モモからのモフモフ
2022AWのGASA*のコレクションは、ドイツの児童文学絵本、
ミヒャエル・エンデの「MOMO」からインスピレーションを得た
内容となっています。
世界的な高度経済成長期の最中に刊行されたこの作品は、忙しさの中で
人々が忘れてゆく人生にとって本当に大切なものを見失わないよう、
ファンタジーを交えて教えてくれている。
今の時代にも通づる普遍的な哲学を感じ得る作品からインスピレーションを
得てGASA*が作り出したコレクションは、どこかスウィートで華やかで、
ハッピーな色合いのコレクションのように見受けました。
GASA*
これからくる時 羽織ワンピース
ビスケット×ブルー ¥94,600(税込)
僕の中では今シーズン最も印象深いシリーズでした。
おそらくGASA*でしか出会えない素材、デザイン、色合いではないかと
感じています。
ヴィンテージの刺繍リボンテープのようなジャカード織とカットジャカードの
ミックスで、所々が二重になったお洋服は、どこを触ってもモフモフとした
幸せで可愛らしいタッチが心地のいい素材です。
デザインはボタンで前が開きますので、羽織としてもいますぐに活躍します。
カットジャカードとは、本来ジャカード織の裏側にあたる糸が行き渡った
部分をカットすることで、このようなモフモフを表現している生地のこと。
ここまで大胆で全身にさまざまなカットジャカードを駆使したお洋服は
見たことがありませんでした。
モフモフの裏側はこのように綺麗なジャカード織になっています。
民族模様の大きな柄全体がカットジャカードとしてモフモフしているわけですね。
さらに凝ったことに、袖がニットになっています。
これにより着る季節は限定的になるかもしれませんが、
秋冬シーズン限定でクローゼットから出すときのテンションは
かなりのものでしょう。それにこのデザインは、袖がニットで
スッキリしているのがバランスもかっこいいと思います。
高い位置についたポケットの中は、もちろんモフモフでしています。
何度も手を入れ直してみたくなることでしょう。
帯ひもに付いたインドのシャラシャラタッセルが極め付け。
この洋服にものすごくよく似合います。
背面はポンポンの嵐。
ほら、かわいい。
猫が飛びつきそうな後ろ姿。
秋の序盤は薄手のコートやワンピースとして、天候に合わせてインナーを
変えてお楽しみください。
GASA*の洋服はやっぱり素敵です。
アナベルの中でも最も高額なブランドになりますが、
吟味して手に入れたときの高揚感や満足度はとにかく高い。
妻のクローゼットを見てもGASA*の洋服が目立ちますが、
何年も前のものを相当な頻度で今も着ています。
スカートやパンツ、ワンピースに合わせて羽織として前を開けて着るのもいい。
着方って、色々と思いつくけど意外にその時のお気に入りの着方を
連発してしまいます。でもそれでいいと思います。
飽きるとしばらく着なかったりするんだけど、たまたま新しく買ってきた
洋服と意外な組み合わせを発見して、また着始めたり。
なんだかんだで長い間クローゼットに居続ける洋服が普遍的ってことだろう。
さて、同じシリーズでもう一つ。
こちらは袖がバルーンのモフモフです。
GASA*
これからくる時 ノーカラーロングシャツ
ビスケット×ブルー ¥74,800(税込)
素材は先の羽織ワンピースと同様ですが、コットンウール素材が
2種類使われています。
見頃にはシャープなタックと可愛らしいポンポンが並びます。
袖口はずっと触りたくなるモフモフのカットジャカード。
裏面は先程の解説の通り、本来表面の綺麗なジャカード柄です。
GASA*のモフモフシリーズは、きっと最高の気分で1日を過ごすことが
できるお洋服です。GASA*ってちょっとお高いけど、そういう服ばかり。
気がつくとクローゼットに増えているお洋服です。
仕方ありません。
こんなにテンションの上がる服、そうそう出会えませんから。