原始的な服
「巾着?」と思って吊るしてあるサンプルをくるくる回して見ていると、
心の声が漏れたのか、、「あ、それ巾着です。」というデザイナーの
返答があった。
ARTEPOVERA
巾着キュロット ¥14,000+tax
black、grey
シャカシャカという音を立てるタイプライタークロスは、しっかりしていて
ソフトです。透け感もありませんので、一枚で涼しく夏場も活躍します。
コットンで張感もありますので9月、10月の秋口にも十分に履いていただけます。
grey
ややカーキがかったグレーです。
巾着というだけに、ウェスト部分はまったく巾着そのものです。
ウェストを全部広げるとこのように。
ゴムも入っていない、まさに巾着の仕様です。
ウェストの両脇にはこのように、巾着と同じ共布のひもが。
両端のひもを引っ張ると、簡単にウェストを絞ることができる。
収まりの良いところで、ループにひもを通して結ぶだけ。
black、greyの2色展開です。
裾部分は、切りっぱなしでステッチがかかっています。
グレーは、FIRMUMのトルファンコットン8分袖に合わせて。
ボリュームのあるキュロットパンツですが、収まりはよく、
足さばきも良い。そして生地がソフトな張感のタイプライターですので、
履いてみると、見た目ほどのボリュームは感じません。
丈も長すぎず、扱いやすい長さです。
デザイン的には、長く彼らが作り続けてきたウェストゴムの
ギャザーキュロットを思わせる、非常にシンプルなもの。
シンプルで、より原始的になった感覚に惹かれました。
袋の中に自分が入って、、自分で蓋を閉める感覚です。
要所要所にあしらわれた、丈夫そうな閂(かんぬき)縫いも
「丈夫な袋」という印象で面白いし、彼ららしい。
そして、畳むとTシャツのように小さくたためるので、
持ち運びにもとても便利です。
そしてこちらが生地違い。
コットンガーゼのストライプです。
色はこちらの一色展開で扱っています。
FIRMUMのトルファンコットンタンクトップを合わせて。
こちらの素材も涼しく夏中履いていただけます。
もちろん、9月、10月の秋口にも。
ポケットは脇に通常通りございます。
スマートフォンでロケットが飛ぶとまで言われるこの時代に、
ファッションはほとんど大きな変化を見せずに半世紀以上が過ぎました。
ジーンズはジーンズですし、スカートはスカートです。
眼鏡や傘もそのようです。
人が身近で扱うものや身に着けるものは、少しずつの変化を楽しむのが
心地よいのだと思います。数百年単位で見てみると、変化は確実に
しているわけですから。わずかなバランスの変化やスタイリングの
新しさを提案できるようにしなければと思います。
こんなにも原始的な洋服を前に、そんなことを考えました。