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イズム

先シーズンの秋冬から、今シーズンにかけてのバイイングで気にしてきたことは、ボトムスの着丈は長めに、トップスの着丈は短めに、というものでした。もちろん、従来のアナベルらしいパンツにロング丈を合わせてレイヤリングしていくコーディネートは基本的にある中で、新たな提案としてスタイリングを見せていきたいものとして、意識していたスタッフ間での共有イメージです。今日はそのイメージを強固なものにしたきっかけとなった、HAVERSACKのショートカーディガンをご紹介いたします。

<通信販売はこちら>

HAVERSACK ショートカーディガン ホワイト ¥17,600(税込)

HAVERSACKの展示会は、国内の展示会では最も早いタイミングで開催されるため、一番新鮮に自分たちのイメージとの答え合わせのような感覚で臨める展示会です。そこで登場したこちらには、夫婦でテンションが上がりまくったことをよく覚えています。当然、妻は個人発注をして、先月から少し寒い中、温かい日を狙ってもう何度も着用しています。

着丈はちょうどパンツのウェストベルトラインのあたりで、袖丈は長めです。カーディガンですので前は開きますが、おすすめは全て閉じた状態でTシャツ感覚で着ていただくこと。もちろん、ショート丈を生かした真夏のノースリーブには、言うまでもなく活躍します。

リブ付け部分は全てソフトなリブのダブルです。

また、バックスタイルにも注目です。よくみると、センター剥のヨークがあり、その下には両サイドにタックがある。ニットのカーディガンて、こんな風になってたっけ?と目につきますが、実はあんまり見ないデザインです。これ、通常は布帛(ジャージ素材ではなく布地)のシャツに用いられるディテールです。こういう細かなデザインに「らしさ」が滲み出ますよね。

ヨークとタック。

ブラック

ホワイトもブラックもどちらも透けます。これについては本当に透けているからかっこいい。妻は今の季節ではピッタリしたゴーシュの長袖カットソー(昔のもの)などを着ていますが、少し温かい日はやっぱりノースリーブのキャミソールやFabriqueやCLOSELYのタンクトップを合わせています。ホワイトは特に夏のスタイリングで明るめのインナーと合わせてもかっこいい。ボーダーなど合わせても素敵ですよ。

ゴーシュのギャザースカートに合わせてホワイト。インナーがウェストでチラチラ見え隠れする長さです。

ピッタリしているけど、強撚糸で伸縮性が高いため、窮屈さはいっさいなく清涼感も抜群だそうです。

強烈な脚長効果。

上からジャケットを合わせて。サマーウールの上品なジャケットがよく似合います。

ARTEPOVERAのドローイングパンツに白×白のスタイリング。

ブラックはゴーシュの完売したワイドパンツに合わせて。真っ黒にしても軽さが感じられるから面白い。

ワイドパンツが好きな人は、ぜひこのバランスで。実際に夏を迎えてみないとわかりませんが、7月くらいまでは絶対に着ていただけます。8月お盆の夏真っ盛りはどうだろう?人によっても違うでしょうが、冷房対策で持ち歩くにも便利です。

こちらはボトムスもHAVERSACK。こんな感じで展示会で盛り上がっていたのは昨年の7月のこと。ちょっと懐かしいけど入荷したら今一度、大盛り上がり。(1ヶ月前)

こちらはFabriqueのタンクトップをインナーにして前を開けてスタイリング。インナーの裾を軽く折り返して着ています。このくらいの長さのピタッとしたタンクトップやキャミソールがあるととても相性良くコーディネートできると思いますよ。

シルバーアクセサリーと透け感のあるお洋服の組み合わせ、大好きです。

ボトムスはYUIさんの新作のパンツ。かなりワイドなバギーパンツ。さらにタックがあるので少しハカマ感もあって個性的。新品より数回お洗濯した頃が絶対にカッコ良さそうなデザイン。

真横からみるとワイドストレート気味。

ちょっと後ろを見るとこんなことになっています。もともと新品でも柔らかさのある素材ではありますが、深いタックがありますので、そこが洗濯で馴染んできた感じが絶対にかっこいいと思います。迫力と個性のあるYUIさんの新作パンツです。

妻は、「すぐ着たい!」ってなっていましたが、少し勇気もいるのでしょうね。店頭では妻が勧めまくっていることもあり、こういった好みの差が出そうな商品にしては結構な数の発注を出してドキドキしていた割に、1ヶ月で淡々と在庫が少なくなってきて、、通信販売に出さねば、というタイミングでのご紹介です。なんだかわかりやすく焦らせるような言い方で申し訳ありません。

HAVERSACKがいつからあるか?そういえばちゃんと聞いたことがなかったけど、今年52歳になる僕が28歳の時に再就職先の候補にしていて(好きで買っていた)、その何年か前からあったから、もしかしたらもう30年近いのかもしれません。昔は原宿の「とんちゃん通り」の入り口付近の今にも崩れそうな急な木製階段を上がった激狭なお店が直営店としてありました。店内で人がすれ違えないお店で、買う方も売る方も全力で気を使いまくる変な店でしたが、本当にこだわりの強い洋服を作っていたので、BEAMSなどの有名セレクトショップにも当時から入ってはいましたが、僕は直営で購入していました。その後、原宿の崩れそうな木造ビルが残念ながら取り壊しになったのを機に、アトリエのある代官山に引っ越した。そして何の縁か、そのあたりのタイミングで僕が就職したメーカーも代官山。で、、たまに見に行って買っていた。

2007年頃には、僕の働いていたブランドもHAVERSACKもイタリアの有名な商業展に参加するようになり、ブースは3コ隣くらいのご近所でした。当時HAVERSACKはメンズ雑誌に多くとりあげられ、イタリアでもめちゃくちゃかっこいいバイヤーが行列するほど人気でした。デザイナーの乗秀さんはよく取材や撮影を受けて忙しそうにしていた。その頃から信じられないくらい印象の変わらないブランドです。レディースを本格的に始めたのはけっこう後になってからの話ですが、ここ数年のレディースは本当にかっこいい!メンズで長年培ってきた「イズム」をしっかり持ちながら、洗練された女性ファッションに落とし込んでいるものばかり。小手先の器用さではなくて、何年もかけて染み込んでいったそれって、表面的には真似できても「なんか違う」ってなるような個性です。アナベルもそんなスタイルを持つお店を目指して始めました。これからもぜひ注目して欲しいブランドの一つです。

 

 

 

 

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