annabelle

快適野蚕シルク

シルクというと中国の「シルクロード」というのがすぐに頭に浮かんでくる。社会の教科書で見た、あの城壁のような立派な貿易の道。シルクロードを通る貿易品のメインは、もちろん「シルク」だった。そして中国から始まったとされる絹織物の歴史は非常に古く、日本では卑弥呼の時代にすでに調度品として登場している。いったい誰がいつ、蚕の繭を糸にして織ることを考えたのか。。蚕というと人の管理のもとに飼育されている昆虫として有名で、当然「野生」は存在しない。しかしごくごく少量で、「野生に近い環境」で管理された蚕が存在しています。「野蚕(やさん)」と呼ばれる蚕です。今日は滅多にお目にかかれない「野蚕」のシャツのご紹介です。

<通信販売はこちら>

muni シルクカディブラウス ¥41,800(税込) maroon

こちらの商品、、本当はannabelleのショッピングページと店頭で顧客登録をされている5000人のお客様に購入して体験して欲しいという願望はあるのですが、税抜で38,000円のシャツというと高価なもので、なおかつ家庭洗濯ができないシルクのブラウスですので、願望とは裏腹に弱気のオーダーしかできていないブラウスです。

素材は冒頭に申し上げた「野蚕」のシルクの糸を用いた、しかも手紬、手織(カディ)のシルクです。野蚕とは、通常は屋内の小さな箱の中で管理、飼育される蚕をあえて森の中に放ち、人が監視しながら野生に近い環境で糸を収穫するという方法で得られる希少なシルクです。外で飼育されるということは、自然災害にも晒され、日々外敵から狙われながらも生き残った蚕だけが収穫の対象となるため、安定供給は全く叶わないのが現状です。また野蚕ならではの自然な光沢感とムラ糸の味わいが絶妙な織物に仕上がっています。

デザインはシンプルで女性らしいドロップショルダーの筒袖のブラウスです。

ネックと同じく共布の切り替えでレールステッチを施した袖口にはボタンも何もないのが特徴です。

ムラ糸のカディ(手紬・手織)ですから所々に糸の太さが違うことから生じるムラ感や糸を途中で結び繋げることで生じるネップのような継ぎ目のある何とも言えない素朴な素材感です。

素朴な素材感にビビットなピンクの糸が際立つネーム付けの糸色。

お色はmaroonとblackの2色展開でのご紹介です。

着用すると、まず驚くのは「軽さ」でしょう。まさに着ている感触がないような軽さです。

そしてシルクのメリットは季節を問わず活躍するということでしょう。今回のブラウスは特に、高級素材を使用しながらもカジュアルで着丈の短いデザインに仕立てられていることもあり、少し贅沢な日常のブラウスとして着てほしい一着です。この暑さでも着ていただけるブラウスで、今からシャツ一枚で過ごすことの多い10月の中旬あたりまで、そして上からパーカーやブルゾンを羽織り始めてウールやカシミア、ヤクなどのカーディガンを羽織始める11月下旬。さらにその上からコートを着る12月。そんなふうに考えると、インナーがシャツでは寒くて耐えられない1月、2月以外は着用できるということになる。あとは着る人のアイデア次第。

シャツテールで前後差があるように見えますが、置いてみると洋服としては前後差をつけていないデザインです。

着用する人の体型や着方によって、ある程度の前後差が出るブラウスです。

ブラックは素材変更をしてますますお薦めしたくなったSP(エシュペー)のチノパンに合わせて。

個人的には、シンプルなデニムやチノパンなどに気負わずにサラリと着て欲しいブラウスです。家庭洗濯ができないのが残念に思われるかもしれませんが、この素材のケバのない光沢感や色合いを保ちながら、着過ぎず長く愛用するにはむしろ好都合かもしれません。週に1回くらいのペースで3回くらい着たらクリーニングするようなペースでいかがでしょう。

シルクの良いところが際立って凝縮した一着です。今回のmuniさんのシルクはインド中央部で高級なドレスを仕立てるために織り上げられたシルクの中から選んだ素材です。シルクは吸湿性能に優れているため、ジメジメした夏には最適で、また素材自体に湿性があるため、乾燥した冬場に着ても静電気を纏いにくい素材です。またそうした適度な快適空間を閉じ込める機能もあるため、年間快適素材と言われるのかもしれません。もう少し春夏のエアリーなスタイルを秋らしく継続したい方にぴったりな一着ではないでしょうか。

 

Other blog

  • 2024.09.14starmore
  • 2024.09.13ちょっとした昔話more
  • 2024.09.12注目株more
  • 2024.09.10ちょっと真面目に考えてみた。more
  • 2024.09.07ASEEDONCLÖUD 2024AW -sankayo…more
  • 2024.09.05どう穿こうかを楽しもうmore