掘り出し物
最近は、しばらく封印していた古着屋めぐりをまた少し始めています。あの雑多で莫大な量の洋服の中から、自分好みの一点を掘り当てた時のワクワク感は整然と並んだ既成服屋ではなかなか味わえない良さがあります。それに並んでいるもの全てが、今の時代のデザイナーが作るお洋服の元になっているわけですから、見方によっては勉強です。先日もある古着屋さんで何周もしながら熱心に見ていると、僕と同じような熱心なテンションで古着を漁っている大人がいらっしゃいました。とてもおしゃれだったので同業者かな?と思ったら、リリーフランキーさん。。初めて直接拝見しましたけど、めっちゃお洒落ですね。
今日はヴィンテージにも造詣が深いデザイナーが作る、HAVERSACKからイギリス空軍の古着をモチーフにした可愛らしいパンツをご紹介します。
HAVERSACK ワイドサスペンダーパンツ ¥33,000(税込) ベージュ
イギリスの空軍、RAF(ロイヤルエアフォース)のパンツをモチーフにしたサスペンダーパンツです。実物よりかなり太めにデザインされていますし、元にしているという軍物のパンツにはサスペンダーは付いていません。生地はコットンナイロンのウェザークロスです。軽くて丈夫で雨も弾きますが、今すぐに穿いても良さそうなパンツです。雨風をシャットアウトしそうな記事ではありますが、デザインが風通しのいいオーバーサイズなデザインですから。
肩紐は身頃と共布で、前側は縫い留められており、後ろ側がボタンホールで調整ができるデザインです。また、肩紐をおろしても着られるように、ウェストには紐も付いています。ゴムは入っていませんので、お好みのウェストサイズで、そして自分好みのバランスでお楽しみください。
ポケットは通常のものが両脇にございます。
フラップポケットが膝下のサイドにあるデザインは、本物の軍物パンツをモチーフにした部分です。モーターサイクル系のパンツにも見られるように、座った状態でポケットへの出し入れがしやすいように配慮されたデザインですね。「なんでこんなところにポケットが?」なんていう洋服の見方が出来るのも古着屋さんの楽しいところです。
サイズはフリーサイズで、この肩紐で4段階の調整が可能です。
どのくらい絞って穿くかでも雰囲気が変わりますし、好みもあると思います。
こちらがマイルドピスタチオ。薄いオリーブグリーンのようなお色味です。
まだまだ真夏の暑さですから、まずはTシャツでスタイリング。
おそらく9月いっぱいはこんな感じのスタイリングが続くのでしょう。Tシャツが薄手の長袖のシャツになったり、何かを上に羽織ったりし始めるのは9月下旬から10月上旬。今は夏物と合わせて、小物などから少しづつ秋を意識してお楽しみください。
背面はクロスせずに着ています。
肩紐をサイドに落として穿いてもかっこいい。
トップスの裾を出して被せてもいい。
Tシャツがセーターになったところを想像するのは簡単な想像かもしれませんね。FACTORYのロールネックショート丈のセーターなんか似合うでしょうね。肩紐を落としてざっくりした手編みのセーターを着るのも可愛らしい。
マイルドピスタチオはHAVERSACKの夏の太ボーダーニットに合わせてDELMONACOのVチップのレースアップシューズを合わせて。色合いや革靴で少し秋らしさを意識してみましたがいかがでしょう。
今回は半袖やフレンチスリーブで真夏を意識したスタイリングでしたが、klauseさんの長袖シャツシリーズなんかもこの後取り入れたら良さそうですね。ジャケットやブルゾンも似合いそう。
こちらも肩紐を脇に落として穿いてみます。
フリーサイズで155cmの妻が穿いてこの長さですから、本来はもう少し短めの設定なのだと思います。でも小柄な方がこんな風に着るのも素敵ですよ。
肩紐を通常通りにつけたところ。
肩紐が落ちやすい人はクロスして。
ウェストを絞って肩紐をおろしてもいい。
さらには肩紐のボタンを外して、ベルト代わりにループに通して巻いてもいい。
古着屋さんで見るミリタリー服やワーク服は、従来誰かのために作られた職業服ですから、ほとんどのデザインに何か意味があります。それが古着をみていく楽しさでもあるのですが、一方で雑多なものから好みを掬い取り、わざわざ大きめなTシャツを着てみたり、わざわざかなりオーバーサイズのズボンをサスペンダーで穿いてみたり、はたまたピタピタのレディースのライダースを男性が着てみたりと、かなり自由な世界でもある。特に昔ながらの古着さんは、メンズ・レディースの境目を作らないので、「着たい人が着ればいい」というスタンス。それもいい。
このHAVERSACKの洋服は、本物の軍服をモディファイすることで、本格的なウェザークロスを取り入れつつも少しおかしなサイズ感が現代的には可愛らしく、そこにサスペンダー機能を付け足すことで大幅に自由度が増している。なんだか古着屋さんで掘り出し物を見つけた時のような気分を味わえる一着です。