軽くないからいいと思ったカーディガン
春分の日に向けて、いよいよ気温が春本番な感じですね。そろそろスプリングコートと重ね着を駆使して本格的に冬物から遠のきたくなる季節です。今日は春の中間衣料として、そしてもう少し先の季節の羽織として活躍するカーディガンのご紹介。
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NO CONTROL AIR ドライタッチカーディガン ¥21,450(税込)ホワイト
カットソーのカーディガンは、この素材にとても惹かれました。まず気に入ったのは持った時のある程度のしっかり感と、それに反するしなやかさです。秋冬によく登場する「ダンボールニット」の張りをなくしたような質感です。表がドライタッチで内側は少ししっとりふっくらとした触り心地のコットンです。中糸にナイロンを使った二重編みのジャージ素材は、軽くはない、ちょうどいい感じの重量感なんです。
こんなことを言うと、「とにかく軽い方がいい」と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、重くはないです。それに、カットソーのカーディガンは、薄ければ初夏などから夏の羽織として活躍しますが、中途半端なものはまさにいつ着たらいいかわからないといった状況になりかねません。しかしこれは、春のジャケット代わりになるカーディガンです。
とても鋭角なVネックは、実はVネックではありません。なんとなくわかりやすいように便宜上Vネックと謳っていますが、ボタンを外したら前端はまっすぐで、Vネックになるようなカーブは一切ありません。
ボタンを留めることでまっすぐに近いVネックが出来上がります。前端がまっすぐで打ち合わせがないからこそ、前を開けて羽織った際に軽快に見えるのだと思います。
裾はわずかに前後差があり、刻みスリットが入るデザインです。これは横から見た時に効いてくるデザインです。
表は強撚糸のコットンを使用しドライタッチに仕上げ、裏にはレギュラー糸を使うことでふっくらとした感触を残しています。中糸にナイロンを使用して強度を増した二重編みの素材です。お洗濯後、水を含んだ状態ですと伸びやすいため、セーターと同じような扱いで干していただくと良いと思います。
カラーはどれも扱いやすい三色展開。下から、ホワイト、エクリュ、ブラックです。
ホワイトは完売したALWELのパンツに合わせて。インナーはArtepoveraのロンTeeです。
開けた感じ。今はまだ最低気温が10℃以下なので、朝晩の通勤時間を考えるとこの上に春のコートを着るとちょうど良さそうです。ロンTeeの下にはCLOSELYのコットンシルクテレコの定番の長袖やFabriqueのコットンテレコの長袖が重宝します。
インナーをタックインしただけで少し印象が変わります。インナーのカラーやアイテムを変えてお楽しみください。
横から見るとこの洋服の素敵なボリューム感がわかりやすいかもしれません。ある程度落ち感もある素材なので、着た際に「大きい」という印象は薄いのですが、ゆとりはしっかりある洋服なので、インナーに着る服の幅は広めです。ゆったりしたブラウスを着てもいいし、やや地厚なカットソーも着れちゃいます。今すぐならfreeman-Bのカシミアも似合う。
エクリュはNativeVillageのスカートに合わせて。あんまり合わせることの少ないブランド同士かもしれませんが、インナーのシャツもNO CONTROL AIRを合わせてみました。
今から春本番な端境期にぴったりの色合いで、個人的には大好きなスタイリング。この上に真っ白なコートとか着ていたらとってもおしゃれ。
前を開けると前端がまっすぐ下に落ちるのがこのカーディガンの特徴です。
ブラックはボタンまでブラックで、落ち着いた印象です。ボトムスにはSP(エシュペー)の定番チノを合わせてベージュ×ブラックの大人カラーでスタイリング。今の季節ならまだインナーにゴーシュのコットンカシミアタートルやカシミアを合わせても素敵です。この上からスプリングコート。
今回はインナーに綺麗めな印象のNO CONTROL AIRのシャツを合わせています。
このカーディガンがいいと思った一番の理由は、この素材感です。春のレディースの羽織ですから、軽くてソフトなものが多い中、この感触は「ジャケットの代わりになる」と感じました。だから軽さが売りではありません。でも、今の季節にすぐ着られるものとしてはこのくらいの厚みがあったほうがいい。冬のカシミアとも合わせやすい質感だし、インナーを変化させながらコートと組み合わせることで、室内に入った際にもちょうどいい。春や秋は脱ぎ着が基本になりますから。
NO CONTROL AIRは、パッと見の面白い発想のデザインが目につきますが、実はものすごく使い勝手を検証、研究しているブランドです。しかもデザイナーは男性で、スタッフは大多数が女性。そしてその女性陣の声はすぐ反映されるほど強い。年齢層も20代から40代まで幅広い。社内だけで結構なリサーチが取れる環境です。50歳を目前にした経験豊富なデザイナーが決して自分の殻に閉じこもるわけでなく、若いスタッフの着方や着るもの、興味に関心を持ち、若いスタッフは敬意を払いながら言いたいことが言える。そして奥様が強い。。ように見える。客観的に見ていると、そんな理想的な環境のように見えるけど、実際はどうなんでしょう?気になる方は5月ゴールデンウィークの展示に来てください。DDUD(ディーディーユーディー)の展示をアナベルの3階で開催します。 乞うご期待。