ちょっとした丘
サスペンダーパンツとかサロペットって、洋服を着る上での一つの壁だと思います。若い頃にクリアしちゃうと全然大したことない壁なんですが、大人になってからのそれは、お店で見ているとけっこう高い壁なのかな?と思う時もある。アナベルの通販モデルを13年勤めてくれている妻は、1週間の7割がサロペットかというくらい、サロペット、サスペンダーパンツ好きなのですが、20歳から見てきて、サロペットを穿いているのは、40歳を超えてからじゃないかと思います。だから、本当に着たいと思ったら、着ていいと思います。
klause コットンヘンプサスペンダーパンツ ¥51,700(税込)ベージュ
数年前にご紹介した時は素材が少し違ったかもしれません。ワイドなサスペンダーパンツとしては、FIRMUMのサカナヤパンツが知られていますが、klauseのこちらは程よいゆるさの本格仕様のサスペンダーパンツです。どこか突き抜けた感覚で、ただ白シャツを合わせる。ただ白Teeを合わせる。そんなシンプルな装いをベースにして、いろいろなスタイリングに派生させてもらいたいパンツです。
レザーバッグも得意としているブランドだけに、かなり雰囲気の良いサスペンダーを作っています。ぜひ女性ならではなファッションの中で、ギャップを感じさせるスタイリングも楽しんでもらいたい。
ステッチもかなりいい感じに効いた、抜群の存在感です。
ベルト裏で多少の調整が可能です。このSサイズで、身長で165cm前後の方までカバーできるサイズ感です。
背面です。サスペンダーパンツは後ろ姿にも拘りたいところですが、klauseのこのパンツは、このタブを絞ることでグッとらしさが出る感じです。
たったこれだけなのですが、かっこいいんです。
両サイドに付いたヒップポケットは、トラウザーズのような両玉縁に太番手の素敵なステッチを充てています。
ブラックとベージュの二色展開。
この素材も大好きです。もともと「チノ」素材は、軍服や作業服によく用いられていた素材ですが、これはそのオリジナルを感じさせる素朴さと、丈夫そうでいて上品な印象を感じます。たぶんklauseさんの仕立てが映えさせていることも大きいのだと思います。
ベージュにはブラックを合わせるのが、やっぱり好き。白も軽さがあって良いですけどね。
ブローチとかたくさん付けたくなるパンツですね。どこに付けましょう?そういうこと、考えるのも楽しいですね。
さて先ほどのタブを絞ってみますと、、
こんな感じ。当たり前ですがウェストに向かってテーパーして、どことなく出てくるカーブの効いたシルエットがちょっと印象を変えてくれますよ。
こんな風に上着を着て閉めてもかっこいい。
ブラックはArtepoveraのパーカーTeeに合わせてみました。
上からは妻自身も今シーズン購入したHAVERSACKのボレロブルゾンを羽織って。(ブルゾンは完売しています)
ストライプのドルマンシャツに合わせて。
このサスペンダーパンツが初めて入荷した年、おしゃれな方々がバタバタっと買っていかれました。試着している姿を見ていてあらためて感じたのは、洋服ってやっぱり生地や仕立てがとても大切なんだということ。似たようなデザインの洋服は今の時代至る所にもあるかもしれませんが、当たり前だけどそれぞれ全然違う。初めて「ゴーシュ」の洋服を見た時に感じた何かと同じ何かをklauseには感じました。両デザイナーとも似たようなコメントをするから面白いし、大きく頷きたいポイントです。「昔から基本とされている手順で丁寧に洋服を作っているだけ」だとやや謙遜気味。やっぱりデザイナーそれぞれが自身の「かっこいい」とか「かわいい」とか「素敵」を徹底的に追求した洋服って素敵だし、やるべきことを当たり前にしっかりやっている洋服って迫力あるんですよね。もちろんそこに「好み」をプラスさせてお店用にバイイングしているわけですが。
サロペットやサスペンダーパンツに興味のある方、ぜひ一度店頭であてがってみてください。大きく感じている壁は、たぶんちょっとした丘や坂道だったりしますよ。