ついニヤけてしまう春の服
2月あたりから本格的に次の秋冬の展示会が始まっているため、あちこち回っておりますが、なんとなく自分の気分はまとまりがついてきたように思います。人様に的確にお伝えできるようなレベルではありませんが、ぼんやりと。
その中で、具体的に秋冬も継続してお薦めしたいと思っているのがカシュクールデザインやダブルブレストです。ワンピースや薄手の羽織ではよく見かけますが、秋冬の展示会を見ていて気になったのが地厚なカシュクール。つまりそれはもうワンピースの顔をしたコートです。昨日に続き、GASA*から鮮烈なカシュクールです。
GASA* “導かれた場所” カシュクール羽織ワンピース ¥81,400(税込)
腰のある綿麻のアンティークのような素材に施したのは、日本に古来からある染色技術、「注染(チュウセン)」によるものです。染ムラや滲みがしっかりと表現できる技法として有名で、昔から日本手ぬぐいや浴衣を染めるのに使われている染色技法です。
一般的には浴衣や手ぬぐいに見られる柄物(水玉柄や花柄など)が有名ですが、今回のGASA*の商品は染色の特色である滲みやムラ感を生かしたアートのような布地を完成させています。
染色は手作業となりますので、同じ染め上がりはないのですが、それがまたGASA*らしい逸品です。どこか靄のかかった混沌とした気分を強烈に表現してくれているようで、しかも色がピンクとパープル。神秘的。この時代に対して前向きになれそう。
デザインは今までからするとややスッキリした印象のトップスです。生地がしかりしていますので、前を開けて羽織でコートのような感覚で着て欲しい。桜と共に。
インナーはできるだけシンプルがいい。今はTシャツがなかったのでブラウスを。主役はコートとあなたです。
ドロップショルダーにややハイウェストな切り替え。スラリとかっこいい。
GASA*の洋服はかっこいい。レース使いなんかが印象的なのでフェミニンな印象を持たれている方も多いのかもしれませんが、全体としてはかっこいい。ふんわりさせ過ぎずに華奢に見えるデザインのトップスが素敵。
コートを前開きで着たり寒いから閉じたりするような着方と思えば良いのでしょう。冬にもこんなコートが欲しい気分です。
ウェストの2タックで凹凸を少し出して、程よいアクセントに。
いつもお話ししているように、気分をあげて前を向くためにあるのがファッションです。朝から買ったばかりのお気に入りの洋服を最高のコーディネートで纏った時のテンションはいいに決まっています。洋服はそんな人の気分に寄り添う存在です。ファストファッションだって気分が上がるならそれでいいんです。ノールール。気分が上がったり、欲しくて欲しくてたまらない、そんな物欲が沸いている時点で楽しいものですから。このワンピースをはじめとする注染のシリーズを見た時、とてもスカッとした気分でした。ちょっとにやけてたかも。皆さんもついニヤけてしまう春の服、探してみてください。