退色観
2020SSのSUSURIさんのコレクションテーマ「cross the line」には、
今までの彼らが持っていた尺度や世界を飛び出してみようとする
冒険心が感じられました。きっとこのテーマにはいろいろな意味合いが
あったのだと思います。
今まで、彼らが旅を続けてきたヨーロッパの国々の文化や景色から、
SUSURIの作り出すものの背景には、やはりその国々の空気感を纏うものが
多いように感じていました。今回のテーマを「cross the line」とし、中国の文化に
目を向けることで、新しい何かをつかみ取ろうとしたのかもしれません。
そのような目で見た時に、この花柄がわたしはとても気に入りました。
SUSURI
helmit shirts flower print
white ¥39,000+tax
軽やかでいて、しっかり感もあるコットンリネン素材は、
上質なヴィンテージのようなタッチです。
一見、今までのSUSURIさんのコレクションにも登場してきた、
南仏プロヴァンス地方を連想させる花柄モチーフのようにも
見て取れますが、花の色合いや着た時のインパクトの強さ、
そして今回のテーマ性も手伝って、アジアの骨董に見られる
陶磁器の花柄模様にも感じられてとても新鮮に映りました。
まん丸の包みボタンは、コットンシルク素材の無地を用いたもの。
バンドカラーやカフスも同様の素材で切り替えています。
肩は通常のヨークではなく、変わったデザインになっています。
あて布のようなデザインは、切り替えが好きなデザイナーの
癖のようなものでしょうか。とても好印象です。
裾のラウンドも、ミリ単位のこだわりを感じるカーブです。
black
こちらの色合いがあってなお、
アジアの要素を強く感じられたのでしょう。
黒とハレーションを起こすことなく、馴染み、
穏やかに映るブルーは、陶磁器に手で描かれる花のような
柔らかい質感が感じられます。
それは手な染(ハンドシルクスクリーン)ならではの柔らかさです。
一見、色数が多いようには感じませんが、同系色のグラデーションを
表現することでこの柔らかな質感は実現しています。
機械プリントでは出ない昔ながらな製法でこその表現です。
ヘルミットシャツは、前シーズンに登場したデザインを
そのままに、素材を変えて登場しています。
サイズ感が少し特殊で、メンズでも着られるサイズを
ワンサイズで提案するデザインです。
袖丈なども長いのですが、カフスで留まりますので、
着用感に全く問題はございません。
そして不思議なことに、男性である私が着ても、妻が着ても、
さほど大きく印象が変わらないデザインです。
そのバランスを探ったとはおっしゃっていましたが、
本当にどちらが着ても違和感のないバランスだと思います。
前開きですので、少し裾を開け気味にしてみたりと、
合わせるお洋服に応じて楽しんでみてはいかがでしょう。
スカートに合わせてもいいでしょう。
NO CONTROL AIRの裾ゴムパンツで合わせて。
ブラックの中にチラチラと混ざり合う白の存在がとても
効いていて、着てみるとまったく黒の重さは感じません。
むしろ涼しげにさえ感じます。
ファッションではトレンド性の強い柄物ですが、
出来れば10年後も「褪せた感じがいいでしょ?」って
言えるものだけをセレクトしていきたいと思っています。
10代からたくさんの柄物を手放してきたわれわれが全員で見て、
これはと思えるものだけを選んでいるつもりです。
柄物にはそのくらいシビアでちょうどいいとも思えるのです。
永く着続ける浴衣のような感覚で登場するシャツになればと願います。
<お知らせ>
たくさんのお問い合わせをいただきまして、ありがとうございます。
今年もHonnete姉妹伴の季節です。
Gather onepiece
Gather blouse
crewneck TEE
crewneck onepiece
Vneck shirtscardy
annabelleでは、上記の商品を展開しております。
5月18日(月)から撮影が終わった順に通信販売をスタートいたします。
店頭には本日よりご覧いただいております。
素敵な夏を想像して、お選びいただけますと幸いです。