annabelle

こだわりの横姿

susuri デザイナー斎藤さんに初めて会ったのは、

2014年の初夏だったと記憶している。

展示会でお会いしたわけではないので、少し記憶が曖昧だが、

第一印象は、「とても偏った人」というものでした。

もちろん、いい意味で。

当時のコレクションも同時に拝見して、

その洋服たちから、「私はこれが好きである」というのが、

端的に現れていて、わかりやすく、偏りがあった。

それから4年の月日が流れ、デザインにいい具合の丸みを帯び、

もともとあったこだわりは、より濃いテーマ性へと反映され、

偏りはありながらも、おしゃれな日常着としての普遍性を感じさせる。

このドナーワンピースが登場した時のコレクションが、

その変化を如実に表し始めた時だったのかもしれません。

susuri

ドナーワンピース

バーガンディー ¥35,000+tax

※ガーターブルーは完売しました。

ドナーブラウスと同じく、双糸のタイプライタークロスは、

susuriさんのオリジナルカラー。

シャカシャカとした感触の中に、通常のシャツ地の

タイプライタークロスとは異なる滑らかさがある。

写真で見えるシワも織り上げるときに生じる、

この素材の特徴の一つで、アイロンをかけても消えません。

カーブの付いた立体的なVネックは、

前端に至るまでの小さな曲線も含めて、

見ていてとても心地いい。

ドロップショルダーからそのまま、山を付けずに

おろした袖は、着てみると思ったよりも膨らんでいる。

よく見ると、肘のあたりを大きく膨らませている。

着た時に特徴が現れる袖のデザインです。

袖口は、susuri 齋藤さんが大好きなシャツの仕様。

最近は、ワンピースの印象が強いsusuriですが、

初めて見たコレクションは、やたらとシャツがあったのを

記憶しています。

そして、susuriが生み出した今はなき名作、

ドロシーコートの特徴を引き継いだ、ドナーワンピース。

隠れループが存在し、片側だけを絞ることが可能です。

写真で見ていただくよりも、自分で着て、

実際にやっていただいたほうが、この面白さが理解できる。

裾にはsusuriさんのアイコンの一つである小さな刻みが。

これ以外にもたくさんのデザインで採用しているディテールです。

後ろで軽く垂らしながら結わく。

前から見ると、とてもシンプルな印象です。

袖の立体感が際立ちます。

着丈もしっかりとあって、透け感もなく、

年間通して着るシャツワンピースとしては、

この上ない仕上がりです。

そしてsusuriさんこだわりの横姿。

サイドは切り替え、厚みを出すことで、

立体感を出しています。

どの角度から見てもペタンとした印象を受けないように、

まるで彫刻を掘り進めるかのように、イメージを

膨らませるのでしょう。

隠しループを活用し、片側を結わきます。

デザインの手法として、susuriさんが好きだというのが、

「切り替え」と「アシンメトリー」。

様々なモデルに多用していますが、このワンピースは

片側を着た人が結わくことで、アシンメトリーが出現します。

後ろに結わいていた、ゆったりした印象とは

明らかに変化がうかがえます。

こちらのお色は完売していますが、着方の参考に。

こちらはパンツスタイルに着ています。

コートっぽい雰囲気です。

下のほうの釦をはずして、羽織物のように着てもいい。

デザインそのものに、丸みを帯び、

こだわりの横姿には、素敵な立体感を感じます。

寒暖差のある季節の変わり目には、

とりわけ活躍することでしょう。

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