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ゴーシュのニューダウン

僕が若い時代を過ごした90年代は、本当にさまざまなファッションスタイルが登場する時代でした。「アメカジ」「渋カジ」を筆頭に、スケーターブームから派生してバイクのカスタムや音楽カルチャーにまで広がって、いったいどこが始まりなのかもよくわからなくなるほど元気のいいストリートカルチャーが混在していた。大きな古着ブームが起きたのもこの時代で、後半に登場したアウトドアスタイルブームやスニーカーブームも混ざり合って、まさに何でも有りの状況を楽しんでおりました。ファッションや若者の文化が社会現象にまでなって、メディアで問題視されたのはこの時代が最後だったのかもしれませんね。今日はその時代に一気にストリートカジュアルに広まった、「ダウン」のご紹介です。

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ゴーシュ ダウンジャケット ¥94,600(税込) ライトベージュ

写真でも何となくお分かりかと思いますが、真っ白ではまったくありません。オフホワイトよりやや生成りくらいのお色味で、ゴーシュの付けたメーカーカラー表記は「ライトベージュ」となっております。グレイッシュな生成りと言っても良いかもしれません。

annabelleは、多くの有名セレクトショップで取り上げるほど、冬のアウターとしてダウンを重要視していません。じゃあ、なぜこれをセレクトしたのかと言うと、ダウンという機能面をいったん横に置いて見て、素敵なアウターだと思っているからです。しかしダウンである以上、比較対象は世界トップクラスのアウトドアブランドやスポーツブランドになることは間違いのない事実です。お客様はそれぞれの予算などに応じて、価格、品質、デザイン、普遍性など、いろいろな角度から検討されることを考えてのゴーシュのダウンの提案です。

フード部分は、頭部全体を覆い隠すような立体的、機能的なデザインです。

スナップボタンでフードを折りたたみ、膨らみを減らすことができます。フードを被った際のホールド感を増す機能的な側面もある。

袖口も絞ることができます。アウトドアブランドでは風の通り道を塞ぐと言うのは当たり前のことですが、同じようにドローコードなどを使用すると、スポーティーさが際立ちファッション性には欠けて見えますので、僕はこのゴーシュのスナップボタンという選択が見れば見るほど秀逸に思えてなりません。おそらくアメリカのムーンストーンなどを見て、気に入って着てきたこともあって、カッコよく見えるのかもしれません。このあたりは好みですね。

そしてゴーシュのダウンで毎回嬉しいのはこの裾を絞れるところです。これ、無くてもいいんじゃない?なんて思ってしまうかもしれないほどさりげない存在なのですが、着用した際のシルエットの変化を見たら、なくてはならない存在だとわかるはずです。

ほら。

ポケットは胸についたパッチ&フラップがゴーシュらしくていいですね。これと言って特殊なものではないのですが、デザイナーの作るかなり本格派のダウンにこのポケットがあることで、適正かどうかわかりませんが、なんだか和みます。

サイドポケットは両脇の切替線に合わせて目立たないようにしっかりございます。

ファスナーはいつも通り逆開のダブルジップを使用しています。これもスタイリングに嬉しい機能です。合わせるボトムスやインナーに合わせて裾を広げたい時、女性は結構あると思います。街で着るわけですからね。

前回は、annabelleではゴーシュのダウンをセレクトしなかったので、今回4層のダウンになって初めてのご紹介です。今までゴーシュのダウンは、ダウンパックの片面と裏地を兼務させ、リバーシブル仕立てにする3層ダウンを長い期間販売してきました。それは世界でも屈指のダウン生産工場も一目を置く、他にはないユニークなデザインだったのですが、今回からリバース仕立てをやめ、一般的な裏地の付く4層ダウンへと変化いたしました。静電気などでどうしてもフェザーが出てきてしまうようなことがダウンのデメリットにもなりますが、表地をキルティング仕立てにせず、裏地も付いた今回のダウンは、そのデメリットの軽減にもつながっているのだと思います。また、裏側には両サイドにポケットがございます。

今回は左からライトベージュ、ネイビー、チャコールグレー、ブラックの4色展開でのご紹介です。昨年、セレクトしなかった理由は、表生地の特性によりクリーニングも水洗いもできないというケアについてのデメリットが気になったことが原因でした。その点、今回は表生地には高密度なコットン素材を用いており、石油系のドライクリーニングも水洗いも可能です。お洗濯は、クリーニング専門店へお持ちいただくことをお勧めいたします。

ライトベージュは、Honneteのカットソー素材のスカートに合わせてスタイリングをいたしました。展示会を見ている最中から想像していたスタイリングの一つです。

モノトーンでまとめた、スタイリッシュな印象のコーディネートです。

前を閉じて。
ゴーシュのダウンをとにかくお勧めしたいと思う一番の理由として、シルエットやボリューム感をコントロールした、とてもストイックな生産過程が一つ挙げられます。どう言うことか?

ゴーシュのダウンは、世界でも最も高い基準を誇る、日本羽毛協会が認定した高級な水鳥の羽毛を使用しています。水鳥一羽から12gほどしか採取できない貴重な羽毛です。もちろんよく用いられる「ダウンパワー」や「フィルパワー」も高いため、体温が伝わった際にすぐに反応して膨らみます。多くのダウンは一般的に均等に入った「ダウンパック」を使用して生産しますので、全体に同じように膨らみが出ます。しかしゴーシュのダウンはそこが少し異なります。何が違うのか?

それは、ダウンパックの羽毛の量を場所によって変えています。つまり温かく膨らみの多い場所と、温かさを犠牲にして羽毛量を減らすことでシルエットを綺麗に見せると言った細かなことを行なっています。女性の皆さんは、肩周りが膨らむの、嫌ですよね?しかしこれは誰にでもできることではありません。ゴーシュのお二人が二人ともそれぞれに別なトップメゾンで長くパターンナーを務めてきたことや、それだけでなくそのキャリアからくる役得もあってのことだと思います。

チャコールグレーは先日ご紹介したSUSURIのブーコリックドレスに羽織って。古典的な素材と高機能素材が融合したスタイリングが何だかテンション上がります。

僕も以前メンズアパレルで働いていた際、国内のダウン工場を訪れて生産交渉に同席させてもらったことがありますが、通常ものすごい量の発注を出さないと引き受けてさえもらえないはずですし、ダウンパックの別注なんて夢のような話です。しかもこのクラスのダウンを税込10万円以内で販売できるのがすごい。そういった面もお勧めしたい理由です。

裾のスナップは、留めていただくとこんな具合。まさにワンピースに合わせる時やシルエットの膨らみを抑えたい時にあって嬉しいスナップです。

ネイビーは完売したNativeVillageのサロペットに合わせて羽織っています。ダウンはブランドのマークが付いていたりするものも多く、僕らが提案しているような少し個性的なファッションシーンには合わせずらいような印象もありましたが、ゴーシュのダウンを見てはじめてワクワクしたこともお勧めしたい理由の一つです。他のセレクトブランドとも相性がいいのです。

しっかりとした防寒性や保温性を持ちながら、かなりファッション寄りに設計されたダウンです。

前をしっかり閉めたら、ストールもいらないかもしれませんが、ストールも使いたい場合は開けて襟を開くことでファッション性を増してくれます。

ゴーシュが作った誰にも真似できないダウンは、寒気をシャットアウトしながらオシャレをする洋服です。

ブラックは大迫力のGASAのパンツに合わせて。モンクレールやDUVETICA(デュベティカ)、カナダグースなど、本格的な高級ダウンの購入をご検討の方、負けないくらい上質でおしゃれなダウンと素敵なGASAのボトムスをセットでいかがでしょうか?

今回ブラックはオールブラックで、異素材の凹凸感を視覚的にも見せられるGASAのパンツがあってのオールブラック。シルエットに特徴のあるワンピースやスカートとの合わせもカッコ良さそうです。

冬のアウターとして、ダウンをお考えのすべての方へお勧めしたいダウンです。

このダウンを見ていると、「冬にダウンを作る」ということがゴーシュのお二人の大切なライフワークであり、お二人も楽しみながら取り組んでいる価値のあるプロダクトなのだと感じます。使用しているダウンの品質や原価から、結構な無理をして出している価格であることはお二人もバイヤーも周知の事実です。「なぜ正当な価格に上げないんですか?」という問いに、とっても誠実な眼差しで、「いや、ブランド力のない僕らが付けられる値段は僕らが一番わかっています。」「それより作れなくなる方が辛い」と、そう言っておりました。確かに大量生産でもなく国内の工場でこれだけ価値のあるダウンが作れること自体が奇跡なのかもしれません。その状況に甘んじることなく、わきまえての価格だと言うことでしょうか。僕もゴーシュファンの一人として、しっかりと見て、気に入ったら全力でお勧めしたいと思うプロダクトです。ぜひご検討ください。

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