annabelle

背守のコート

ASEEDONCLOUDから、また素敵な物語が届いています。

<workerpermit 22 ”moguragumi”>

おばあさん達が 青春を取り戻して楽しんでいる最中
おじいさん達は ひたすら炭鉱作業に没頭していました

しかし 彼らは炭鉱作業ではなく とても素敵なことをしていたのです。

ある日 仲間の一人が亡くなり
仲間を埋葬するため 墓場を掘っていた時に
炭鉱夫の街に 1つの命が誕生しました

その子は女の子でしたが
彼らはその子が仲間の生まれ変わりだと思い
仕事場へ連れていき 男の子のように 大事に大事に育てました

彼女が少し大きくなった頃
炭鉱作業中にたまたま墓場を掘り起こしました
その中にあったボロボロになった遺品を見て 彼女は悲しみました

それを見た炭鉱夫たちは 遺品を綺麗にもとの姿に戻してあげました

すると彼女は喜び「とても素敵なことだ」と炭鉱夫たちを褒め讃えました

それからというもの 彼らは地下で遺品を基に戻す作業に没頭しているのです

………………………………………………………………………………

自身のコレクションを説明するときのデザイナー玉井さんは、

子供の頃に自身で描いた、「くもにのったたね」というタイトルの

絵本に登場する主人公のような、少年を感じさせる話しぶりです。

とても気に入ったツイードの商品から、今日は一重のコートを

ご紹介します。

ASEEDONCLOUD

knocker coat ¥59,000+tax

moss
素材だけで、心をつかまれるコートでした。
こちらは一重の軽いコートで、ロングジャケットの様な
ロングカーディガンの様な感覚で着ていただきたい。
同素材でもう一つ、本格的なトレンチコートもありましたので、
そちらも後日、ご紹介いたします。

brown

ツイードと言えば、、という2色ではないでしょうか。
mossのほうは、グレイッシュなモスグリーンで、
マーガレットハウエルのロンドンに所属していたという
玉井さんのプロフィールからも想像できる素敵なカラーです。

ラグランスリーブのノーカラーは、コートのライナーを

イメージしてデザインしたそうです。
軽くて、中にも着れて、アウターにもなる。

背面のベルト切り替え位置がかなり低く、

これが着てみると特徴的で、とても可愛らしいのです。

切り替えの下はインボックスプリーツに。

GASA*のカットソーワンピースの上から着ています。

後ろ姿、素敵なんです。

ASEEDONCLOUDのお洋服は、どれをとっても端正で美しい。

インナーに着たGASA*とは対照的なイメージを持たれるかもしれませんが、
アナベルでは、抑揚があっていい組み合わせだなって、感じています。

一重でもWOOL100%のツイードですから、

巻物も使ったら、かなり温かい。

たしかに、着てみてもその姿はコートなのか、

ロングジャケットなのか、それともカーディガンなのか。
上からオーバーコートを着てもらいました。

たしかに、、すごく性能の高いライナーみたい。

ARTEPOVERAの中綿一つ釦コートです。
ガウンのようなデザインのコートは、ゆったりとして
重ね着を自由に楽しんでいただける軽いコートです。

brownはふんわりパンツに合わせて。

Silkの花柄の三層キルティングシャツに重ねて。

軽量なスタイリングですが、温かい。

胸元からチラリとのぞく花柄が素敵です。

ストールを巻いてもチラリ。

この花柄のシャツをインナーに合わせようと思ったのは、
実はコートの見えない部分にこの刺繍があったから。

衿裏の見えないところに施された花の刺繍は、

命がけの炭鉱夫に、家族が添えたお守りだそうです。
和服にある「家紋」は家柄を表すと同時に、
着た人を守る魔よけとしての役割も兼ねており、
それを「背守(せもり)」というそうです。
今回のこちらの刺繍は、そこからインスピレーションを受け、
着た時に見えない部分にお守りのように施したと。
炭鉱の屈強な男が見える部分にお花の刺繍があるのを
嫌がったからかな?
そんな想像もしてしまいます。

亡くなった仲間の炭鉱夫の生まれ変わりとして、

街のみんなに可愛がられ、男の子のように育てられた女の子を
総柄の花のブラウスに見立て、背守のある花の刺繍の
コートを羽織らせて見守ることに致しました。
見守るのって、難しいんですけどね。
つい口出しちゃって。

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