ゼイニィサロペット
人って気分の変化の中で生きています。ちょっとした一言で気分が揺れ動いたり、先日のマルクトスコレーさんの出張販売で買ったお皿一枚で、本当にここ数日浮かれている。個人的にコーヒーピッチャーが一番浮かれるかと思っていたが、今時点で自分の中で一番浮かれて何回も使っちゃうのはわかる人にはわかるあのお皿だった。洋服もそうだと思います。僕なんかはけっこう似たような洋服を着まくるタイプで、パッと見の違いがよくわからないけど、最近はいつものメンバーにHAVERSACKのやや太ボーダーのカリッとした懐かしい感触のトレーナーを入れただけでちょっと浮かれている。そういうちょっとした変化を楽しむことをコンセプトにしたブランドがSUSURIです。今日は展示会場で一目惚れしたサロペットのご紹介。

SUSURI ゼイニィサロペット ¥82,500(税込)ベージュ
高級ですよね。。気に入っても諦めるパターンもある価格ですが、これは諦めきれなかったサロペットです。この柄の図案もとっても素敵で、まず目に飛び込んできたのはプリント柄なのですが、実は最終的にバイイングを決定付けたのは、僕の中では生地そのものでした。

ベースになっている生地は、静岡でオリジナルで織り上げた綾織の生地だそうです。けっこうしっかりした密度はあり、滑らかな良い綾織です。そして心から良いと思えたのは生地をある程度束ねて触った時のどこかフカっとした感触です。すごく不思議ですが、ドライタッチでしっかりした感じがする一方で、フカっとした感触もある。ベースの生地を織り上げて、この良い感じのベージュ色に染めるまでは静岡で、その後のハンドシルクスクリーンは京都でプリントしています。厳密に何色かは聞いていないのですが、僕が見た感じで6色(6版)は使っています。

また今季のSUSURIさんのコレクションイメージは「ピノッキオ」の原作に忠実な物語だそうです。なるほど純粋な気持ちを持ったピノキオが人間に憧れて、でも現実の自分と対峙しながら、いっぱい失敗を繰り返して成長していく、子供の頃見ていた印象では少し残酷にも思えたあの物語。まさに人の日々の心移りや成長を旅するような物語です。SUSURIさんのブランドコンセプトともかぶる印象です。この柄はどこかノスタルジックで、ピノキオの物語にある時代背景と重なるような印象も感じます。

フロントは長い比翼仕立てのボタンです。

前後ろ一周にわたるタックがすごい。ギャザーとは全く異質な分量感です。

肩紐はループに共布のベルト紐を通して結くだけというシンプル構造。かなり幅広い身長の方をワンサイズでカバーします。

もう一つの大きな特徴はこの裾のゴムシャーリング。このデザインにもやられました。柄物だと他は引き算してみたくなるところですが、この足し算は最高です。

どの辺りで着用するかは好みです。個々の体型や好きな着方を考慮して、結いて長さを決めてください。撮影で裾が擦らないように穿いていたこともあり、ちょっと上目で穿いてもらっていますが、これはこれで素敵ですし、ちょっと下げても良い感じでした。本当に好みの加減で着てください。

生地が気に入った話を先ほどしましたが、気になるのはどのくらいの季節で着用するか?というところです。あまりにも季節が限定的な素材ですと、それこそ贅沢すぎるし登場回数が少ないのも寂しいので、このくらいの生地がとっても嬉しいところです。色合いや柄的にも秋口に着ていても絶対に素敵だし、薄手のカシミアなんかと合わせて秋物を羽織っても間違いなくかわいい。ダイイングに至った理由の一つは着用期間の長い生地感です。

ぼくはやっぱり男性だから、どこか洋服の着方も男性的で、自分の収まりの良いあたりでくるくると足し引きしている感じですが、奈々さんは違います。毎日「今日は何着るか?」で格闘しています。それを見ながら、、「なんで買う時にもっと考えないんだろう(笑)」とほくそ笑んでいるわけです。本当に大丈夫か?というくらい白と黒ばっかり。買うたびに好きな色を選んで入るのでしょうが、クローゼットにこんなにも色がない人も珍しいのではないでしょうか。ベージュベースではありますが、モノトーンベースの人にもお勧めしたい柄物です。