子供のような探究心
ゴーシュのデザイナー、泉夫妻の
「素材」に対する探求心は、
いつも、いつも、こちらの想像を大きく超えてくる。
それは、決してわかりやすいアバンギャルドではなく、
トラディショナルでもベーシックでもない。
おそらく、お二人の経験からインスピレーションされた
時代や消費者を丁寧に観察したうえでの思いやりとも
言えるような、コンテンポラリーなデザインワーク。
その精神が、こんな商品を生み出す原動力なのではなかろうか。
ゴーシュ ツイードニットロングカーディガン
ネイビー ¥31,500(税込)
見た目は非常にベーシックなのだが、
使用した糸は、織物用の英国羊毛糸。
それを旧編機を使ってゆっくりと編みあげたらしい。
さらにうれしいことに、通常の裏地ではなく、
一枚仕立てで、内側はまったくチクチクしない素材感。
もう一色はブラウンのカラーネップツイード。
ネイビーは単色だが、こちらはカラーネップ。
秋口のワンピース、チュニックスタイルに
そのまま、気軽に羽織っていただけます。
そして、ヨコ姿には、、
今シーズンのゴーシュでところどころ感じられる、
スタイリッシュなかっこ良さが現れています。
スタンダードなパンツ、ニットのスタイルにも。
もちろん、スカートスタイルに合うことは容易に想像できます。
素材、形、利便性、時代性、トレンド、全てにおいて
特化した、いいお洋服だと思います。
今シーズンのゴーシュの展示会は、素材に対する
驚きや発見のある展示会でした。
「なんで、こんな素材を作ろうと思いつくんですか?」
という僕の質問に、彼らはこう答える。
「本当に、自分たちでも呆れるくらいの量の生地や糸見本を
毎回毎回、見直します。新しいものも見て回ります。
それで自分たちが、これだ!と思ったものは、たいてい、
値段が合わないから、、とか
人気がないから、、とか
いろいろな理由で、存在しないような、ほっといたら
この世からなくなるような、そんな素材が多いのです。
欲しいものがないって言われると、余計欲しくなります。
それで結局自分たちで作ります。」
まるで子供のようなシンプルなその理由と、
あくなき探究心があるからこそ、
毎回毎回、ため息が出るほどいいものをつくり出して
いけるのではないでしょうか。