シャツが好き
展示会で洋服を見る時、どうしても「シャツ」を見てしまいます。レディースでは「ブラウス」のほうが多く流通していますので、メンズ仕立ての「シャツ」を意識して作っているデザイナーは少ないのですが、やっぱりシャツが好きなので、あんまり売れなくても(ブラウスの方が売れます。。笑)しつこくバイイングし続けたいと思うところです。
annabelleのセレクトブランドの中でも、際立って良いシャツを作るブランドだな、、と思っているブランドが3つあります。一つは先日ブログでもご紹介した「SP(エシュペー)」。もう一つは「HandWerker」。そして「ゴーシュ」です。どれもそれぞれに違った雰囲気を持っていますし、それ以外にも素敵なシャツを作るブランドは勿論あるんですが、僕の好みも含めて選んだ3つです。
SP(エシュペー)に関しては、素材への探究心とその仕上がり、そして縫製への高い熱量が商品全般に感じます。とりわけ「シャツ」となると縫製の工程が多かったり、洋服としての見せ場が多いこともあって、そのSPの良さが際立つという意味で選んだ好きなシャツです。このモデルに関してはとにかくメンズが欲しいという個人的欲求にも関係しています。
よかったらブログも見直してみてください。
2つ目はHandWerker(ハンドベイカー)です。ASEEDONCLOUDが別コンセプトで運営しているブランドですが、ワークウェアに注目してデザインをしているため、全般にワーク感が強いユニセックス展開のブランドです。そして3つの中で最も基本に忠実なオーセンティックな雰囲気を持つシャツだと思います。僕はこのデザインのシャツだけで5枚ほど愛用しています。
デザイナーの玉井さんは、高校時代をドイツで過ごし、その後洋服のデザイナー学校のために英国へ移り、マーガレットハウエルのアシスタントとしてデザイナーのキャリアをスタートしています。なんか、、その話を聞いてすごく腑に落ちたシャツでした。マーガレットハウエルはトップデザイナーの中でも際立ってシャツに対するこだわりが強くて有名なデザイナーです。かといって、華のある印象的なシャツを作るタイプではなく、とても高い技術で丁寧にシンプルなシャツを作るタイプです。このHandWerkerのシャツにもそのような印象を抱きました。
最後にゴーシュです。ゴーシュのシャツに関してはアナベルオープン以来ずっと、「もういいよ」と言われそうなくらいおすすめしているので、今更になるのかもしれませんが、本当におすすめです。素材感、着心地、縫製レベル、雰囲気、見た目はとてもシンプルなのに着た時にはブランドのらしさが強くしっかり出る。ここ最近は「カツラギワイドパンツ」やアナベルでは「夏の天竺Tシャツシリーズ」で手にした方も多いブランドだと思います。
ブランドはフルラインナップで、ニットもカットソーも布帛あり、ワンピースやスカート、パンツ、コートなどさまざまなアイテムがあるのですが、僕はシャツを体感してもらいたいなといつも思っています。デザイナーはご夫婦で、珍しいことに二人ともパターンナー出身です。ごくたまに、、ご主人の方がどうしても欲しい!と思ったデザインにおいてメンズを製作することがあり、そんな時は僕にも連絡がきます。そしてオーダーします。そんなかたちで手に入れた通常はないメンズのゴーシュをシャツで3着持っています。10年も前に買ったものですが、この前も着ていました。そして快適。
今日はアナベルのセレクトの中で、特に自分が気に入っているシャツを作るブランドをご紹介しました。これ以外でも、例えばSUSURIさんのシャツも気に入っていて、5〜6着は愛用しています。SUSURIの斎藤さんは自他ともに認める「シャツ好き」で、デザインの節々にその片鱗が散りばめられているように感じます。ただ、よりデザイン性が強いこともあって、「シャツ」という印象が薄れたデザインが目立つので、入れませんでした。
シャツってメンズ服では「肌着」のような感覚なので、体にフィットしてストレスがなく、そのための縫製仕様なんかもいろいろあって、見ていてちょっと楽しいんです。この上にジャケットを着たりカーディガンを着たり、セーターを着たりする。肌着だと考えるとなんとなくこの上にすぐコートを着る気にはならないし、シャツの下にTシャツを着る気にもならない。自分が洋服を着る際のベースになる洋服がシャツなんです。だから枚数もどんどん増える。皆さんもちょっとシャツを見直してみてください。そしてブラウスとシャツを切り離して見てみてください。ちょっと面白いですよ。