新しい時
「yasuhide ono」
小野さんは名刺というものを持たない。
今のところ彼の人生に必要ないのだろう。
旅をし続ける彼にとって無意味なものなのだろう。
「ヒマラヤの地」、インド、ネパールで
何万年という時を刻んできた天然石や水晶に魅せられ、
それらが刻んできた「時」に敬意をこめて、
コツコツと自分ができることを長く同じように続けたい。
自分が使った鉱物が、形を変えて違う誰かの手に渡り、
新しい大切な時が始まることを願っている。
18日から始まった企画展もいよいよ終盤です。
たくさんのお客様にご来店いただき、うれしく思います。
彼の作品は、彼のブログを通して1年間見てきました。
過去の作品にも目を通しました。
雄々しく、ネイティブな印象の強い初期に比べ、
現在の彼の作品からは、優しさを感じます。
旅を通じて、いろいろな人と出会い、
いいことも、嫌なことも体験する中で培ってきた
彼の人間性が、作品にも現れてくるのかもしれません。
「アクセサリーで生命を表現してみたい」
彼はそんなことを言っていた。
きっと彼にも答えはなく、作品を通して少しづつ
感じさせてくれるのだろう。
ハーキマー・クウォーツと真鍮パイプで作られた
ネックレスは、交差したところを引っ張ったりして、、、
こんな形になってみたり、
こんな形になったりする。
真鍮ネックレス ¥16,000(税抜)
日本の「古布」も好きだという。
古布のブレスレットは、石化したローマンガラスと
センスのいい金糸できれいに彩られる。
使い古させた古い布と、
長い年月、土の中に埋まっていて、石になりかけた
古代ガラスは、新しい時を刻み始める。
ブレスレット ¥18,000(税抜)
編むことに命をかけてきた小野さんに、
心の変化があったのだろうか。。
華奢で繊細な極細の18Kのチェーンに、
きれいな天然石がポツンとつく。
妻に渡したら3日ももたないかもしれない、、
でも大丈夫。
小野さんが直してくれるから。
華奢なチェーンに少しゴツゴツした、
水晶の原石が付いたモノも素敵だった。
留め金具を使わない小野さんは、
こんなに細かいチェーンにも、
ご自身で留め具を作る。
できる限り自身で手を入れたいのだろう。
18Kチェーンネックレス ¥23,000(税抜)
女性の指に収まった時、
とてつもない愛嬌と可愛らしさで、
思わず笑みが浮かぶ。
水晶の原石に穴をくりぬいた、
それはそれは素敵なリング。
まさにこの世に一つだけの、
自分だけのかわいいリング。
水晶リング ¥14,000(税抜)
小野さんの企画展が始まる数日前、
始まりの合図をかけるように咲きました。
たった1日咲くだけのサボテンの花。
妻がこのサボテンを見るたびにクチにする。
「他人とは思えない」
たぶんそれは、彼女なりの愛着です。
何度もこのサボテンをジッと見ているうちに、
愛着を感じていたのでしょう。
小野さんのアクセサリーが、皆様の手に届き、
皆様と新しい時を刻み、
愛着が生まれますように。。
心から願います。