ゴーシュ
ちょうど5年前の今頃、
お店のオープンに先駆けて伺ったゴーシュの展示会で、
自分たちの話やゴーシュのお二人の話。
いろいろお話した。
とても印象的だったのは、彼らの口から多く登場した、
「らしい」という言葉。
「ワンピースはワンピースらしく作りたいし、着てほしい。」
「シャツは、シャツらしく作りたい。」
「究極のところ、僕らはパンツにシンプルなシャツか
Tシャツが一番いいと思ったうえで、いろいろなデザインに挑戦している。」
「10年後に何のためらいもなく着ていける洋服が作りたい。」
今日は、セーターらしいセーターのご紹介です。
ゴーシュ
ハイランドウールセーター ¥16,000(税抜)
ライトグレー
昨年から始めた、彼らのペルー生産のニットシリーズ。
工場が変わったり、初めての工場などに依頼すると、
ブランドの雰囲気が変わる恐れがある。
ミニマルなデザインで勝負しているゴーシュにとって、
慣れ親しんだ工場の職人さんや、生地屋さんは、
ほとんど仲間のようなものだろう。
それでも、あえて踏み込んだ海外生産は、
彼らの想像を超えて、満足のいくものだったようだ。
アルパカで有名なペルーの高山地帯で育つ羊。
ハイランドウール。
カシミアやアルパカのようなしっとりとした肌触りはないが、
シェットランドのようなガリガリしたものでもない。
色名はライトグレーだが、生成りベージュっぽいお色目です。
グレイッシュブルー
ゴーシュのお二人が納得したのもうなずける。
初めての工場で、、しかも手横編み機で、
ここまでゴーシュの雰囲気を表現できるとは、すごい。
もちろん、様々な格闘はあったようだが。
小さな飴ちゃんポッケも健在です。
前回のアルパカは、機械編と手編みを駆使したものでしたが、
今回は、手横編み機です。
手を横に動かしながら編んでいく、原始的な編み機です。
ネイビー
作るほうももちろん素晴らしいのだが、
きっと彼らの指示の出し方と修正が見事なのでしょう。
標高4000mで育ったペルーのハイランドウール。
肌触りが少しチクチクする分、ウールに本来求められる、
暖かさと丈夫さは、十分なレベルで備えている。
ゴーシュ
ハイランドウールタートルネックセーター
ライトグレー ¥16,000(税抜)
少し前かがみに立体的なタートルネック。
着たときの形は、素朴でありながら美しい。
グレイッシュブルー
ミニマルでやや男性的なデザインだが、
着用した時のちゃんとした、女性らしい美しさ。
そんなゴーシュの魅力を十分に感じます。
着るときは、このように折るとちょうどいい。
ネイビー
手横で編まれたこのセーター。
丈夫で温かいなら、少し重いのでは?
とても軽い仕上がりです。
当初、私の体系にこのセーターは無理だと、
豪語していた妻。。
2色目を着たときに、「欲しい」に変わっていた。
残念ながら、今シーズンあなたの分はございません。
maison de soil のふわふわのコットンスカートに
ライトグレー。
ゴーシュのセーターのいいところは、
ニットであっても、彼らが型紙を作るところ。
最近、気に入りすぎて毎日のように履いている、
FIRMUM のパンツに、グレイッシュブルー。
ゴーシュはセーターを作るときも型紙を用意して渡す。
そして、そこにも細やかな指示が入る。
だから、ベテランのニットデザインナーさながら、
立体的で美しい。
上からは、余裕をもって、ジャケットやコートが着ていただける。
ゴーシュのリネン素材のひもパンツにネイビー。
ゴーシュのスタイルは、ミニマルながら迫力があり、
上質な素材の持つ品格が十分に生かされたものである。
でも少し、女性らしいニュアンスを加えたくなる。
FIRMUM のパンツにメンズライクにタートルネック。
シンプルなデザインだから、どんなスタイリングにも
対応してくれる。
ゴーシュのギャザースカートは、ふんわりしていて
相性がいいようだ。
飽きることなどあるのだろうか。。
そう感じると同時に、「今この時に着たい」という
どうにもならない、トレンド性のような衝動に襲われる。
安心感すら感じるトラディショナルなモノつくりと、
新鮮で前衛的なモード感のあるモノつくり。
その二つが見事に調和したブランドなのでしょう。
褒めすぎですか?
これでも褒めたらないくらい、彼らのモノつくりは魅力的です。