annabelle

DDUD巡回展 / histoire蚤の市

1年半ほど前に、NO CONTROL AIRの米永さんが新たな「シリーズ」を始めたということでご紹介を受けた、その当時はまだNO CONTROL AIRの中のシリーズだった洋服がありました。annabelleでも当時ご紹介していたので、見た方も購入してくださった方もいらっしゃると思います。僕自身は、久々に気分が上がりすぎて、パンツ、シャツ、ジャケットの3ピースで購入してしまったことを思い出します。しかもそれと全く同じ3ピースをsonorの啓太さんも購入していたからびっくり(笑)

当時そのシリーズを購入してくださったのは、いい意味でマニアックなファッション好きの方達であったと記憶しています。デザイン的にもプロダクトとしても、興味深くて仕方ないシリーズでした。その後、いよいよそのシリーズが新ブランドとなって登場することとなりました。ブランド名は「DDUD(ディーディーユーディー)」。「納期不定」の意味を持つ言葉の頭文字をとってのブランド名には、米永さんらしい意味合いも込められています。

アパレル業界にはシーズンごとに展示会を行って、10ヶ月ほど前からバイヤーが展示会をめぐり、それぞれのお店に並べられ、残ったものは様々な経緯を辿って最終的には廃棄されている。我々のような小さなお店を運営している人たちは、そのような慣習に疑問を持って独立してきたものが多くいる。こういった構造には、大きなアパレル産業を支えている良い面もあるため、より議論の対象となるのでしょう。コロナ禍にはコレクションデザイナーの間でもその運営について一時期問題が取り立たされ、アルマーニなどでは実際に改革も行われた。アパレルで大量生産がメインで行われる理由の一つにはコスト削減があります。いかに安く作るかを競う背景がある。その時点で、残ったものはどうなるか?ということは後回しになる。仕方ない反面、それは本来のファッションとは異なる位置にいる業種だという考えを持っているのが我々のような小さなブランドやお店の人たちかもしれません。

DDUDは、デザイナーやそこで働く人たち全員が「これ最高」と判断したものを慎重に検討した上で全力で生産に向けて取り組み、展示会を行うと同時に「巡回展」という形式を取り入れて、年間を通してエンドユーザーに直接コレクションをお披露目し続けるという新しいシステムを導入しています。(そもそもファッションの起源はそうだった)従来の「納期設定」という概念が薄く、作った商品が残るということも非常に少ない活動の仕方を模索している。

今回の展示は、その巡回展の一環をannabelleで開催するものとなります。メーカーが在庫を持っている商品と先のシーズンで販売予定となる商品が同時に並べられ、その中からお客様が直接商品を見て選ぶことができるという販売会形式の展示。今すぐ着られるものが同時にあることも嬉しいポイントです。

しかし、このDDUDの本丸は実はそこではない。やっぱりプロダクトが非常に面白い。この奇怪な形の切り抜きも実は洋服の型紙の一部なのです。今回の展示では、これよりもさらに奇怪な型紙のお洋服や実際の型紙の縮小版をご用意して、お客様にも直接ご覧いただきたいと思います。洋服のデザイナーの思考の一部を同時にご覧いただける巡回展となることでしょう。

DDUD巡回展

昔、昔、ファッション業界の集まりで、先輩が口にした言葉。

「だいたい他業種出身のやつはセンスがいい」

当時はまったく受け流していたけれど、この言葉を因数分解していくと、つまりは常識に囚われていない方が発想が豊かだということになる。常識は持っていて損はないけど、ファッション業界でとりわけデザイナーとしてやっていくには邪魔な存在かもしれません。DDUDのデザイナーは、皆さんご存知のNO CONTROL AIRの米永さんです。3つ目のブランドとなる今回は、既存のブランドではやりきれない発足当初からのアイデアを存分にぶつけた見応えのある内容となっております。

芸大で建築の勉強をしていた米永さんが、洋服好きが高じて独学で歩んできた25年以上の道程がここに強烈に集約しています。常識を鼻歌まじりに蹴散らしていくような服作りからは、今の時代に必要な哲学やエネルギーがたっぷりと滲み出ています。今展は、ブランドの巡回展の一環として、annabelleでも展示会を開催して頂くこととなりました。即売の商品と受注の商品が同時に並ぶ展示会です。ぜひバイヤーになった気分で、先のシーズンのお洋服もお楽しみください。

会期:5/3[sat]-6[tue]
時間:annabelle304 ※デザイナーは初日在廊

また、会期中の3日、4日は、annabelleの旧友青木さんが久しぶりに店頭でブロカントの蚤の市を開催してくれます。ぜひ併せてお楽しみください。

histoire

蚤の市

annabelleオープン当初からご来店のお客様はご存知の方も多いかもしれません。今回、フランス在住のhistoire(イストアール)の青木さんが、久しぶりにannabelle店頭で蚤の市を開催してくださいます。

青木さんとの出会いは2011年の夏頃、まだannabelle開店準備中のこと。ある骨董市のような会場でお店で使いたい古道具を色々と物色する中ででのことでした。直感的に「何か他の人と違う雰囲気」を感じた青木さんのブースに足をとめ、話をするともう何年もフランスに住んでいるという。当時はパリに住んでおり、本場フランスの蚤の市が彼女の日常にあったのです。以前は食器やカゴというテーマを持った展示も行って頂きましたが、今回は青木さんの真骨頂である古典的で雑多な雰囲気の楽しい昔ながらのフランス蚤の市をお楽しみいただけることになります。店主とのおしゃべりも楽しい本場フランスの蚤の市を祝日の2日間、annabelleの店頭でぜひお楽しみください。

 

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