Honnete Irish Linen-姉妹伴(shimaihan)-
西荻窪poefuの一年後にオープンを目指していた僕にとって、その存在は言うまでもなく大きく、つい何でも聞いてしまう姉のような存在でした。そして大抵何を聞いても「なるほど」と腑に落ちる言葉が散りばめられている。Honneteというフランスのファクトリーブランドも、先にお取り扱いをしていた柿本さんが「一緒に展示会に行きましょう」という流れから取り扱いが始まった。ずっとメンズアパレルにいた僕にとって、レディースの展示会や自由すぎる洋服の数々はスタイリングが楽しくて新鮮で、たまらなく刺激的でした。Honnete姉妹伴は、そんな姉妹のようなpoefu柿本さんとの間で生まれた特別な企画です。
<姉妹伴とは?>
中国福建省、恵安地域に古くから伝わる文化慣習で、数名の女性たちが小さなころから本当の姉妹のように互いの家を行き来し、寝食を共にします。その絆は、本当の家族のように深く堅い絆です。その文化慣習の名前を姉妹伴と言います。西荻窪poefu さんとの共同別注企画は、その文化慣習になぞらえて、姉妹伴と呼ぶことにいたしました。小さなお店にしかできない、特別な企画をお楽しみいただければ幸いです。
さて、長年続いている姉妹伴において今年は初めて「全色新色」といたしました。形は皆様ご存知の3種ですので、今夏に向けてお気に入りの色違いを足してみてはいかがでしょうか。3種一緒にご紹介いたしますので、少し長めになりますが、どうぞお付き合いください。
Honnete 姉妹伴 Irish Linen Gather one piece ¥35,200(税込)soft beige
Honneteといえばコレだというほど超ロングセラーの膝丈のシャツワンピースが少しだけ変化を遂げた。ギャザーブラウスに合わせる形で袖口のカフスが長くなり、肘が隠れるような袖丈となっている。ちょっとした変化ですが、ギャザーブラウスの袖が好評だったことを考えると、嬉しい人も多い変化なのではないでしょうか。
上まで留めるとかなり小さなバンドカラーであることがわかります。メンズシャツみたい。でもしかし、ギャザーがあちらこちらに入ることでそのメンズっぽさが見てすぐに中庸される。Honneteのデザインは、スタイリングで引き締めたい部分に黒を添えるが如く、ピリッとしたエッセンスをディテールに散りばめているあたりが素敵だなと思っています。
この袖がないデザインも大きな特徴です。身頃に直接カフが付いています。変更されたのはこのカフの長さです。昨年まではこの半分でした。ちなみにアーカイブカラーが少しだけありますので、そちらも同時にご検討ください。
肘下あたりにくるカフスは、ボタンで外すことができる。
今年の6色は全て新色です。
下から、、、
soft beige
mushroom greige
round green
French blue
rouge pink
woody charcoal
先ほどから写真が登場しているのがsoft beigeで、スタッフ横やんのぬいぐるみキーホルダーがとても可愛らしい色だったので、それを借りて色を出しました。出来上がってびっくりのアンティーク感。今までのフロストグレーやオフホワイトの代わりになるような素敵な明るい、少し赤みを帯びた薄いベージュです。ぬいぐるみから誕生したことから「soft」と付けています。
膝丈のシャツワンピースは、薄手のパンツに合わせて着ていただくと様になります。今回はYUIさんのレーヤーパンツに合わせてスタイリングしています。
そして近年は羽織としてもお勧めしています。ノースリーブに羽織る半袖のリネンは、真夏の羽織としてワードローブにあると嬉しいアイテムです。
mushroom greige
こちらは柿本さんが小物入れを見ていてピンときたという過去にないくらい絶妙なグレージュです。その出来上がりはマッシュルームのような丸みを帯びた中間色。こちらの形のmushroom greigeはアナベルは完売してしまいましたので、この形のこの色が欲しい方は急ぎ、poefuへ!
ちなみにこのようなスタイリングを作っておりました。参考まで。
round green
annabelleの店先には一昨年西別府さんが植栽してくれたポポラスが揺れています。丸い可愛らしい葉が揺れる姿から想像して色を出しました。丸いポポラスから命名してのround green。お互いにイメージしていたかっこいい印象の中間色にふさわしい一色です。さまざまなボトムスに合わせやすいグリーン系の中間色になりました。
ホワイトやベージュ、ブラックともシンプルに相性がいい色ですが、あえての多色コーディネート。ボトムスはこれからご紹介するYUIさんおレイヤーパンツです。
前を閉じて。
french blue
一言にフレンチブルーと言っても人によって想像は様々でしょう。しかしみなさん共通で、少しスカッとした印象のブルーを想像しませんか?今回のフレンチブルーはそんなスカッとしたブルーが色褪せた感じを想像して作っていただきました。
ボトムスはプリーツパンツのブラックです。黄色みのベージュなんかにも合わせたい絶妙に爽やかなかっこいいブルーになりました。
ありそうでなかったフェード感のあるフレンチブルー。
rouge pink
rouge pinkはお化粧品の中に見られそうな、そして顔写りが素敵なしっとりとしたピンク。「これよりいいピンクはないかもしれない」と言っていたダスティーピンクをお持ちの方も、欲しくなりそうな素敵なピンクです。
アナベルでは真っ白のワンツーコーデに羽織る感じでスタイリング。
前を閉じて。マニュキアの色選びもお楽しみ頂きたいピンクです。
woody charcoal
一般的に沈みがちになるリネンの染色において、今回最も再現が難しいのでは?と感じていた濃色の絶妙なチャコール。焦茶色がほんのり赤みを帯び、少し赤紫のようにも感じる濃色のwoody charcoalは、スパイシーな大地の香りをイメージして名付けました。
こちらはワントーンにモノトーンを差し込む僕の大好きなパターンのコーディネート。濃色ですが、ブラックや一般的なチャコールとは異なる魅力を感じていただければと思います。
前を閉じて。
Honnete姉妹伴 Gather blouse ¥30,800(税込)soft beige
こちらは昨年同様のギャザーブラウス。Honneteのアイリッシュリネンシリーズにファンが長年ついていてくれる理由は、明らかにリピーターが物凄い人数でいらっしゃるからだと思っています。たぶん、5着、6着お持ちの方がこんなにたくさんいる洋服のシリーズって、他にはないと思います。では何でそんなにリピーターが多いのか?それはデザインなどもあるとは思うのですが、やはりこの生地に魅了される方が多いのだと思っています。一度だけ、Honneteが番手を上げて生地を薄手にしたことがあったのですが、すぐに今の生地に戻していました。それはそれで薄手で涼しくて良かったのですが、たぶん求められていることが「涼しさ」だけでもないのだと思います。「ラフに扱える丈夫さ」に加えて感じさせる上質さが最高にバランスの良い嬉しい生地なのです。
soft beigeはあまりにもデニムに似合うので、blue in greenのワイドデニムに合わせてみました。
mushroom greigeはSPのリネンワイドパンツに合わせて、他の色にも当てはめて想像できるように、様々な着方を試してみましたのでご覧ください。こちらはタックイン。バンザイしても出てこない分量感と着丈です。
こちらはTシャツの上に羽織として。こちらも近年は真夏の羽織としてもお勧めしています。
もう一つは昔からスカートやワンピースに合わせる際にお勧めしている前裾を結く着方。ボタンは下から適当に好きな感じで留めています。
最近増えてきたストレートやフレアなワイドパンツに合わせるときにもお勧めの着方です。
round greenはプリーツパンツにシンプルに合わせて。
タックイン。ボタンもきっちり留めてみました。
フレンチブルーはブラウスはホワイトに合わせてみました。こちらはボタンを外して少し後に抜いた感じで。
rouge pinkは馴染ませるようなピンクベージュのボトムスにキリッとした白をインナーに差して羽織として。肘下までカフがくるので羽織としてとても重宝しますよ。
woody charcoalはブラックにタックイン。単独で見ていると濃色なので色合いが分かりにくいかもしれませんが、ブラックと並べるとよくわかる。
SPのワイドパンツとはとても相性が良く、何度も登場しているかもしれません。
タックインもかっこいい。
Honnete姉妹伴 New crewneck Tee ¥28,600(税込)soft beige
クルーネックTeeは3年ほど前にリニューアルし、袖口のデザインが大幅に変わりました。ポケットの付いた幅広のTシャツといったシンプルなデザインですが、着丈の半分が袖口という相変わらずの大胆さに魅了されます。
使うか使わないかは着る人次第ですが、洋服を作る側から見るとポケットは物入れだけの存在ではなく、シルエットを形作る存在でもある。この場合のポケットは(以前のTeeシリーズもずっとそうですが)、後者の理由によるところが強いポケットです。
ボタンホールが2つある3段階の袖口。
アンティークのリネンのような色合いが素敵なsoft beige。こちらは白に合わせるとその色合いがはっきりと浮かび上がるように分かりますね。
mushroom greigeはYUIさんのレイヤーパンツに合わせて。ワンピースの下にも、またこうしてワンツーコーデにも使えるレイヤーパンツはこれからの季節に欠かせない存在になりそうです。先ほどから何度も登場しているので、そちらもぜひ見てみてくださいね。
round greenは、今シーズン一番気持ちがいいと鼻息を荒く妻が力説するmeison de soilのリネンパンツに合わせて。たぶん、裏地に薄手のコットンガーゼがあるのが良いのでしょうね。白、黒、グレーと合わせてきたround green。ベージュ系にも絶対に似合うし、デニムにも似合いそう。
先ほどのワンピースではブラックにも似合っていましが、快晴の空のようなフレンチブルーは白にも似合う。モノトーンが多い方の差し色にもお勧めです。強すぎない絶妙なフェード感をお楽しみください。
rouge pink
こちらも肘下まで袖がきて、腕の3倍ほどの袖口がいい。
この大胆さ。
Teeという名前の通り、ボトムスにTシャツを着るような感覚で着てかっこいいブラウスだと思います。洗うほどに馴染み柔らかさを増してくる素材の良さをストレートに感じさせるシンプルなデザインです。
woody charcoalは僅かに再入荷したプリーツパンツに合わせて。夏に向けて毎年明るめのカラーが人気のHonneteですが、夏の濃色もお勧めですよ。下の写真は最も絞った状態で着ています。ここはお好みでお楽しみください。秋に長袖との重ね着もありなデザインですよね。この色は季節の移り変わりにも対応するかもしれませんね。
さて、長々とご紹介した全3種類、各6色づつのHonnete姉妹伴。今年も店頭では活発に動き、いよいよ本日夜未明から通信販売もスタートいたします。(poefuさんは20:30〜と予告していますが、annabelleは作業が押しているため未明です)姉妹伴を始めた12年前、柿本さんとお話をしたのは「面白いことをやりたい」ということ。独立をするもっと前、僕はメンズデザイナーの元で主にセールスを担当していて、柿本さんは地方の有名ショップの名物バイヤー(面白い上に結果も残していた)でした。当時はこんな取り組みを一緒にすることを想像だにしていませんでしたが、Honneteを通してそれぞれの違いや方向性を明確に持つようになった様にも感じています。annabelleとpoefuは姉妹のような関係性にありますが、実に異なる性質を持った姉妹です。この姉妹伴のスタイリングを通して、その違いを感じ取り楽しむ時間にもなればと思います。
暑い暑いと言いながら、今年も素敵な夏でありますように。