピースを購入する人はきっとそんな気持ちでモノを見て楽しんで、家に置いて日々眺めてニヤニヤしたりするのでしょう。

NO CONTROL AIRのデザイナー米永さんは、古物も扱うし建築の勉強をされていて、現在進行形で身近な方に限って設計もしている。そして車好きで古いヴィンテージカーを楽しみ、お仕事として古い時計の販売も行っている。そういう方がデザインをする洋服が全体のフォルムにこだわらないはずがない。しかも本職である洋服については完全なる独学というところが更なる興味をそそる。そういう目で彼の作る洋服や今興味のあるバランスを聞いたりすることも僕としては楽しいこと。今日は流線の綺麗な羽織シャツのご紹介です。

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NO CONTROL AIR フレアシャツ with pocket ¥27,500(税込)

こうして置いてみると、どうしようもないくらい米永さんなフォルムで、ついつい笑みが漏れてしまうほど。でもそう感じられるということは、緩やかに全体を見ながら、絶対に譲れないポイントがいくつもあってこの「らしさ」が成り立っているのでしょう。

前身に対して極端に後身を広く取り、フレアラインを出しています。また、前に振った袖付もすっきりとして特徴的です。今回はポケットも付いて、なんとなくそれだけで、羽織として使ってみようかと思えるから不思議です。

縦に下がりながらスマートにまとまるバンドカラーシャツです。

トップボタンから次のボタンまでの距離とその他のボタンの距離は変える方がスタンダードではあるのですが、それにしても極端にトップ寄りに詰めたこのスタンスは、前を開いては着ないシャツだという主張とも言える。

カラーは4色展開です。ホワイト、エクリュ、チャコールは同ブランドでよく使用される色合いですが、今シーズン気になったのはオリーブグリーン。昨晩ご紹介したサロペットのインナーにも使用しましたが、綺麗めな素材のブラックにオリーブを入れる感じは個人的にかっこいいなと感じておりました。

ホワイトはシンプルに同ブランドのアラジンパンツに合わせて。

ポケット付きです。

ゆったりサイズですが、スッキリめのパンツにもワイドにも合わせやすい印象です。前後差もあって後ろの分量が多いので、バランスが取れるのだと思います。

エクリュはダークカーキのFIRMUMのパンツに合わせて。ちょっと意識的にメンズライクに。

袖がすっきりと身頃に埋もれる感じもいいのです。

HAVERSACKのギャザーパンツに羽織として。インナーにはCLOSELYのリブTeeを合わせています。季節に合わせてインナーを変えていくと、一枚でも羽織としても様々な表情を見せてくれる嬉しいシャツです。

with pockets

オリーブはサロペットのブラックに合わせて。

そしてパンツスタイルでも。

下から風が入って膨らんだ瞬間。オリーブにブラックのボタンの配色も素敵ですね。

白や黒、そしてグレーにも似合いそうなオリーブグリーン。

最後はチャコール。個人的にお気に入りの組み合わせです。

ヴィポリさんのバッグもいい感じにポイントになってくれています。

タックイン。ここからソックスを合わせて、上着かセーターを合わせてコートを着る。冬物の入荷も楽しみです。

僕もこの仕事をしていると、「スタイリングのコツ」みたいなことを聞かれる時もありますが、自分自身で大事にしていることは大きく2つです。一つは「キャラ」。もう一つは「引いて見た時のシルエット」。その2つが今の自分の気分と一致していたいと思いながら楽しんでいます。どんなに良いとされているものも、自身の「キャラ」と合わないとどうにもなりませんし、スタイリングの妙がそれぞれのお洋服の良さを引き出すことになるので、どう着るか?はとても大事です。それが全体のシルエットを作るわけですから。

お店のラックにかかっている洋服を眺めるように見て、自然と手が止まるお洋服にはきっと本能的に興味があるんだと思います。だからそこで、もう一息、「自分のキャラに合うか?」「どんな洋服とどう合わせるか?」を考えると、楽しい服選びになると思います。「キャラ」については身近な誰かに聞くのも良いと思います。自分だと固定観念があったりしますから。「どう合わせるか?」については、そのシーズンの自身の手持ちをある程度見てから店を見るというのがいいのかな?何かピンとくる瞬間に出会えるかもしれませんよ。

 

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