余白~2018
いろいろと見れば見るほど、
目も肥えてくるのですが、逆に思い込みも強くなり、
見過ごすことも増える気がしています。
すくい取るようなバイイングをするためには、
そこに対する気づきが必要なのでしょう。
昨年の秋冬のバイイングをしている際、
それを感じさせられた商品を今年もご紹介しています。
yourwear(ユアウェアー)
展示会の際に、初見ではまったく
反応できなかったのですが、
yourwear の佐藤さんに勧められて、
巻いてみて、、「あれ?」って驚いたのを
記憶しています。
決して派手さはないのですが、かかっていたのを
見ていた時と、全く違う印象でした。
身に着けたほうが生えるストールでした。
そして素材も素晴らしい。
羊毛が中心で、アルパカとキャメル(ラクダ)も
入っていますから、ふっくらと滑らかな感触です。
しかも、贅沢に全体に二重になっていて、
縁をかがるようにデザインしています。
長さもボリュームもおとなしい感じですが、
二重になっていることもあり、首元でまとめるように
巻いてみると、意外にも分量感はございます。
ちょうどいいボリューム感で、
扱いやすいサイズかと思います。
大きく一回りさせて巻いても、
余り過ぎることのない長さ。
無地で落ち着いた色合いの多い冬のコートに、
そっと寄り添って、少し華を添えるような感覚の巻物。
自身でも yourwear のストールを使う中で感じていた、
「伝えづらい魅力」は何なのか?
それは、yourwear さんのホームページに書かれた
コンセプトの一文の中に集約されている気がしたのです。
<以下はyourwear ホームページの言葉>
yourwear は、秋冬のためのニットブランドです。
私の生まれ育った北東北は、一年の約半分、
吐く息が凍ってしまうような
寒さと、薄いグレーの空に覆われる冬の季節です。
窓の外、ただただ降る雪を眺め、ストーブにぴったりと
寄り添って静かに過ごす時間の永いこと。。。
春の雪解けや、初夏の芽吹きを待ちこがれながら、
寒さの中でカシミアのセーターやハンドニットの
柔らかなぬくもりに包まれる冬の生活も、
楽しく、美しく、豊かなものです。
yourwearは、「あなたの衣服」という意味。
着る人、使う人の個性を描ける、シンプルで余白のあるデザイン。
そんなニットで、温かな冬を過ごせたら、と思っています。
以上yourwear ホームページより
この最後の2行、「シンプルで余白のあるデザイン」。
ここに、佐藤さんの作るニットデザインの魅力が
集約されているように感じました。
言葉では簡単に書けますが、実際にシンプルでいて、
使う人の個性を際立たせ、寄り添うように余白を
持たせたデザインというのは、とっても難しいと思います。
しかし、使う人の笑顔や、寒さをしのぐ人の様子を
想像しながら、丁寧に丁寧にデザインし、製作する。
これは雪国に生まれ育ち、その厳しさと美しさの
両側面を知っている佐藤さんだからこそのモノつくり
であるようにも感じます。
今年もこちらの商品とともに、定番のアルパカストールも
新色を引っ提げて入荷しています。
あわせてぜひ、ご覧ください。