水面のような清涼感
先日、久しぶりに渋谷の一部地域をぐるりと歩き回りました。10代の頃からウロウロしていた地域は、長い年月を経て景色が変わる中、僕が子供の頃から在り続ける店もあり、思わず久しぶりに入店してみると未だに欲しいものがいくつも目に入る。。そしてスタッフの方の接客もアツい。びしびしと「好き」が伝わってくる。セレクトしているブランドは昔と変わらない部分も残しながら、新しいブランドが大半なはずなのに、店内に漂う空気は昔と相違ない。しみじみと、「こんなセレクトをしていきたな」と思えるもので、「普遍性」や「らしさ」の大切さをあらためて感じました。今日は先日からご紹介をしている普遍性もらしさもある「khadi&co」のシャツジャケットです。
khadi&co WIND ¥52,800(税込)
ただ、シャツとも言いたくない。しかしジャケット言うほどシャツから離れてもいない。いわゆるシャツジャケットを在りそうでない感じに仕上げた最高に曖昧で素敵な洋服がこちらです。好みがはっきりしそうで、僕らみたいな洋服が好きで好きで仕方のない人に気に入ってもらえそうな雰囲気を纏っている洋服です。
スタンドカラーは小さめで、まさに立ち上がるように存在感を醸す襟になっています。縫製が美しいのは言うまでもない。
フロントにはワークシャツかのようなメンズシャツのようなシャツポケットが両側に付いている。しかもボタンはジャケットサイズ。
素敵なのはデザインだけでなく、この生地。コットンシルク(C70%/Si30%)の基布にハンドブロックプリントでチェック柄を描いている。こちらはベージュベースに縦がホワイト、横がライトブルー。サイドの切り替えのように見えるダーツも特徴的で、自然な雰囲気で絶妙にシェイプされた身頃が魅力的です。
その身頃に対して少し太めにストレートシルエットについた袖がまた存在感抜群です。袖口付近は細ボーダーに。
裾は折り返して、裏側にボーダー部分がくるようなデザイン。
もう一色がこちら。ホワイトベースに先ほどと同じ配色のプリントを施しています。
水面のようにみずみずしい透け感と光沢感のある2色展開です。
こちらがベージュ。自然光で白に合わせているのでちょっと眩しい感じに写っています。
一番下のボタンはシャツにしては高めで、ここはジャケットみたい。袖付けもキセがきいてジャケットのよう。手の甲までくる袖口もジャケットの雰囲気ですね。
こちらのシャツジャケットはサイズSなのですが、身長155cmの妻に少し大きいかな?と感じるサイズです。もちろん着ていて違和感のあるほどでは在りませんが、たぶんもう少し大きな人にジャストなのかと思います。
後ろから見ていてもさりげない身頃のシェイプが美しいデザインです。
ホワイトベースのこちらはブラックのワイドパンツに合わせて。
前を開けて羽織としても真夏に使っていただける洋服です。
透け感と光沢感のある生地に夏の日差しが反射すると、少しゆらぎ、そして瑞々しい。着ても見ても涼しげなお洋服です。
10代で洋服が好きになった頃から通っていたお店に50歳を過ぎて行ってみて楽しいって凄いことだと思います。集まっているお客さんを見渡してみると、20代の学生さんらしき子達から40代、夫婦、外国人と多岐に渡っている。学生の子達がレジに並ぶ傍らで僕も欲しいものがいくつも目に入る。価格帯は幅広いが、感性は統一されていて心地がいい。khadi&coもブランドとして本当にブレない誠実さを感じる洋服ばかりを作っている。定番で人気の「star pants」はよくアチコチで紹介されておりますが、僕はトップスも大好き。コートも良い。ただお値段はそれなりにするし、今や僕らのような小さなお店では毎シーズン発注を出すのが難しくなってきた。残念ながら来シーズンの発注はありませんが、また来年の春夏にはオーダーできるように頑張ります。少し間が空いてしまいますが、辞めるわけではありません。ぜひ末長く、注目していただきたいブランドです。